2017.02.18

ソリウッドの耳つきテーブルは仕入れた板を乾燥させるところからはじめています。【No.1833】

昨日は午後から一時強烈な風が吹きました。でも、午前中は穏やかな天気だったんですよね。朝は寒かったですが、時間が経つにつれて暖かくなって外の作業もやりやすかったです。だんだんと春になっていますね。冬場は空気も乾燥しているので木材乾燥には良い季節です。木材はまわりの環境に応じて水分量を調整する機能が備わっているので環境がとても重要になります。乾いた空気の場所に置いておけばそれだけ乾燥の進みも早くなります。なので、乾燥した季節や乾燥した地域では乾燥も早いです。逆に梅雨時の湿った空気の中や海や川の近くなど湿った空気の中では乾燥も進みが遅くなります。現在では強制的に木材を乾燥させる人工乾燥方法が発達したので地域差などは少なくなりましたが、やはり乾燥した地域の方が木材乾燥にとっては有利です。相模湖工房のある辺りは特に乾燥している地域ではありませんので、特別に乾燥に適している訳ではありません。でも、外に桟積みして板を置いておけば時間の経過と共に板は乾燥していきます。

ソリウッドで製作している耳つきテーブル用の板は主に材木市場で仕入れてきています。材木市場に並ぶ板の多くは未乾燥材です。なので乾燥させてからでないと使用することはできません。未乾燥材を乾燥させるのにはある程度のリスクが伴います。乾燥途中に割れてしまったり、反ってしまったりします。そうなると想定していた使い方ができない場合もあります。どんなに幅広くて、綺麗な木目の板でも真ん中に長い割れが入ってしまったら価値は相当に下がってしまいます。しかもこういうことがよく起こります。どんなに乾燥技術が発達しても板が割れたり、反ったりするのを完全に防ぐことはできないでしょう。これは木が持つ性質なので仕方ありません。そのため、乾燥材は未乾燥材よりも価格が高くなります。材木屋さんの多くは未乾燥材を仕入れて、乾燥をさせて我々のような木工屋や一般ユーザーに販売しています。つまり板に乾燥したという付加価値をつけて売る訳です。

ソリウッドでは従来では材木屋さんが行っていた木材乾燥を自分たちでも行うことをしています。自前で乾燥させる技術や設備があれば仕入れ材のコストを下げることができます。もちろんリスクも伴いますが…現在では低温タイプの木材乾燥庫を3台使って木材を乾燥させています。3台とも木材乾燥庫としては小さめのものですので、全てをこれでまかなうことはできません。なので、ストレートカットテーブルや本棚などに使用する比較的幅の狭めの木材に関しては乾燥済みの板を材木屋さんから仕入れています。

耳つきテーブル用の板に関しては材木市場で仕入れた未乾燥材を乾燥させて使用しています。仕入れてきた板は半年から1年くらい外に桟積みした状態で自然乾燥させておきます。仕入れた板は工房に到着した時点で含水率が約50%程度です。天然乾燥で含水率を20~30%台まで落としていきます。天然乾燥でできるだけ含水率を下げた方が木材乾燥庫に入れておく時間が短くなります。

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乾燥具合を確かめるのには木材水分計を使います。材面にセンサーを当てると瞬時に含水率が表示されます。目安は10%以下です。板の中心付近が1番乾燥しにくい場所ですので、そこの含水率を測るようにしていま。外側の部分は水分が抜けていても中心部分はまだ抜けきっていないということもあるので、注意が必要です。上の写真は木材水分計を乾燥庫から取り出したミズメ材の板に当てた時のものです。わずかに含水率が10%になっています。板の中心部分を計測しているのでこのぐらいの乾燥具合で良さそうです。

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乾燥具合を確かめて乾燥したと判断した板はどう使うかを考えていきます。割れなどを省いてどのぐらいの大きさの天板が作れるかを検討していきます。使い方が決まったら材木チョークで板に印を付けていきます。このミズメの板はブックマッチ方式で耳つき2枚はぎテーブル天板にする予定です。板のカタチも悪くなく、木目も綺麗に出そうです。余分な所をカットして、表面を削ってきれいになったら吉祥寺ショールームに展示する予定です。その頃にまた詳しく紹介したいと思っています。

瑞木@相模湖

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