2014.08.16

鉋は刃と台の調整が不可欠です。

ソリウッドの木工教室では鉋・鑿・鋸といった手道具を使って家具を製作していきます。はじめは基礎クラスに所属して頂き道具の使い方を学びながら課題を製作してもらいます。

鉋・鑿・鋸といった手道具はとてもシンプルな構造ですが、扱い方に慣れるには経験が必要になります。その中でも鉋は取り扱いが難しく、説明しただけでは上手く扱う事はできません。はじめて鉋を扱う方にとっては、いちから鉋の調整をしてもらうには難しいので基礎クラスの生徒さんの鉋ははじめにスタッフが下端の調整をしておきます。

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鉋の調整というと大きく分けて2つあります。1つは鉋刃を出すこと。木材を削るためには適切な分だけ刃を出す必要があります。鉋屑は30ミクロンぐらいの厚みです。達人クラスになると10ミクロン以下の薄さの鉋屑を出すことができるそうです。10ミクロンというとラップぐらいの薄さだそうです。そのぐらい薄く削るわけなので、鉋の刃も鉋台から微かなにでるようにしなければなりません。さらに鉋台と水平に刃を出す必要があります。斜めに刃が出ていると当然斜めに削れてしまいます。幅の狭い部材などを刃が斜めに出ている鉋で削ると角の直角が崩れてしまいます。

2つ目の調整が鉋台の下端調整です。木材を削るためには、木材に刃がしっかりと当たらなくては駄目です。刃をしっかり当てるためには鉋台の下端の調整が不可欠になります。鉋台の下面は直線だと思われている方がいると思いますが、そうではありません。私も鉋に触れる前までは、下端を調整する必要があるなんて思ってもいませんでした。下端の調整方法はいろいろ開発されていますが、基本は下端定規と台直し鉋を使う調整方法です。つまり、鉋の下面を他の鉋で削る訳です。台直し鉋は刃が垂直に近い角度で刺さっています。この鉋を横削り風に使って下端を削っていきます。

こうした説明をすると、” では、台直し鉋の下端はどうやって調整するのか?”という質問もする生徒さんがいます。当然そういう疑問が生じますよね。答えは”別の台直し鉋で削る” です。とういうことは、いくつものの台直し鉋が必要になってきますね。無限に台直し鉋が増え続けてしまいます。実際は、台直し鉋の下端の調整は普通の鉋の下端調整ほどの正確さは必要ないので、小鉋や鑿で削って調整したりもします。

では、どこを削っていけば良いのでしょうか?

一概に言うことは出来ません。その鉋を粗削りに使うのか、直線だしに使うのか、仕上げ削り使うのかといった用途によって調整方法が異なります。共通しているのは、刃口と台尻が1番高くなるようにする事です。刃口は刃が出ているすぐ手前の部分です。台尻は鉋台の1番後ろの部分です。つまり、刃口と台尻以外の部分は少し下がっている状態にする必要があります。1番重要なのは、刃口のすぐ後ろの部分。ここが水平で台尻と同じ高さで1番高くなっている状態でないと刃がうまく材に当たりません。鉋の刃が材にうまく当たらないと思ったらまずここの部分を調べてみます。ここがすり減っていたりしたら、台直し鉋で削って水平にします。そして他の部分が高くなってしまったらそこを削っていきます。とにかく刃のすぐ後ろが大事なんです。

鉋台は丈夫なカシノキが使われている事が多いですが、削っているうちに摩擦ですり減ってきます。すり減ったらまた台直し鉋で削って調整し直さなければいけません。特に角を削ってたりする場合は当たっている部分の下端はすぐにすり減ってしまいます。なるべく同じ箇所で削り続けないようにできれば調整する頻度も少なく済みます。

瑞木@相模湖

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