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家具屋で働く双子のブログ
幕板のないテーブルの裏にある秘密
ソリウッドの無垢材テーブルには、天然素材の木と向き合い、扱いの難しいとされる素材をどうコントロールするかとダイニングテーブルとしての使い勝手をどうバランスをとるかを考慮した結果の構造となっています。これはどういうことなのかを解説していきたいと思います。
木は何もしないと反る!?
木材は立木として、活動をしている間その木部には多くの水分が含まれています。そのため、伐採したばかりの木を製材した板を触ってみると、濡れている感じがします。このまだ水分が多く含まれている板をそのままにしておくと、どういうことが起こるかというと、木材の表面から中に含まれている水分が蒸発して抜けていきます。木の組織はもともと異方性と呼ばれ、それぞれの細胞組織が持っている性質がことなります。そのため、中にある水分が抜けると、これまで保ってきたバランスがくずれそれぞれ、収縮し始めます。それぞれの部分が持つ収縮率が異なるため、たくさん縮んだほうへ反っていきます。これが木が反るメカニズムです。ですので、無垢材が反るということは、その木の性質が悪いということでななく、ごく当たり前のことして起きるわけです。ある程度水分が蒸発して抜けると、外の環境とのバランスが取れ、極度な湿度の上昇や下降や1面だけが濡れた状態になっているということをさければ、均衡を保つようになります。ですので、木材は乾燥が重要になると言われているわけです。十分に乾燥が進むと安定しますので、そこではじめて家具などを作り始めることができます。
十分に乾燥した材を使うことで、大きな狂いというものは生じなくなります。ただ、天然素材であることには変わりなく絶対ということはありません。ですので、十分に乾燥が進んで大丈夫と思っていても、何かの拍子で反りがでるといったことは十分に考えられます。そこで、我々は無垢材テーブルを製作するには、
十分に乾燥をさせること
保険の意味合いも込めて、反りに対する策をとっておくこと
を常に心がけています。
乾燥については、現在の住環境においては木材に含まれる水分の割合を10%以下に抑えることが理想と考えています。その数値を実現させるためには外にずっと置いておいておくだけでは、なかなか達成はされません。そこで、人口乾燥機と言われる乾燥庫で庫内を温めて乾燥を促します。そうすることで、ようやく使える材になります。ソリウッドでは、使う木によってすでに乾燥されている材を使うケース、工房にある木材乾燥機で乾燥させた材を使うケースとありますが、いずれにせよしっかりと乾燥させた材を使っています。また、製作を始めるにあたり、シーズニングと呼んでいますが、一度木を削り、その状態でしばらく置いておき、さらに癖をださせるようにしています。仕入れてきた材がすぐに使えないのはコスト的にはつらいものがありますが、無垢材を使う上では重要なことです。
また、反りについては上述したように保険的な意味合いも含み、しっかりと対策をしておく必要があります。反りの対策として考えられるのは、幕板と呼ばれる板を脚と脚の間にわたし、反り止めとしても機能させる方法と天板の裏に脚とは独立させて反り止めを施す方法です。後者はその考え方でも方法はいくつかあり、木製の反り止めを天板裏につけるやり方、金属性の反り止めを天板に埋め込む方法などがあります。ソリウッドでは、金属製の反り止めを天板裏に埋め込む方法を長年採用しています。
なぜこの方法をとっているかというと、テーブルとしての機能性を重視するために幕板をつけたくないという思いが根底にあります。たしかに木製のテーブルには幕板がついているものも多くありますが、実際に生活してみると意外と邪魔な存在になることがあります。まずは、脚を組む際に邪魔になるという点です。ダイニングテーブルは家族団欒の場所でもあります、ダイニングチェアに座ってお話しをしたり、本を読んだりすることも多いと思います。これらの時間ではリッラクスする時間でもあるので無意識のうちに足を組むこともあるかと思います。できれば幕板(特に長辺は)がないほうが良いと考えています。
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