2018.09.11

内丸鑿は1本持っておくと便利。【No.2403】

木工をする上では道具や機械は欠かせないものになります。木工で使う道具や機械は大きく二つに分けることができます。刃物か刃物じゃないかの二つです。刃物は鉋(かんな)、鑿(のみ)、鋸(のこぎり)という道具や手押し鉋盤、昇降盤、パネルソーなどの大型木工機械です。削ったり、切ったり、彫ったりするものですね。刃物ではない方は、ハタガネ、万力、スコヤ、プレス機など木材を固定したり、圧力をかけて接着させるときに使う道具や機械です。

大きな家具やテーブルは作るのは大変そうだけど、小さいお皿やスプーンなら自分でも作れるのではと思う方も多いはずです。とは言ってもそれなりに道具が必要になるのでハードルは高いかもしれませし、自分や家族で使う分が作れればそれで良いのでわざわざ道具を揃えてまでやる必要はないかなと思う人も多いでしょう。でも、木を削る作業は結構面白いです。なので、木を削ってスプーンや小さいお皿を作って使う人が増えてくれると良いなとは思います。

そんな道具の中で1本持っておくと便利なのが内丸鑿(うちまるのみ)です。内丸鑿はスプーンのすくう部分を彫ったり、鑿痕を残したりするのに使われる鑿です。

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内丸鑿といっても種類は色々あります。まず、柄ですが、鑿となっているものは玄能で叩けるようになっています。上の写真では一番左側のが鑿タイプです。真ん中と右側のは木の柄が付いているだけで彫刻刀タイプのものです。こちら玄能では叩くことはできません。スプーンや小さいお皿を作るのであれば玄能で叩かなくても彫ることはできるので彫刻刀タイプで大丈夫です。大きな物や叩いた方が楽というケースであるなら鑿タイプの方が良いでしょう。

刃の形状もいろいろあります。まず首が曲がっているタイプとまっすぐなタイプ。深く彫る場合は首が曲がっている方が使いやすいです。平面に彫り痕をつける場合などは首がまっすぐなタイプが使いやすいです。スプーンのすくう部分は首が曲がっている方が彫りやすいです。

刃の幅も狭いものから広いものまであります。左と真ん中のは幅が15mmです。右側のは幅が21mmです。彫る対象に応じて色々な幅のものがあります。スプーンを作るなら幅が15mmくらいのものがあれば良いと思います。彫り痕をつける場合はつけたい痕に応じて幅を選択します。幅が狭いものは彫り痕も狭くなります。広い彫り痕をつけたいなら幅が広いものを選択します。

カーブの深さも色々あります。メーカーによってカーブの深さはまちまちですが、深丸、浅丸、極浅丸というような種類があります。カーブがきついものはより深く彫れます。カーブが浅くなればなるほど浅く彫れます。

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上の写真は2本の内丸ですが、上の方はカーブが緩やかです。写真だとまっすぐにも見えますが、実際は少しだけカーブしています。確か極浅丸という表記だったと思います。下の方は浅丸で写真でもカーブしているのが分かります。彫り痕を残す場合は自分の好みの痕をつけることができる鑿や彫刻刀を探すことになります。彫る物の形状にもよるので、こればっかりは自分で好みの幅や形状を探していくしかないですね。

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これはウォールナットの端材を使って作った小皿です。友人にあげたところとても喜んで使い込んでくれています。これは薄くした板を内丸ノミを使って彫っていったものです。繊維方向に直交する方向に内丸ノミを入れるとこのような彫り痕を残すことができます。これを彫った時は彫刻刀タイプの内丸ノミを使ったので、手で押して彫っています。コツをつかめばサクサクと彫っていくことができます。ご自分で木のスプーンや小皿を彫ってみたいなという方は内丸ノミを1本買ってみるといいでしょう。ネット検索をすれば作り方なども調べることができます。気になる方はぜひ一度トライしてみてくださいね。

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