2018.09.10

お祭りに欠かせないお神輿には木材が多く使われています。【No.2402】

9月8日・9日は吉祥寺秋まつりが開催されました。吉祥寺にある各商店会を中心に組織された実行委員会が主催となって開催されるお祭りです。各商店会のお神輿10基と武蔵野八幡宮の宮神輿1基が吉祥寺の街を練り歩きます。ソリウッドの吉祥寺ショップがある大正通りも大正祭礼委員会として大正祭礼神輿を担いでいます。賢木@吉祥寺は商店会の役員をしているので実行部隊としてお祭りに関わっています。私は神輿の担ぎ手として毎年参加しています。

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お神輿の本体は木製です。おそらくほぼ全てのお神輿は木製だと思います。他の素材を使用したお神輿なんてものは聞いたことがないですから。カーボン素材を使用すれば強度もあって軽いお神輿が作れるはずですが、軽いとお神輿を担ぐという行為自体がなんだか意味がなくなってしまうこともあります。重いというのもお神輿の要素としては重要なことです。しかし、今後担ぎ手の高齢化や人数不足でお神輿を担ぐことができなくなる組織は増えてきます。そうした時に少人数でも担ぐ事ができる軽量神輿の需要が生まれるかもしれません。

お神輿本体に使われている木はケヤキが多いです。白木造りの場合はケヤキを使用するケースが多いようです。漆を塗る場合はヒノキやホオなどの木を使う場合もあるようです。漆を塗る場合は木目を完全に消す必要があるので、導管の太いケヤキ材はちょっと向いていないのでしょう。導管が太い木材は凹凸があるわけなので、導管を埋めるための下塗りが複数回必要になります。塗る回数が増えれば当然時間がかかって作業も大変になるので、塗る回数が少なくて済む導管が細い木材を使用する方が理にかなっています。

上の写真は大正祭礼神輿です。屋根は黒く漆が塗られていますが、本体部分は塗装がされていない白木造りになっています。土台となる部分を見ると木目がはっきりと現れていてケヤキ材が使われているのがよくわかります。写真ではちょっと分かりにくいですが…

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数年前から担ぐお神輿が変わりました。こちらは以前に担いでいたお神輿です。本体部分がカラフルに塗装されています。パッと見はどれも同じように見えますが、お神輿によって装いは違います。白木造りのお神輿は厳かな雰囲気があります。塗装がされているお神輿は華やかに見えます。

また屋根の色でも雰囲気が変わります。黒く塗装されている場合は多いですが、赤茶色に塗られているお神輿もあります。
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こちらは武蔵野八幡宮の宮神輿です。屋根の色が違うと雰囲気も変わります。

家具用材としてはケヤキ材の人気は下降気味です。日本で広葉樹材と言えば”ケヤキ”という感じでした。実際にケヤキ材は”広葉樹の王様”とも呼ばれいました。しかし、現在はテーブル用木材としては需要が減っています。人気がなくなった理由としては”和風に見える”というのが挙げられます。木目がハッキリと主張するケヤキ材は確かに和風な雰囲気。こうした雰囲気が今はやりの内装にマッチしにくいというわけです。昔は柱が見える真壁構造の家が多かったです。柱が見えると室内の雰囲気も和のテイストに近いです。しかし、現在は柱が見えない大壁構造の家が多くなっています。和室も少なくなっています。そんな影響もあってケヤキは家具用材としての人気を失ってしまいました。
でも、お神輿などの伝統的な行事には欠かせない木材です。

担ぎ棒にも木材が使われています。担ぎ棒にはヒノキなどの針葉樹が使われるケースが多いです。担ぎ棒はある程度の長さが必要になります。なので、まっすぐに伸びる針葉樹の方が向いています。ヒノキやスギは木造住宅の柱にも使われます。二階まで通した柱となると6mほどの長さが必要になります。広葉樹材で6mの長さとなるとかなり限られてしまいますが、針葉樹材なら用意することも比較的簡単です。よって長さが必要な担ぎ棒には針葉樹材が使われています。

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