2018.08.19

耳つきテーブルとは【No.2380】

吉祥寺ショップで接客をするなかで、よく聞かれる質問が「耳つきテーブルって何ですか?」というものです。確かに普段の生活では全く耳にしない単語だと思うので、疑問に思うのも当然だと思います。耳つきテーブルとは、立木の状態で木の樹皮があった部分のカタチを残して製作するテーブルを指します。1枚テーブルの場合は、耳がそのままついていることが多いので、ほとんどの場合は耳つきテーブルということになります。樹皮があった部分のカタチが残っているのをなぜ耳つきというかについては、私自身も知らないのですが、この業界では古くからそう呼ばれているようです。イメージに近いのは、パンの耳ではないでしょうか?食パンの外側に茶色の部分を耳といいますが、木の樹皮もパンの耳に似ているといえなくはないと思います。

耳つきテーブルは端がカットされたテーブルに比べるとよりナチュラルな印象になりますが、やはり存在感というものはでてくると思います。それをどう評価するかで耳つきがいいかそうでないかがいいか、意見が分かれるところだと思います。基本的には耳つきだから、木の質が良いとかより丈夫なテーブルといったことがあるわけではありません。ですので、耳つきと耳つきでないテーブルでの違いは見た目の違いということが大半です。ソリウッドでは、現在は1枚でダイニングテーブルになるような板はほとんど在庫していません。現状ですと、一台のテーブルで50万〜といった価格帯にどうしてもなってしまいます。より多くの方に無垢材の良さを知って頂きたいという思いで、木のテーブルを製作していますが、この価格帯だと使える方がかなり限定されてしまいます。それよりは、板の枚数はあまり気にせず少しでもお求めやすい価格で提供できるものを製作したいという考えからそうしています。耳つきテーブルの場合だと、2枚〜3枚を接いで1枚の天板にすることが多いです。板の枚数が増えることで、価格帯も20万〜30万円台と抑えることができます。

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上の写真は以前に製作したチェリー材の2枚はぎテーブルです。一見すると、1枚板に見えますがよく見ると中央付近に線が見え、これが接着していることを表しています。

耳つきテーブルの耳の部分は、やはり1枚1枚の板の個性がでます。カタチも決して同じものはなく、それぞれが唯一無二のカタチをしています。中には、大きく湾曲しているものもありますし、見た目はほぼまっすぐなものもあります。また、使う向きによっても表情は変わってきます。板には表と裏があり、樹皮に近い面を表としています。耳つきの場合、表が天板の表面になるようにすると、耳部分の向きは天板下に向かって広がるようになります。この場合、樹皮があった部分が表にみえてきますので、耳がより目立つことになります。

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木表は上になったテーブルを横から見た様子です。板によってはかなり耳が寝ることになります。寝ている耳の場合は実際のテーブルのサイズとテーブルとして実際に機能する実効寸法が変わってくるので、その点は注意が必要になります。

反対に木の裏を天板の表面にくるようにすると、耳の部分はみえにくくなります。見た目の印象はシャープな感じになります。

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こちらは木裏が上の耳つきテーブルを小口から見た写真です。

この他にブックマッチと呼ばれる耳つきテーブルがあります。これは丸太の状態で上下で接している板をそのまま開いた状態にしてはぎ合わせるようにしている天板です。こうすることで、左右対称に近い木目が現れます。ちょうど本を開いた状態に似ているためブックマッチと言われています。このタイプの天板は片方が木表が上、片方が木裏が上になるので、横からみると平行四辺形となります。

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