2018.08.20

無垢材家具はなぜ高いのか?【No.2381】

無垢材の家具は合板や集成材で製作された家具よりも価格が高いです。こればっかりは仕方がありません。ではなぜ高いかいうと素材となる木材の価格が高いのと、加工に時間がかかるので人件費が高くなるということだと思います。

それではなぜ無垢材は高いのか?

家具用材として木材を使う場合は乾燥させる必要があります。この乾燥工程がかなり厄介なんです。木材の乾燥が厄介な理由は、時間が掛かることと割れや反りといったリスタが高いことです。

では一旦、家具用材が家具を製作するところまで来る工程を見ていきましょう。長い年月をかけて育った木材はある時、伐採されます。伐採されるまでの時間はまちまちですが、50年から200年くらいの時間がかかっているはずです。針葉樹の場合は成長も早いので50年~70年くらいで十分に使えるサイズにまで成長します。広葉樹は針葉樹に比べて成長が遅いので、もう少し年月が掛かります。30年くらい経ってもまだまだ細くてとても木材として使えるような太さにはなっていません。やはり100年くらい経たないとダメなような気がします。

伐採された木は原木市場に出品されます。原木市場で売るまでが林業の範囲です。原木市場で買うのは材木屋さんです。多くの原木市場は協同組合などで運営されているので、その組合に加盟している材木屋さんのみが市場で購入できるようになっています。買われた原木は製材されるか又は他の市場に出品されたりもします。原木を購入した材木屋さんは、原木のまま売る場合もありますし、製材して板にして売る場合もあります。仕入れた原木を売る先はまた材木屋さんなんていうケースもあります。こうしてちょっとずつ価格も上がっていきます。製材した板が材木市場に並ぶこともあります。市場に並ぶ板は未乾燥のものが多いです。製材したての板は割れも反りもなく綺麗です。なので未乾燥材は製材されてすぐに売りに出せれます。

未乾燥の材を仕入れるのも材木屋さんになります。材木屋とひとくくにまとめても、どういう商売をしているかは材木屋さんによって全然違います。原木を仕入れて、原木のまま売ったり、製材して未乾燥のまま売ったりする山に近い材木屋さんもあれば、様々な材木屋さんを渡って乾燥された板を仕入れて家具屋や建築会社に売るエンドに近い材木屋さんもあります。

どういう経路にしても、どこかで木材は乾燥されています。で乾燥にはリスクも伴います。乾燥中に水分が抜けて体積が減るわけなので、どこかしらに負担がかかって割れたり、反ったりします。この割れや反りはみなさんが思っている以上に激しいわけです。どんなに幅広い板も真ん中であたりで真っ二つに割れてしまったら価値はがくんと下がってしまいます。反りも同様です。捻れたりすると平面を出した時に薄くなってしまいます。なので、乾燥過程によっては大きく価値を下げてしまうこともあります。仕入れた板全てが期待する価値にならないので、こうしたリスク分が他の板の価格にも影響を及ぼします。

なので乾燥させた板を売る材木屋さんはこうした乾燥工程による損失をある程度見込んでいます。うまく乾燥した板はその分高くなってしまいます。無垢材の場合は、板をそのまま使うので割れや反りが生じた場合にリカバリーしにくくなります。

また、乾燥するには乾燥庫を動かすと行った費用もかかってきます。輸送費もバカになりません。木材は大きくて重いので輸送代が結構高いです。乾燥庫を持っていない材木屋さんは乾燥できる材木屋さんまで運んで乾燥させたりもしています。そうなると輸送費も材木代に乗って来ます。こうして材木代はどんどんと高くなっていきます。

もちろん他の要素もありますが、無垢材家具が高くなる一つの要因として素材そのものが高くなってしまうことが挙げられます。今日のブログではこうしたことに関して書いてみました。

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