2017.09.05

ケヤキ材の椅子もあります。【No.2032】

まずはお知らせを。ソリウッドとは直接関係ありませんが、私たちもアンケートに参加した本が発売になりました。まだ私の手元にはないのでどんな内容になっているかは分かりませんが椅子好きの方なら読んで間違いなしの内容になっていると思います。著者は木工関係の著作が多数ある西川 栄明さんです。本のタイトルは『この椅子が一番!: 椅子に関わる専門家100人が本音で選んだシーン別ベストな椅子とは…』です。アマゾンさんなどでも売られているので気になる方はぜひ購入してみてください。私も読んだらまた詳しく紹介する予定です。私が答えたアンケートのコメントが採用されているかも気になる所です。他にどんな方がアンケートに答えているかを見るのも楽しみです。

さて、ソリウッドでは国内生産をしている3メーカーの椅子を販売しています。宮崎椅子製作所とISU-WORKSは自社工房での製作、いのうえアソシエーツのAwazaチェアは国内有数のOEM椅子製造会社の工場で製作されています。どの製作現場でもコンピュータ制御されたNC工作機が使われています。椅子は複雑な形をした部品が多く、強度が必要なため精度も非常に求められます。なので、NC工作機でのブレの少ない正確な加工が必要不可欠になってきています。人に手による作業だとどうしても人によってのバラツキが生じます。安定した製品作りには機械加工はやはり必要だと思います。

宮崎椅子製作所は様々なデザインの椅子を製作しています。外部のデザイナーさんとタッグを組んで商品作りをしています。また選択できる樹種やファブリックの種類の多さが特徴です。選択肢が多い分悩んでしまいますが、やはり選択幅が広いのは消費者にとっては魅力的です。近年は海外の展示会にも出展して海外進出も果たしています。そうした動きの中で日本的な素材を使うことを行なっています。日本を代表する広葉樹材であるケヤキを使用した椅子を作り始めたのも海外進出を企てる段階で出てきたアイディアではないかと推測しています。

170905_1.jpg
こちらはケヤキ材のPePeチェアです。ソリウッドの吉祥寺ショップに展示しているPePeチェアです。ケヤキ材を選択できるのは取り扱いメーカーの中では宮崎椅子製作所さんだけなのでPePeチェアの見本にケヤキ材を選んでみました。ケヤキ材といえば一枚板テーブルのイメージが強いと思います。和室に置く座卓にはケヤキ材が使われている場合が多いです。でも、最近は和のイメージが強いためか人気がなくなってきています。国産広葉樹材を代表する木材であったケヤキの人気低迷は国内の材木関係会社に大きな影響を与えています。昔はケヤキ専門の材木屋さんなどもあったのですが、現在ではそのような形態で商売を続けることは不可能になっています。ケヤキ材の人気低迷の要因は和風のイメージ言われています。ケヤキ材が醸し出す和のイメージが現在の日本の住宅事情にマッチしてこなくなったと言われています。確かに和室が減って洋室が増えていますよね。新築の家やマンションでも和室を選択しない人が多くなっていると聞いています。もちろん和室を選択することは可能だけどあえて和室(畳)を選択しない傾向になっているようです。和室が少なくなれば、ケヤキの座卓を必要とする方も少なくなるといった感じです。

でも、ダイニングテーブルとしてケヤキ材を選択するのは全然ありだと思います。確かに和風のイメージはありますが、オイル仕上げを選択することで艶のあるウレタン塗装や漆仕上げのテーブルよりも和の雰囲気は和らげることができると思います。

170905_2.jpg
実際に現代的なダイニングにケヤキ材のテーブルを選択される方もいます。納品事例の写真を見てもらっても特に違和感は感じないと思います。今の家であってもケヤキ材を選択することは間違った選択ではありません。ケヤキ材の椅子を選択できるならケヤキ材のダイニングテーブルを使おうという方も増えてくるかもしれません。そうした意味で宮崎椅子製作所さんがケヤキ材の椅子を製作するのはとても意味がある事だと思います。

ソリウッドでもケヤキ材の耳つきはぎテーブルを作ろうとケヤキ材の仕入れを試みていますが、ちょうど良い板がなかなか手に入らない状況が続いています。ケヤキ材の全体的な価格はリーズナブルになっていますが、良質なケヤキ材は価格がそれほど安くなっていないように感じています。良いケヤキ材は皆欲しがるので値が下がりません。むしろ皆が良いケヤキ材のみを欲しがるようになっているようです。ケヤキ材があまり売れない時なので、良い材に絞って仕入れをしている感じです。

吉祥寺ショップに展示してあるPePeチェアがケヤキ材のせいもあって注文を受けるPePeチェアのケヤキ材の割合が結構高めです。椅子の部材は細いものが多いのでケヤキ材であってもあまり和のテイストが強くならないのが影響しているかもしれませんね。ケヤキ材は硬さもあって強度も十分にあります。意外と椅子用の木材としてしては良いのかもしれません。椅子への活用でもってまたケヤキ材への注目が集まれば嬉しいですね。

瑞木@相模湖

お問い合わせContact

TEL:0422-21-8487
〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町2-28-3 2F
(営業時間: 12:30〜18:00/定休日:火・水曜日)
お問い合わせフォーム
Facebook Twitter Instagram Pinterest