2017.07.04

天然仕上げ砥石の代わりに人造砥石を使うことが増えてきました。【No.1969】

木で何かを作る上で欠かせないものは刃物です。木を切ったり、削ったりするのには刃物が必要です。今は機械化が進んでいますが、それでも刃物は必要です。昔は鉋や鑿しかなかったのでそれらを使用していましたが、現在は便利が機械や電動道具がありますので鉋や鑿、鋸といった手道具を使う機会は少なくなってきました。それでも、必要な時があります。木端を削ったりするのには鉋は便利です。早くて綺麗に削れますからね。

刃物は使うと摩耗します。そのため切れ味を復活させるためには研ぐ必要があります。これは手道具でも電動工具でも機械でも同じです。機械についている刃物を研ぐイメージはないかもしれませんが刃の研磨はとても大切な作業です。といっても多くの機械刃物は専門業者が研磨をしています。ソリウッドでも研磨屋さんに刃物を渡して研磨してもらっています。ですが、鉋や鑿は当然じぶん達で研ぎます。鉋や鑿の刃を研ぐために必要なのが砥石です。今日は砥石に焦点を当ててみようと思います。

砥石には天然砥石と人工砥石があります。なんだか木材の乾燥と同じようです。木材乾燥も天然乾燥と人工乾燥があります。話を戻すと、昔は天然の砥石しかなかったので当然天然の砥石を使用していました。いつ頃からかは分かりませんが、人工的に砥石を作る技術が開発されいまでは多くの人工砥石(人造砥石)が発売されています。

天然砥石に関しては、現在ではほとんど発掘されていません。まだ砥石の発掘をしている会社がわずかにあるようですが、量的にはほぼゼロに近いという話です。砥石の産地は全国にあるようですが、京都が有名です。その京都でも天然砥石の採掘は全然行われていないそうです。現在市場に出回っている天然砥石のほとんどが過去に採掘された砥石です。新規採掘が行われていない現状なので、市場から天然砥石が消滅するのも時間の問題だと思います。

砥石には、荒砥石、中砥石、仕上げ砥石があります。天然の荒砥石、中砥石は現在ではほとんど使用されています。荒砥石、中砥石はほぼ100%人工砥石が使用されています。仕上げ砥石だけは現在でも天然砥石を使用している人がいます。人工砥石の質が向上されてきてはいますが、やはり仕上げ砥石は天然砥石の方に分があるようです。ですが、本当に良い天然砥石はごく僅かでとても高価に取引されています。刃物との相性があるので、高ければ良いというわけでもないのが難しい所です。

ソリウッドでも天然砥石を持っていて使用していましたが、薄くなって割れてしまいました。その後は人工砥石にスイッチしました。理由は天然砥石が高価になっていて、良い物に出会える機会が減ってしまっている事と人工砥石の質の向上があります。さらには人工砥石の方が使いやすい点も見逃せません。天然の仕上げ砥石は硬いものが多いです。砥石が硬いと研ぎにくさを感じます。慣れていない人にとっては難しく感じてしまいます。ソリウッドでは木工教室の生徒さんも仕上げ砥石を使用するので、硬い砥石は避けたい所です。となると人工の仕上げ砥石の方が扱いやすくて良いですね。

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現在使用している仕上げの人工砥石です。いくつか使用していましたが、今はこちらで落ち着いています。硬さを感じることなく研げるので良いです。切れ味もまずまずでしっかりと刃先まで当てられれば問題なく切れます。

研ぎが苦手な人は砥石よりもまず研ぎ方だと思います。角度を変えずに研げるかどうかが鍵です。木工教室の生徒さんの研ぎを見ているとどうしても刃先を立てて研いでしまう人が多いです。刃先の角度が変わると仕上げ砥石を刃先まで当てるのが難しくなります。結果、研いだんだけど切れない刃物を使うという悪循環が生まれてしまいます。

というわけで今回のブログエントリーでは木工には欠かせない砥石について書いてみました。

瑞木@相模湖

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