2016.11.18

木が割れるチカラはとても強い。【No.1741】

おかげさまで多くの受注を頂いているので相模湖工房は慌ただしく動いています。受注品の製作の傍らで吉祥寺ショールームに展示する板の選別と粗削りも進めています。受注品の製作を優先して行っていて、タイミングよく機械が空いた時に板の粗削りをしています。吉祥寺ショールームに展示している粗削りの板は主に耳つきのはぎテーブル用の板です。2枚はぎのものが多いですが、3枚はぎや4枚はぎでテーブル天板にするための板も展示しています。

これらの板は乾燥済みの板です。いつでも製作できる乾燥状態の板を粗削りして展示しているので、受注後は順番に製作していけます。木は乾燥中に大きく割れたり、反ったり、捻れたりします。なので、乾燥させてみないとどう使用できるかは判断できません。展示している板以外でも、お客様のご要望にあった板を提案することも可能です。樹種や大きさなどを伝えて頂ければ在庫板の中からお客様のご要望にそった板を提案させてもらっています。ソリウッドではお客様にご提案させて頂く板は乾燥の目処が立っているものです。未乾燥のものは、乾燥中にどう変化するか分かりませんので基本的には乾燥後の板を提案させて頂いています。なかには、現在乾燥中の板を提案させてもらうこともありますが、それらの板は含水率がだいぶ下がった板で今後に大きな変化がなさそうな板に限っています。

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乾燥庫から取り出したチェリー材の板です。幅が500mm以上ある板ですが、乾燥中に大きな割れが入ってしまいました。この割れは端から板の真ん中あたりまで入ってしまったので、幅広く使用することは出来なくなってしまいました。幅広く使えなくなったのは残念ですが、こういうことはよくあります。どんな板も乾燥中に大きく割れる可能性をもっています。樹種や木目によって割れやすい割れにくいはありますが、基本的にはどの板も割れてしまっても不思議ではありません。大きな割れは大損になる恐れもありますが、それを怖がっていたら未乾燥の板を仕入れることは出来なくなってしまいます。

大きな割れは木口から入るのが普通です。丸太の段階で多かれ少なかれ木口から割れが入っています。なので製材した後に少しでも割れているところには金属製のカスガイを打ち込んでおきます。少しでも割れが拡がらないようにするための努力です。でも、割れる時はカスガイを打ってあっても割れます。

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このようにカスガイが打ってもあっても割れるは拡がる時があります。木が割れる時のパワーはとても大きいので、カスガイで止めることは出来ません。まったくカスガイの効果がないとは言いませんが、カスガイを打ったから割れが拡がらないとは限りません。打ったないよりは打っておいた方が良いです。半ばおまじないのような感じですかね……

この割れが入ったチェリー材は真ん中でカットして2枚の板にしました。幅が250mm程度の耳つき板が2枚取れます。真ん中に幅400mmほどの板を入れて3枚はぎでテーブル天板にする予定です。大きく割れてしまっても使い用途はあります。

乾燥した板は表面がとても汚れています。シミがついたり、変色したり、ゴミがついていたりと表面の木目が分かりにくくなっています。なので、ひと削りすると木目がハッキリと分かるようになります。

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機械で削る前に表面をブラシで綺麗にしておくと、刃の切れ味が長持ちします。細かい砂や石がついたまま削ると刃を傷めてしまいます。刃が傷むと切れ味が落ちてすぐに刃を交換しなくてはならなくなります。このブラッシングをするとしないとでは刃の持ちに大きな違いがでます。面倒ではありますが、のちのちの事を考えるとやっておいた方がよい作業です。

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ブラシで磨いても表面はこんな感じです。色でかろうじてクリの板だと分かりますが…まあ、乾燥後の板の表面はだいたいこんな感じです。こんな汚い板は使い物になるのかと思う方もいるとは思います。でも、ご安心を。表面を削れば、ちゃんと綺麗な木目が現れてきます。これらの板を削ってみると…

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ちゃんと綺麗な木目が現れました。節がありますが、その周りには綺麗な木目がでています。仕上げるともっと綺麗になります。

11月末には数台分の新しい耳つきテーブル天板用の板を吉祥寺ショールームに展示する予定でいます。詳細はまたこのブログでも書くつもりです。

瑞木@相模湖

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