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家具屋で働く双子のブログ
チェリー材とウォールナット材の中間の色味の家具が欲しいとき【No.1684】
お客様から「チェリーほど赤味がなく、ウォールナットほど濃くないテーブルを探しているのですが、何か良い材はありますか?」という質問を受けました。
まずはチェリー材とウォールナット材の特徴について書きます。
チェリー材は北米産の散孔材で、正式にはブラックチェリー材と呼ばれています。製材した当初はピンク色がかった淡い褐色ですが、空気に触れるとだんだんと濃くなっていきオレンジがかった濃い茶褐色に変化していきます。ソリウッドで扱っている材の中でも一番経年変化が激しい材といえます。チェリー材については数日前に瑞木@相模湖がブログに書いていますので、そちらも是非ご覧ください。
チェリー材は時間が経つにつれて、艶のあるシブい茶色に変化していきます。【No.1682】
ウォールナット材もチェリー材と同じく北米産の散孔材です。日本でウォールナットと呼ばれているのはほとんどが北米産のブラックウォールナットです。その他の産地でとれた同じクルミの材はシベリアンウォールナットなど産地が前についていることが多いです。また、ウォールナットは日本語に訳すとクルミになります。ソリウッドでは定番のストレートカットテーブルのラインナップにウォールナット材とクルミ材の2つがあります。ウォールナット材はさきほど書いたように北米産のブラックウォールナット材です。オイルで仕上げた直後の色味は黒紫に近い濃い茶褐色をしていますが、時間が経つにつれ色が抜けてくるような感じで赤茶褐色に変化していきます。一方、クルミ材は日本でも採れるオニグルミに近い材でロシアなどからの輸入材もあります。色味はウォールナットほど濃くなく薄茶褐色をしています。時間が経つと少し色が濃くなり気持ち赤味がつくような変化です。
世の中には25万種ほどの樹木があるとされていますので、これにあてはまる木材も存在するかもしれませんが、無垢材家具によく使われる材でいうとなかなか難しいところです。しいていうならばチーク材が挙げられるかもしれません。チーク材はミャンマーなどの熱帯地域を原産とした樹木で油分とタールが含まれている材として知られています。製材当初は灰色がかった褐色をしていますが、時が経つにつれ色が鮮やかにになっていき経年変化が楽しめる材です。日本でも愛好家がいるぐらい人気があり、高級家具の代名詞的に使われる木でもあります。ところが、最近では生産量が少なくなり希少価値の高い材木になってしまい、良質なチーク材が手にはいりにくくなっています。こうした背景もあり、ソリウッドではチーク材を扱ってはいません。数年前まではソリウッドで扱っている宮崎椅子製作所さんでは通常ラインナップに入っておりチーク材を選べることが出来ましたが、今では材の確保が難しく生産されていません。もし、チーク材は簡単に入手出来れば冒頭の答えも簡単になるのですが、仕方ありません。
このようにチェリー材とウォールナット材の間の色を自然な色味で見つけようとすると、少し難しい状況にあたります。そこで、てっとり早い方法は色味があまりない材に着色を施す方法です。この場合、自然素材を使ったオイル仕上げではなく、材に着色をした後に材を強く保護する為にウレタン塗装を施します。色が調整出来ますので、自然には中々出会えないような色味でも実現させることが可能です。ですが、自然な色味を活かしたオイル仕上げとは少し違う点も出てきます。1つ目は肌触りです。ウレタン塗装の場合は木材の表面をプラスチック性の樹脂の塗膜で覆う塗装方法です。ですので、実際触っているのはプラスチックの塗膜となります。ですので、ツルツルとした肌触りではありますが、木材の細かな凹凸があるような自然な質感とは少し変わってきます。
2つ目はオイル仕上げに比べるとのっぺり感が出てしまうことです。着色する場合は均一的になるようにしますので、当たり前ですが全面がムラなく同じ色になるように着色を施します。オイル仕上げの場合は特に着色成分が入っているわけではないので、木材のそのままの色味の違いが出てきます。そのため、多少は色の濃淡が出てきます。
上の画像のテレビボードはナラ材に赤味のある茶色になるように着色塗装を施しています。同じ空間に置いてあるテーブルと色味を合わせるために着色ウレタン塗装を選択されています。
自然な色味をそのまま活かしたオイル仕上げか好みの色に合わせて着色する塗装のどちらを選ぶかは、最終的にはなにを重視するかにかかってくると思います。せっかく無垢材なのだから、自然な質感、色味を楽しみたいと考えているならオイル仕上げを選ぶべきだと思いますし、他の家具との兼ね合いで色味を重視するなら着色ウレタン塗装を施すのが適していると思います。
賢木@吉祥寺
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