2016.07.08

なかなか手に入らない仕上がりが綺麗なミズメの耳つきテーブル用板を展示中です。【No.1608】

6月の材木市場で仕入れた板の検寸と撮影がようやく終わりました。6月は珍しく出張が続き、なかなか作業が進みませんでしたが、ようやく終わらせることができました。この時期は雨や暑さに悩ませられます。雨が降っていれば外での作業が出来ませんし、晴れたら晴れたら暑くて作業効率がとても悪いです。長袖を着て、帽子をかぶって日焼け対策をしていますが、日射しが強いとばてるのが早くなります。さらに直射日光に長く板をさらすと割れる原因になってしまいます。やっぱり外で板を動かすのには向いていない季節ですね。

さて、仕入れた板をすべてチェックした訳ですが、良いなと感じた板はミズメの板です。ミズメは個人的にも好きな板なので、見つけるとかなりの確率でセリに参加しているわけです。今回も2枚はぎテーブル天板にちょうど良さそうな板がいくつか出品されていたのでセリ落としました。

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長さが2200ミリ程度、幅が500ミリ程度の板です。同じ丸太から製材された板が何枚かあります。同じ丸太から製材された板を共木と呼びます。共木ではぎ合わせると色や木目が揃うので、はぎ合わせであっても統一感のある天板に仕上がります。

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端に節や入り皮がありますが、これらを省いてもテーブルとして充分に使える長さが残ります。ミズメはカバの仲間で、堅さもありながらとってもスベスベした手触りに仕上がる樹種です。仕上がりも綺麗で家具用材としてはとても使いやすいんです。しかし、流通量が少なく安定して供給されるには至っていません。材木屋さんでも常に在庫してあるような樹種ではないため、材木市場で見つけた時が勝負です。

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木目をアップて撮影した写真です。製材時の帯鋸の痕があるので木目の様子は分かりにくいですが…ミズメは中心部分が赤褐色、周辺部が薄い黄褐色になります。割と周辺の薄い黄褐色の部分が多めではあります。はぎ合わせると黄、赤、黄、赤とストライプのような模様になります。

一般にはあまり知られていない樹種ではありますが、業界内ではよく知られていて良材は獲得合戦になります。西川栄明氏の『樹木と木材の図鑑』創元社 によると、”目は非常に緻密で年輪がはっきり見えず、サクラやマカバなどと同じく散孔材の特徴がよく表れている。縮み杢が出ることもある。暴れにくく、加工も難しくない。さらに仕上がりがきれいということから、家具材、フローリングや敷居などの建築材などに使われてきた。“と書いてあります。私の印象もまさにここに書かれている通りで、特に仕上がりのきれいさはとても気に入っています。

今回仕入れたミズメ材は未乾燥材です。製材されてからまだ日が経っていないので、水分をたくさん含んでいます。水分計で計測してみると含水率は40~50%ぐらいありました。こんな状態ではまだ家具用材としては使えません。水分を抜いて含水率が10%ほどにする必要があります。ミズメはカバの仲間ということもあって水分が抜けるのが早めではあります。しかし、それでも含水率が20%以下になるのに最低半年は掛かります。おそらくもっと時間が掛かると思います。含水率が20%程度になった時点で人工乾燥庫に入れて乾燥させます。ソリウッドでは低温で時間を掛けてじっくり乾燥させる方式の乾燥庫を保有しています。低温で時間をかけて乾燥させることで木材への負担を減らしています。高温にしないので、木材がもっている本来の色を保つことができます。

なので、これらの板が使用できるようになるのにはまだまだ時間が掛かります。乾燥が上手くいくことを願うしか内状況です。でも、ミズメが気になるという方に朗報です。すでに乾燥が済んでいてすぐにテーブル天板を作成することができるミズメの板が吉祥寺ショールームに展示してあります。

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D62テーブルです。耳つきブックマッチ2枚はぎテーブル天板です。まだはぎ合わせる前の状態ですので、細かいサイズは調整が可能です。おおよそW1800×D850 t=45mm程度に仕上げることができます。すでに粗削りをしてあるので、木目の詳細は見て確認することができます。上記のサイズでテーブルを製作すると、¥223,560-(4本脚・消費税込み)になります。結構お買い得な価格設定になっています。ミズメの耳つきテーブルが気になる方はぜひ検討してみてください。吉祥寺ショールームに来て頂ければ実物の板を見ることができます。気になる点はぜひスタッフまでたずねてみてくだいさいね。

瑞木@相模湖

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