2017.10.14

耳つきテーブル天板用の板を仕入れに材木市場に行ってきました。【No.2071】

耳つきテーブル用の板を仕入れに材木市場に行ってきました。数ヶ月ぶりの仕入れになってしまいましたが、まあまあの仕入れができたと思います。「これだ!」という板に巡り会えることはできませんでしたが、着実に在庫板を増やすことはできました。今回初めて「ケンポナシ」の板を仕入れました。もちろん存在は知っていましたが、実際に仕入れるのは初めてです。見た目は赤褐色をしています。色的には私好みです。前から気になっていた存在だったので今回思い切って仕入れてみました。まずは乾燥です。乾燥中にどう動くかは木を知る上では重要な事柄です。乾燥中に割れやすい木だと歩留まりが悪くなります。逆に乾燥中に割れたり反ったりが少ない木だと扱いやすくなります。果たして「ケンポナシ」はどうでしょうか?

乾燥が難しい樹種の一つに「ヤマザクラ」をあげることができます。とにかく割れが入りやすいです。幾度となく未乾燥材を仕入れて乾燥させていますが、なかなかうまくいきません。板の全面に細かい割れが無数に入ってしまうことが多々あります。さらに反りや捻れを多く出ます。仕入れた板の半分以上はまともに使えていないように感じています。今回もヤマザクラの板を仕入れています。見た目は大人しい木目なので、あまり暴れないように感じていますが、どうでしょうか…乾燥の経験を積むと乾燥中に大きく反ったり捻れたりする板、そうでない板をなんとなく見分けることができるようになってきます。「この板は乾燥中に反りそうだな…」と感じると仕入れづらくなります。でも、反らないかもしれないので仕入れて乾燥させてみるしかありません。

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で、今回仕入れたヤマザクラ材はあまり動かなそうに感じています。実際はどうなのか。こちらも楽しみです。木目は大人しそうです。ヤマザクラ材はチェリー材に比べると木目が荒々しい印象ですが、この板はそれほど荒々しさはないです。順調に乾燥できれば2枚はぎでテーブル天板にできる幅がある板も有ります。でもあまり期待していると真ん中でぱっくり割れたりするんです。なので、あまり期待はせずにまずは乾燥させてそれからどう木取りするかを考えます。

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吉祥寺ショップで展示中のカバ材3枚はぎテーブル天板です。こちらの板はまだはぎ合わせていない状態で展示しています。なので大きさはお客様のご要望にお応えすることも可能です。長さは1600mm程度、幅は900mmまでは取れそうです。 常時4人掛けするのには十分な大きさのテーブルになります。

こちらのカバ材は国産のカバです。カバ材の木目はきめ細かく繊細です。導管が狭いので、手触りはスベスベします。カバ材は乾燥がしやすい木材です。水分が抜けるのが早いんですね。放っておいてもいつのまにか水分が抜けています。もちろん人工乾燥が必要ですが、時間が掛からずに乾燥できるのはありがたいです。カバ材は乾燥中に捻れることも多いですが、乾燥させると安定します。ヤマザクラ材も乾燥後は安定すると言われていますが、とにかく乾燥中に難点が有りすぎますからね。

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こちらも吉祥寺ショップに展示中の耳つきテーブル用の板です。材はミズメです。ミズメはカバの仲間です。ミズメの方がより木目が繊細で細かいです。ミズメは私の好きな樹種の一つです。仕上げると透明感のある木目が現れとても綺麗です。自然み溢れる荒々しさをもつ板も多く、表情が豊かな点もお気に入りのポイントです。硬さもあってテーブルにするには最適な木材だと思っています。

今回仕入れた板は未乾燥材なので、これから時間をかけて乾燥させます。おおよそ半年から1年くらいは外に桟積みをして天然乾燥させます。ある程度水分が抜けてから木材乾燥庫に入れて人工乾燥させます。含水率が10%以下になったら乾燥終了です。それから木取りをして荒削りをします。ここまでしてようやく吉祥寺ショップに展示できるようになります。

瑞木@相模湖

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