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家具屋で働く双子のブログ
木材乾燥を自分たちで行うことで製作コストを下げる事が可能です。【No.1598】
ソリウッドは無垢材で製作するテーブルをメインに扱っています。木をテーブルにするまでには様々な行程が必要になります。ソリウッドではその多くを自分たちの手で行っているので、製作に関わるコストを下げることが出来ています。そのため、販売価格も他店よりは若干リーズナブルに設定できています。
コスト削減に1番効果をあげているのが木材の乾燥です。木材乾燥はとても時間が掛かるので木材価格の大半を占めることになります。伐採された丸太から製材された板は水分をたくさん含んでいます。時間がたつにつれてこれらの水分が抜けていきます。水分が抜けると当然体積が減ります。体積が減ることに伴って板は縮んだり、反ったり、割れたりします。特に反りや割れは板の価値を大幅に下げることになります。どんな板にもこうした反りや割れのリスクが伴います。そのため反りや割れが少なく乾燥できた板は材木屋さんも販売価格を高めに設定します。逆に割れてしまったり反ってしまった板は多少値引きして売ってくれることもあります。
なので、同じ木材でも乾燥材と未乾燥材の価格を比べてもまったく意味がありません。乾燥材はすぐに使用することができますが、価格は高くなります。未乾燥材はすぐに使用することはできませんが、価格は低くなります。乾燥材は高いからといって未乾燥材を購入してすぐに家具を製作することはとても危険です。製作してから板の乾燥が進んで反ったり、割れたりしたら崩壊する恐れもあります。なので、怖くてとても未乾燥材を使用することはできません。
ソリウッドでは耳つきテーブルを製作するための板は、未乾燥材を仕入れて自分たちて乾燥させています。木材の乾燥は大きく分けて2種類あります。天然乾燥と人工乾燥です。天然乾燥は、外や屋内で桟積みをして板を乾燥させる方法です。人工乾燥は乾燥庫を使って乾燥をさせます。天然乾燥と人工乾燥はそれぞれメリット・デメリットがあります。なので、現在では天然乾燥と人工乾燥を組み合わせて行うのが定番になっています。
天然乾燥は設備投資が掛からないのが大きなメリットです。風通しの良い所に置いておけば良いので、乾燥に掛かる直接的なコストはほぼゼロです。場所さえあれば、すぐにでも天然乾燥をすることができます。しかし、天然乾燥は自然条件に乾燥スピードを一任することになるので、どのぐらいの期間で乾燥が終了するかを判断することが難しくなります。また、天然乾燥では乾燥が不十分に終わることが多いです。自然環境に乾燥具合が一任されるので、板に含まれる水分が抜けきらないことがあります。日本の屋外の気乾含水率は約15%です。これは木材を外に置いておくと木材の含水率が約15%になることを意味しています。実際には含水率15%になることはマレで、もう少し高い含水率で止まることもあります。
また屋外の気乾含水率は約15%ですが、屋内の気乾含水率は約10%と言われています。今の日本の住宅は気密性が高まり、昔の家屋に比べるとかなり乾燥しています。なので、屋内で使用される家具に使用する木材は含水率が10%前後が理想とされています。含水率10%を天然乾燥だけで達成するのはかなり困難な作業になります。よほど乾燥している地域で風がよく吹く場所に置いてないとダメだと思います。
そこで人工乾燥の出番になります。人工乾燥は木材乾燥庫を利用して行う木材乾燥方法です。木材乾燥庫にもいろいろと種類があります。昔は大規模な木材乾燥庫を使用するのが当たり前でしたが、最近は小型の木材乾燥も多く開発されています。木材乾燥庫は人工的に温度と湿度をコントロールすることで木材の乾燥を促します。基本的に温度が高くなり、湿度が低くなると乾燥の進み具合も早くなります。ただし、温度を上げすぎたり、湿度を低くし過ぎると板が割れたり反ったりする原因になります。
ソリウッドでは低温で時間を掛けてじっくり乾燥させる木材乾燥庫を設置しています。それぞれは小さいので一度に乾燥できる量は少ないですが、小さな家具工房が地道に作る耳つきテーブル用の板をまかなうことはできます。低温で乾燥させるので、木材への負担が少なく木がもっている本来の色を失いにくくなっています。
人工乾燥を行うと天然乾燥では到達しにくい含水率まで乾燥させることができます。写真はトチ材ですが、水分計の数値が9.2と表示されています。このぐらいまで乾燥させると屋内用の家具に使用する場合でも安心して使うことができます。
今日のブログエントリーは木材の乾燥についてまとめてみました。
瑞木@相模湖
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