2016.03.23

「木を知る・木に学ぶ 〜なぜ日本のサクラは美しいのか?」【No.1501】

今日は木に関する書籍を紹介します。

 

石井誠治著 「木を知る・木に学ぶ 〜なぜ日本のサクラは美しいのか?」(ヤマケイ新書)

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この本は樹木医・森林インストラクターとして活躍する石井氏が木材についての基礎知識と私たちの生活に身近な木材について、木の性質、木材がどのように使われてきたかを解説している本です。日本では昔から木材を使ってきました。木がなければ生活ができないというのも過言ではありません。石井氏は、だからこそ、木と友達になろうと提唱しています。

 

これからまだまだ、元気で活動的に過ごしていこうと思われるなら、木と友達になっておくほうが得策です。木から気をもらい、心安らかに人間社会のストレスから解放される。それが、たとえささやかな抵抗にすぐなくても、アンチエイジングの近道です。木に導かれて気の長い気持ちになり、盆栽でも、ガーデニングでも、散歩でも結構ですから木の生き方に目を向けてみましょう。きっと皆さんにとって、素敵な未来がやってくるでしょう。

 

私も木に関する仕事をしていますので、日頃から皆さんよりは木に接していますし、注意をむけています。その中で、森の中を歩いたり、無垢材テーブルに接していると心が落ち着く気になるのは確かです。それが木の不思議なパワーです。こういったことは、時に科学的に証明されることもありますが、日常生活では感覚的に受けるものだとも思います。ちょっと胡散臭いと思われる方もいらっしゃるとは思いますが、積極的に木に接触してみてください。ちょっとでも木のチカラを感じて頂ければよいなと思っています。

 

さて、本の内容に戻ります。前半は、木を学ぶコーナーになっていて、葉と芽と花の役割、根と菌根についてなど、若干専門的な内容になっていますが、これまであまり知られていない木の細かな部分の役割などがわかりやすく解説されています。その中で、3月にまつわるエピソードが出てきますので少し紹介します。3月3日のひなまつりでは、桜餅を食べる慣習があります。桜餅は、あんこがはいったおまんじゅうを桜の葉っぱで巻いた和菓子です。桜餅に使われている葉は、「オオシマザクラ」という野生種の葉っぱだそうです。

 

塩漬けにされた葉からは桜餅になくてはならない香りがします。クマリンという成分の香りですが、他の種類の桜の葉ではクマリンの香りはしません。オオシマザクラの葉にはクマリンを合成する酵素があるため、桜餅に特有の香りがするのです。

 

桜餅の葉っぱは完全ノーマークでした。桜の葉が使われているのだろうとは思っていましたが、ある種のものでないとあの香りにはならないんですね、勉強になりました。本著ではこのような豆知識が随所にちりばめられています。

 

後半では、我々の暮らしに近い樹木について解説がされています。サクラ・ウルシ・ツツジ・イチョウ・ブナ・マツ・クリ・クスノキ・カヤ・スギ・ヒノキ・クワ・カキノキの13種について魅力を解説しています。

 

この中では、ブナ・クリ・クスノキなどが家具に使われる広葉樹として知られています。ソリウッドでも、常に在庫があるわけではありませんが、2枚はぎなどの耳つき天板が採れそうな板が市場で見つかれば仕入れるようにしています。現在は、吉祥寺ショールームにクリの2枚はぎ天板が展示してあります。

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同じ丸太からとれた2枚の板を接ぎ合わせて1枚の天板にしています。模様はほぼ左右対称で、色味もあっています。一部割れが入っているので樹脂で埋めて対処しています。クリは木目は明るい色味で木目がわりとはっきりでるのが特色です。この天板もそのような特徴がはっきりと出ています。ショールームでは見合う脚がないので、ダイニングと座卓兼用の脚に天板を乗せるだけにして展示していますが、完成は4本脚のテーブルとなります。クリ材では脚が作れないので、同じような色味のナラ材で脚を作る予定です。もちろん、ご希望があればその他の木材でも作ることが出来ます。詳細はスタッフまでお問い合わせください。

 

賢木@吉祥寺

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