2016.03.12

西川栄明 著『樹木と木材の図鑑』はこれまでの事典や図鑑より一歩踏み込んでいて面白い。【No.1490】

明日13日は【オイル仕上げのテーブルメンテナンス講座】の日です。毎月第2日曜日の14:00から吉祥寺ショールームで開催することになっています。オイル仕上げのテーブルは定期的にメンテナンスを行う必要があります。メンテナンスを行うことで綺麗な状態を保つことができます。ただ、メンテナンスに関して不安を感じている方も多くいるはずです。「けっこう面倒くさそうだ。」「不器用な私にできるかしら?」といった事を思っている方に、実際のメンテナンス方法を見て頂くことを目標にした講座です。オイル仕上げのテーブルを検討している方を対象にしていますが、すでにオイル仕上げのテーブルを使用している人に来て頂いても構いません。興味がある方はせびお越し下さい。

もう一つ告知をします。まもなくISU-WORKSの新作・SWINGチェアがソリウッドにやってきます。ISU-WORKSさんのInstagramの本日の投稿に実物が紹介されていました。

既に見本を展示している販売店さんもありますが、少し遅れてソリウッドにもSWINGチェアがやってきます。到着次第吉祥寺ショールームにて展示を開始する予定になっています。皆さんに座って頂けるようになったらまたこのブログでお知らせをしますね。

このSWINGチェアはロッキングチェアですが、従来のロッキングチェアに比べるとコンパクトな作りになっています。”ロッキングチェアが欲しいけど、置き場所がない!!”と思っている方は結構いるんじゃないですかね?そうした方にオススメなのがこのSWINGチェアです。展示会で座ってみましたが、とても心地良かったですよ。実物が届いたらもう一度じっくりと座って、試座レポートをブログに書くつもりです。

さて、今日のブログエントリーに本題に入ります。創元社から『樹木と木材の図鑑』が発売されました。木に関するテーマの本を数多く執筆しているライターの西川栄明氏が書いています。

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日本でよく使われている樹種101種をたくさんの写真を使用して紹介してあります。木材の表面写真が掲載されている木材事典や樹木の姿が掲載されている図鑑をこれまでも出版されてきました。しかし、この本は1つの樹種に関して、「樹木」「木材」「使われているもの」がまとめて掲載されています。つまり、立木のことも分かるし、木材のことも分かるし、主な使用用途も分かってしまいます。

この手の事典や図鑑にありがちな上っ面だけ揃えた内容ではなく、一歩踏み込んだ内容が多く読んでいて楽しい図鑑に仕上がっています。例えば、アオダモ。

一番目に掲載されている樹種です。アオダモと言えば野球のバットです。野球のバットに使用されていることはこれまでのどの事典や図鑑にも書かれていたでしょう。しかし、この図鑑では、大リーガーのバリー・ボンズ選手がメープル材バットを使い出した2000年頃から、日本でも同材のバットを使う選手が出始めた。それから10数年後には、アオダモ材バットは少数派になってしまった。それでも、イチロー選手はアオダモのパットを愛用してきた。メープルよりも粘りがあるので、しなりを生むバットに仕上がる。ボールに食らいつくような選手に向いていると言われる。と書かれています。

ねっ、一歩踏み込んでいますよね。そして1ぺージの大部分をしめる写真には、M.Ogasawaraと印字されている使用済みのバットが写っています。日本ハムファイターズや読売巨人軍で活躍した小笠原道大選手もアオダモのバットを使用していたことがわかるんですね。さらに「パッと見にはホワイトアッシュと区別のつかないことがある」(木材業者) とも書かれています。このように実際に木を扱っている人の声も掲載されています。こういうコメントが掲載されているあたりにノンフィクションライターが書いたという特徴が現れています。

他にもアサダに項目では、木材の用途を記した文献には、アサダの代表的な用途に「靴の木型」が記されているが、現在では全く使われていない。と書かれています。すごい、ちゃんと取材しています ! さらにミズメの項目には、ミズメで作られた靴のモデル木型の写真が掲載されています。こんな木型の写真、見た事なかったです。現在ではヨーロッパ産のシデ材が使われていますが、20数年前まではミズメが主流だったそうです。アサダ材の木型を知る人はすでに居なく、一時期はミズメ材が使われていたが、今はシデ材が使われているというヒストリーが分かるようになっています。

モンパノキなんていう項目もあります。こんな木聞いたことなかったです。沖縄、奄美群島、小笠原諸島に生えている木だそうです。そして、なんとこの木は水中メガネの枠に使われてきたそうです。沖縄の海人が素潜り漁などで重宝する水中メガネ(ミーカガンという)の枠に使われていたんですね。実物の写真も掲載されています。面白いですね。木ってほんといろいなことに使われきたんです。

木が好きな人はこの図鑑、読んでみても損はないですよ。

瑞木@相模湖

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