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家具屋で働く双子のブログ
続・テーブルの裏をみれば作り手の想いがわかる【No.1354】
日曜日のブログエントリーでは、テーブルの裏をみれば作り手の想いがわかると題して、一見、同じようにみえる無垢材のテーブルでも裏をみれば、製作者やデザインをした人の想いや重要視している点が見えてくるという内容を書きました。
では、天板の裏のどこを見たら良いのでしょうか?
天板の裏をみるポイントは、
天板と脚がどのようについているか?
天板の反りに対する対策がどのようにされているか?
天板裏の仕上げはどのようにされているか?
の3点です。1つ目のポイントは先日のブログで書きましたので、今日は後半の2つについて詳しくみていきます。
テーブル天板の裏をみる2つ目のポイントは、「天板の反りに対する対策がどのようにされているか?」です。
無垢材という素材は、そのままにしておくと板が反る性質があります。テーブルにした時に反りが大きく出てしまうとテーブルとして機能しなくなってしまいます。そこで、無垢材を使う家具つくりで最も大切になってくるのが、反りへの対策です。まず、板がどうして反ってしまうのかを説明します。木が森や林で生きている状態では、中の組織に多量の水分が含まれています。木を伐採し、丸太から何枚かの板を製材します。伐採してから間もない丸太を製材して板の表面を触ってみると、少し濡れているのがわかる場合があります。それほど、木の中には水分が含まれているのです。ですが、製材された板は、木部の組織が外の世界と触れることで、木部の水分が板の表面から蒸発し、水分が酸くなってきます。水分がなくなって木部は、その分収縮していきます。板は、一般的に樹皮に近い部分のほうが水分が沢山含まれているといわれます。要するに、板の外側と中央で収縮率が変わってきてしまいます。そのまま、収縮が進むと水分が少ないほうに木部が反っていくことになります。そのまま、木部の水分が抜けてくると中の水分が少なくなってきます。木部における水分を含む割合が15%以下になってくると、木の内部と外の環境が平衡状態になり、反りが止まります。従って、無垢材を家具に使う場合は、よく乾燥させて含水率を平衡状態になるまで下がったものを使うことが最低条件になります。
乾燥を十分にした木材を使うことが一番の反り対策にはなりますが、それだけでは不十分になる場合があります。テーブルは主に室内に置くことになりますが、それでも季節によって室内の湿度は変化します。湿度が変わると木の内部の水分量もかわるので、木は伸縮します。その際に、天板が反ったり暴れることがないように天板に反り止めを施すことが必要になります。
この反り止めの方法もやはり作り手によって方法が異なります。そもそも、十分に乾燥させた材を使えばそれだけで対策は出来ていると考える方もいらっしゃいます。そういった考えを持つ方がテーブルを作ったら、天板の裏に反り対策が施されていないということもあります。反り止めは木製のものと金属製のものがあります。木製のものは強度をだすため厚みが5、6センチ程度ある木片を板の木目に垂直に交わるように取り付けます。木製の反り止めをつけるのに、蟻桟といわれる伝統的な方法と木片をビスで直接固定する方法の2つがあります。木製の反り止めは比較的な大きくなってしまうため、場合によっては椅子などを収納する際に邪魔になってしまうことがあるので、注意が必要です。
金属製の反り止めは多くの場合、天板裏に溝を掘り込みそこに金属辺を埋め込みます。天板の裏に突起がでるわけではないので、天板の裏はスッキリとしています。
ソリウッドでもこの埋め込み式の金属製反り止めを採用しています。こうした金属製反り止めを採用しているメーカーは他にもありますが、実はソリウッド独特の工夫がされています。ビスを留めるために金属に穴が空いているのがわかると思いますが、その穴のカタチが長円になっています。通常はビスがはいる程度の丸の穴をあけますが、長円にすることにより木が伸縮した際に、遊びがあることでビスが少し動くことができます。遊びがないとビスが動きがとれず折れてしまったりすることがあるので、長円であることが重要なのです。
3つ目のポイントは天板裏の仕上げはどうなっているのかという点です。
天板をオイルで仕上げる場合、木地を整えオイルを塗って、オイルが乾いたら再度サンドペーパーをかけ、もう一度オイルを塗ります。通常、三回程度この作業を繰り返します。何度かオイルを塗る事によって、スベスベして心地良い肌触りに仕上がります。天板の表面と裏を触ってみると、肌触りが違う場合があります。これは、天板裏の仕上げを少し簡素化し、手間を省いている場合があります。天板裏なので、さほど大きな問題ではありませんが、こういったところにも違いがでるので、しっかりと見極めるようにしましょう!
賢木@吉祥寺
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