2015.08.19

チェリー材を選んだ理由【No.1284】

ソリウッドでは、定番として扱っている樹種が5つあります。タモ材、ナラ材、ウォールナット材、チェリー材、メープル材の5つです。最近、ストレートカットテーブルのラインナップにクルミ材が加わったので、それを含めると6種になります。その中で1番人気があるのは、ウォールナット材です。以前に、なぜウォールナットが多くの方に選ばれるのか?というテーマでお客様との会話をヒントにブログエントリーを書きました。

ウォールナット材にした理由

今日は、ウォールナットに続く人気を誇るチェリー材が選ばれた理由を考えていきたいと思います。ここで、チェリー材とは、北米産のブラックチェリー材と同じものです。

「経年変化が楽しめる木が良かった」

チェリー材の最大の特徴といえるのが、時が経つにつれ色が変化していく経年変化が著しいということです。出来立てのチェリー材の家具は個体差はありますが、薄いピンク色がかった色をしています。それが、時間が経つとともに段々と艶のある濃いオレンジがかった茶色になっていきます。他の樹種も同じように経年変化をするものがありますが、その中でもチェリー材は変化が大きく、単に色が褪せるといった変化とは違った感じの変化になります。

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上の写真は出来たばかりのチェリー材のテーブル天板です。チェリー材の経年変化はわりとすぐに始まります。出来た当初のピンクがかった色の時間はそこまで長くありません。半年ぐらいしてくると色が濃くなっていると感じます。この半年から3年ぐらいが最も変化が激しい時期です。ある程度、オレンジがかった茶色になってくると、色の変化量は少なくなります。

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こちらは製作して4年が経ったチェリー材の天板です。

最近のお客様はネットを通じて様々な情報、知識を得ている方が多いので、はじめから経年変化が激しいチェリー材目当てでショールームにお越し頂く方もいらっしゃいます。

「優しい色味と木目」

チェリー材は、水分や養分を運ぶ導管が規則正しく並んでいるわけではない散孔材です。そのため、肌触りがツルツルしており、木目もあまり目立たちません。オレンジがかった茶褐色の色味とあわさり、チェリー材の家具を見た方から「優しい印象の木ですね」というコメントを頂くことがあります。この「優しさ」が選ばれる理由にはいっていることは間違いないことだと思います。

散孔材について、ちょっと補足します。堅くて家具によく使われるのは広葉樹ですが、構造の違いによって2つに分類されます。導管が年輪にそって、規則正しく並んでいるのが環孔材といいます。環孔材を切った木口面をよくみてみると、導管の穴がしっかりとみえます。この導管の一部は表面に露呈するため、微妙に凹凸が出来ます。手で触れた際に、少し凹凸を感じるのはこれが理由です。一方、導管が不規則に配置されているのが、散孔材です。散孔材は導管による凹凸がでないため、表面はツルツルに仕上がります。チェリー材の他に、ウォールナット材やメープル材が散孔材の代表格です。

「他の樹種の家具とも合わせやすい」

最近はダイニングテーブルと椅子の樹種を変える組み合わせをさせる方もいらっしゃいます。そんな方にオススメなのがチェリー材です。タモやナラ材のように比較的明るい樹種のダイニングテーブルに対して、少し色がついている樹種の椅子をあわせると引き締まる感じがします。逆にチェリー材のように少し色がついているダイニングテーブルに、明るい色味のナラ材やブナ材の椅子をあわせると落ち着きがありながら、ナチュラルな印象も与える組み合わせになります。

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こちらはチェリー材のダイニングテーブルにブナ材のHakuチェアを組み合わせた納品事例になります。テーブルの色が濃くなってくるともう少しコントラストが出てきて樹種の違いもわかりやすくなるでしょう。

この他にもフローリングでよく使われるスギ材も経年変化が激しい板です。その経年変化にあわせることが出来る堅い木ということでチェリー材が選ばれることもあります。

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