2015.06.09

耳つき板の買い付け時に心がけていること。

明日から耳つきテーブル用の板の買い付けとための出張に行ってきます。買い付けに行っている材木市場ではセリが行われます。開始時間は朝の7時。早いんですね。製材された板のセリだけでもかなり時間が掛かります。出品の数にもよりますが、だいたい終わるのが12時ごろ。午前中をめいいっぱい使う感じですね。会場内を歩き回るので、結構疲れます。

150609_2.jpg

進行はかなり早いので、事前にしっかりと下見をしておく必要があります。本当は前日にでもじっくり下見するのがベストですが、私は当日に行っています。会場に着いたら場内をパーッと早足で周ります。その際に気になる板の番号をチェックしておきます。自分がチェックした板がどの辺にあるのかを頭に入れておきます。セリの進行中に隙を見て、チェックした板をじっくり観察することもあります。

どんな板を買い付けるのか?というのに興味を持っている方もいると思います。そこで今回のブログエントリーでは、板の買い付けの際に私がどんな事を考えているかを書きます。

まず樹種を確認します。ウォールナット材・チェリー材・トチ材・カバ材・カエデ材は主要取り扱い樹種なので、あったら必ずチェックしておきます。その他にもヤマザクラ材・クリ材・ケヤキ材・クルミ材・ニレ材・ミズメ材といった樹種は買い付けの対象になってきます。逆に、アフリカ材などは今のところ積極的には買い付けていません。

次は大きさですね。ソリウッドでは耳つきのはぎテーブルをメインに製作しています。まずは2枚はぎテーブルになる大きさの板を探します。重要なのは板の幅です。耳つき2枚はぎテーブルにするためには、幅500mm以上必要になります。幅が広くなると値段を高くなります。出来れば幅600mmぐらいの板をたくさん在庫にもっておきたいです。樹種によっては、幅広板を期待できないものもあります。そうした樹種は400mmから500mmの板があれば買いといった感じです。

一番大事なのは木味(きあじ)です。木目の様子や色などその板が醸し出す雰囲気ですね。一般的には目が詰まっていて、色の濃い物が良材とされています。目が詰まっているというのは、年輪の間隔が狭いことを指します。成長の早い木よりもじっくりと時間を掛けて成長した木の方が良いというわけです。成長が遅いということは育った環境が厳しかったということでもあります。厳しい環境でも耐えられた木は、中身もぎっしりと詰まっています。目が詰まっている木は狂いにくいと言われています。なぜかを科学的に証明するのは難しいです。しかし、経験でなんとなく正しいと感じています。逆に目が粗い木、つまり年輪の間隔が広い板は、乾燥中に大きく反ったり捻れたりします。目が詰まっている板は歩留まりもよくなるんですね。

木目の様子もテーブルの雰囲気を決める大きな要素になります。素直な木目は綺麗な天板に、複雑に変化した木目は面白い天板に、とそれぞれに良さがあると思います。個人的には面白い木目の板が好きです。だから、そういう板をたくさん仕入れがちになります。もちろん、素直な綺麗な木目の板も仕入れますよ。好みの問題なので、いろいろな雰囲気の天板を揃えておくのが理想ですね。

材木市場での買い付けをはじめたばかりの頃は買った板がどんな天板になるかをイメージするのが難しかったです。仕入れてと製作をしていくうちに段々と完成時のイメージを持つことが出来るようになりました。イメージ出来るようになると買い付けも楽になります。最近では、これは綺麗系、これは面白い系と緩くジャンル分けをしながら偏らないようにバランス良く買い付けるように心がけています。

瑞木@相模湖

お問い合わせContact

TEL:0422-21-8487
〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町2-28-3 2F
(営業時間: 12:30〜18:00/定休日:火・水曜日)
お問い合わせフォーム
Facebook Twitter Instagram Pinterest