2014.07.04

ベイマツは針葉樹なのに、結構重い。

2月の大雪の雪の重みで工房の外に掛けてあった屋根が落ちてしまいました。その修復作業がやっと始まりました。完全に落ちてしまった訳ではなくそのまま使うことが出来ていたので、延ばし延ばしになっていましたが… 始めに見積もりをお願いした工務店さんには、専門外ということでたらい回しさせられ、紹介してもらった業者さんはいつになっても見積もりを持ってこず…結局知り合いにお願いして工事をしてもらうことになりました。

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鉄パイプの骨組みの上にポリカの波板が貼ってある構造でしたが、新しい屋根は木で構造を作りトタン屋根を張ることになりました。まずは現状の屋根を取り外します。それから柱を立てていきます。

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立てた柱に梁を渡します。間に柱を立てられないため、梁はかなり重厚な感じです。使用している木材はベイマツです。名前の通り、アメリカ産の松です。といってもいわゆる松(アカマツ等)とは少し異なる樹種のようで、マツ科トガサワラ属に分類される常緑針葉樹です。このベイマツ、かなり大きく成長します。資料を見てみると、樹高100m、直径1m〜2mと表記されています。生産量もかなり多く、日本にも大量に輸入されています。現地では原生林もあるし、植林した人工林もあるようです。原生林のベイマツの方が、材質的には良いとも言われています。どちらにしても計画的に伐倒されており、今後もよく使われる材だと思います。シロアリや水に対してはそれほど強い材ではないようで、主に梁に使われることが多いようです。

針葉樹は広葉樹に比べると軽い印象がありますが、このベイマツはそれほど軽くありません。木材の重さを比べる時に使用される比重という基準でみると、ベイマツは0.55になります。普段、針葉樹に触れていない私からすると”そんなあるの?”といった感じです。スギの比重は、0.38。ヒノキは0.41。比重は数字が大きくなるほど重いことを表しています。比重が1以上あると水に浮きます。広葉樹でも比較的軽いクルミ・トチ・クスなどよりもベイマツの方が重いことになります。比重0.55というとクリと同じぐらいの比重があります。こんなに重い針葉樹もあるんですね…勉強になります。

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雨も多く、ジメジメしているので木材にカビが生えやすい時期です。実際に使用するベイマツにもカビが入っていましたが、見事に白太だけにカビが入っています。左側の赤い部分は赤太(あるいは心材)といって木の中心に近い部分です。右側の白い部分は白太(あるいは辺材)といって樹皮に近い部分です。白太の部分は水分のやりとりが行われている部分、赤太の部分は水分のやりとりは若い部分に任せて、樹体維持のために堅くなった部分です。白い材木にはカビが入りやすい。広葉樹では、トチがその代表例です。乾燥していないトチ材をこの時期に外で桟積みしておくと、すぐにカビが入ります。ベイマツも白い部分にだけカビが入っています。ザッとみたところ赤太にカビは入っていませんでした。なんだか面白いです。

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図面を予め書いている訳でもなく、現物に合わせながら作ってしまう大工さんの仕事に感心させられます。いろいろ計算しながら部材のサイズを決めていきます。そのため現場の至るところに数字のメモ書きがあります。
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こういう現場仕事を見ていると楽しいです。手伝っている訳ではありませんが、気になるのでちょくちょく外に出て様子を伺っています。また現場レポートをこのブログで書きます。どんなモノが完成するかお楽しみに。

瑞木@相模湖

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