2014.03.14

チェリー無垢材テーブルが持つ3つのおすすめポイント。

※2017年7月3日追記:末尾に関連ブログエントリへのリンクを貼りました。
※2019年6月2日再編集

無垢材テーブルを選ぶ段階で悩むポイントは樹種ではないかと思います。店頭で接客していると、樹種で悩んでいる方が多くいるのが分かります。テーブルの機能的には広葉樹であれば樹種によっての差はありません。見た目で気に入ったテーブルを選んで頂ければよいと思います。樹種選びで悩んでいる方のために樹種別のお薦めするポイントを紹介していきます。

第一弾はソリウッドの人気樹種の1つであるチェリー材。チェリー材無垢テーブルのお薦めする3つのポイントを挙げてみます。

経年変化で艶のある美しい色になる。
スベスベした手触り。
絶妙に淡い木目。

月日が経つと艶のある美しい色になる。

“チェリー材の良い所は?”と木工家あるいは無垢材家具販売員に訪ねたら、ほぼ全員が答えるであろう事は経年変化で色が変わるということです。他の人が気づかないチェリー材の良い所を挙げようと思いましたが、この点を外すわけにはいかないと考えなおしました。

やはり、チェリー材の1番の魅力は経年変化で渋い艶のある色になることです。出来たてのチェリー材の家具は薄いピンク色をしています。それが、時間が経つとともに段々と艶のある濃い茶色になっていきます。他の樹種も月日が経つと色が変化します。しかし、その中でもチェリー材の色の変化は大きく、また単に色が褪せるといった変化とは違った変化をします。

実際の例を挙げていきましょう。まずは完成したばかりのチェリー材テーブルです。
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薄いピンク色もしくは薄いオレンジ色をしています。所々、薄い緑色をしている箇所もあります。塗装をすると若干色が濃くなってオレンジ色になります。現品のでなく、新たに製作してお届けする際はこんな色をしています。ショールームで見たのとだいぶ印象が違うと思いますが、月日が経過すれば段々と濃くなっていきます。逆にいうと、時間が経たないとあのチェリー色にはならないんです。はじめから艶があって濃い色をしているチェリー材はありません。あったとしたらそれは塗装をして色を付けたものだと推測できます。

削ったばかりのチェリー材はサクラの花びらのようなピンク色をしています。
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このピンク色は僕のお気に入りでもあります。このまま置いておいても、すぐに色が濃くなってしまいますし、無色の塗装をしてもこのピンク色をキープすることはできません。削り立てのチェリー材でしか見ることのないピンク色です。(写真だと上の塗装したチェリー材との差は分かりにくいですが、実物は結構印象が違います。)

続いて、時間が経ったチェリー材のテーブル。こちらは吉祥寺ショールームにて約3年間展示していたテーブルです。
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どうですか、全然違う色をしているでしょう。このショールームのテーブルもはじめは前にあげた出来たてのテーブルと同じような色をしていました。ここからもっと月日が経つともっと濃い色になっていきます。色の変化と共に艶も出てきます。鈍く輝く茶色。ほんと綺麗です。木によって色変化の度合いの差はありますが、色の変化がないチェリー材はありません。なので、色が濃く変化したチェリー材の色が趣味ではない方は違う材を選んだ方が良いです。

スベスベした手触りが心地良い。

次に挙げるのは、すべすべ手触りです。木の触り心地は、導管の太さで決まります。木材は多くの導管で組織されています。導管は水分を通す役目をしています。木によって、導管の太さが変わってきます。製材した表面には切断された導管が並んでいます。導管が太い場合は、少しざらついた手触りになります。逆に導管の細い材は、滑らかな触り心地になります。導管の並びかたで環孔材と散孔材に分ける事ができます。大雑把に分類すると、環孔材は導管が太い、散孔材は導管が細いと言えます。チェリー材は散孔材です。よってスベスベした手触りの部類になります。ただし、散孔材の中では導管が太い部類に入ります。そのため、カエデ材やトチ材に比べると、少しザラザラします。が、ケヤキ材やタモ材といった環孔材の木と比べると、ツルツルと感じます。

こればっかりは実際に触ってみてもらわないと、分かってもらえません。さらにこの質感を感じてもらうためにはオイル塗装であることが条件になります。ウレタン塗装は、表面に幕を作ります。この幕が導管のボコボコを少し埋めてしまうために差が分かりにくくなってしまいます。なので、ウレタン塗装したものはどの樹種を触ってもツルッとした手触りです。

いろいろな樹種を触ってみて気に入った木を選ぶというのもありです。テーブルは手で触れる機会の多い家具です。その触り心地に納得がいかないと気分が乗ってきません。吉祥寺ショールームでは実物に触れることが出来ます。ぜひ、実物に触れてから判断してもらいたいと願っています。

淡く優しい木目が絶妙。

3点目は、絶妙に淡い木目です。これは2点目の導管の太さと関わりがあります。導管が太い環孔材は、木目がハッキリと現れます。導管の細い樹種の木目は淡くなります。チェリー材の木目は絶妙に淡いのです。ケヤキやタモ材のようなハッキリといた木目でもなく、トチ材やカエデ材のようにほとんど木目が見えない樹種よりは木目が現れます。両方の良いとこ取りしたような位置にチェリー材は存在します。
140314_5.jpg
どうですか?チェリー材の無垢家具がどんな特徴をもっているか分かって頂けましたでしょうか。

ここまで、チェリー材の良い所を挙げてみました。逆に悪い点が気になる方もいるでしょう。冒頭でも述べましたが、機能的に劣る点はありません。木全体でみる と、堅すぎるわけでもなく、柔らかすぎるわけでもない、重すぎるわけでもなく、軽すぎるわけでもない。中間に位置する材と言えるでしょう。敢えて欠点を挙 げるとしたら、太い木になりにくい点でしょう。1枚板でテーブルになるような板が採れる丸太はほとんどありません。あったとしてもとても高価で、値段が日 用品として使うテーブルの範疇を超えてしまいます。

あとは産地が限定されている事も欠点かもしれません。チェリー材はアメリカ、カナダに しか存在しません。日本だとヤマザクラ材と似ていますが、完全に同じ訳ではないので木目や色、性質は異なります。(似てはいますが…)よって、アメリカや カナダがなんらかの理由で輸出する事を止めてしまえば、日本で手にすることが出来なくなってしまいます。今の所そのような事があるとは考えにくいですが、 輸入に頼らざる負えないので、為替市場によって価格を左右されてしまいます。円安が続くと今後の値上がりは避けられなくなるでしょう。

以上、無垢材テーブルの樹種を選ぶ際に参考になるようにチェリー材の特徴をまとめてみました。その他の樹種も追々このブログで書いていきます。

〈追加〉 関連ブログエントリーへのリンク:

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2014年6月に書かれたブログエントリーですが、3年経った今でも多くの方がアクセスしてくれています。人気樹種のウォールナット材とチェリー、どちらも捨てがたい魅力ある樹種ですのでじっくり考慮して頂ければ…

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ソリウッドの吉祥寺ショップ ソリウッド・クラフィスではチェリー材の無垢材テーブルの見本を展示しています。また、現品販売しているテーブルも展示販売しています。(時期によっては在庫がない場合もあります。)チェリー材の無垢材テーブルをお探しの方はぜひ、一度我々のお店までお気軽にお越し下さいませ。

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