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家具屋で働く双子のブログ
家具を選ぶ際、ウォールナットとチェリーで悩んだら
※2019年6月18日 : 内容の一部を変更しました。
ソリウッドの無垢テーブルにおいての樹種割合については、過去何度か集計をとってブログで公表してきました。
今の売れ筋樹種は・・・
このエントリーや上のリンクのエントリーをはじめに書いたのが2014年で、その頃はウォールナット人気がまさに絶頂の頃でした。2019年現在、今もウォールナットの人気は高いですが、一時期のどこもかしこもウォールナットという状況はおさまっている印象です。ソリウッドの注文数でいうと、昨年あたりからチェリーでの注文数がウォールナットを上回ることが続いていました。直近ではウォールナットの注文数が多い状況にあります。多少の変化はありつつも、無垢材家具においてウォールナットとチェリーが選ばれることは続いていくと思います。
日頃、ショールームでお客様のお話を聞いてみると、ウォールナットとチェリーを比較検討している方が多いと感じます。白っぽい木を好みの方はメープルやブナなどの同じ散孔材をスパッと選ぶ方や樹種が予め決まってご来店する方が多いように感じます。ところが、少し落ち着いた色味の樹種を希望している方は、ウォールナットとチェリーで悩まれる方が多い感じがします。そこで、ウォールナットとチェリーで悩んでいる方に2つの共通点や違いを明らかにして選ぶ際のちょっとしたアドバイスになるようにしたいと思います。
私は日頃ウォールナットとチェリーと呼んでいますが、正式にはブラックウォールナットとブラックチェリーといいます。
こちらがウォールナット材。上の写真をクリックするとウォールナット材ストレートカットテーブルの詳細ページに移行します。
こちらがチェリー材です。上の写真をクリックするとチェリー材ストレートカットテーブルの商品ページに移行します。
まずは2つの材の共通点からみていきます。
北米産と散孔材
この2つの樹種の大きな共通点は、北米産と散孔材ということです。ウォールナットは日本語に訳すと「クルミ」ですが、国産のクルミ材はブラックウォールナットのように色が濃くありません。ウォールナットの主な産地はアメリカの中央部〜東部であり、ミズーリ、オハイオ州などが知られています。一方、チェリーもアメリカの中央、東部が産出のメインです。
続いての共通事項である散孔材ですが、散孔材というのは、木が成長するのに必要な水分や養分を吸い上げる導管といわれる小さな管が散らばって構成されています。導管の構成状態はテーブルをオイルで仕上げた時の肌触りに影響があります。一般的に規則正しく並んでいて菅が太い環孔材に比べて、散孔材は導管が細く不規則なのでテーブルの表面がツルツルしているのが特徴です。従ってウォールナット材とチェリー材もオイル仕上げをしたテーブルの触り心地はしっとりしていてスベスベで気持ち良いです。
耳の部分は色が薄い
細かいところではありますが、もうひとつ共通点があります。それは辺材の色が心材に比べて薄いということです。無垢材テーブルではよく、樹皮部分のカタチを残したテーブルがあります。木材の世界では、樹皮部分を「耳」と呼んでいて、この部分が残っているテーブルは「耳つきテーブル」と呼んでいます。樹皮の部分=辺材になりますので、ウォールナットやチェリーで耳つきテーブルを製作すると端の部分が白っぽくなります。
ウォールナットの耳つきテーブル。耳の部分の色が薄いことがわかると思います。
こちらはチェリー材の耳つきテーブルです。ウォールナットに比べるとコントラストは劣りますが、やはり耳の部分の色味が薄いことがわかります。ウォールナットやチェリーの場合、濃いめの色ということで選んでいる方も多いと思いますが、耳つきテーブルの場合は、天板すべてが同じ色味ではないということになりますので注意が必要です。このあたりは好みなので、むしろ耳があったほうが良いという人もいれば、濃い色味の部分だけのほうが良いという人もいます。
それでは、今度はウォールナットとチェリーの「違い」についてみていきます。
色味と経年変化
パッとみた感じでチェリーとウォールナットの色味の違いは明らかです。チェリーはオレンジがかった茶色であり、ウォールナットは濃い茶褐色になります。無垢材を使った家具の特徴として、経年変化を楽しめるというものがあります。経年変化とはテーブルや収納を製作した後に、自然と色が変わってくる現象になります。
ウォールナットやチェリーは広葉樹のなかでも経年変化が著しい樹種といえます。ですが、この2つの樹種だけをみると色の変化の仕方が違います。簡単にいってしまうと
ウォールナットは段々明るく、チェリーは段々色濃くなります。
家具が完成した当初のウォールナットは、紫がかったこげ茶色です。年月が経つと赤みがかってくるようになります。ですので、完成当初に比べると色がやや抜けた印象になります。経年変化後のウォールナットは完成当初に比べると落ち着いた印象が強くなります。
反対にチェリーは淡いピンクがかった色から濃いオレンジ色に変化していきます。経年変化というと、チェリーのように色濃くなることを想像している方が多いと思いますが、ウォールナットはちょっと違った変化をします
価格の違い
価格も若干ではありますが異なります。材木の料金は質というよりは生産量や流通量によって変わってきます。ウォールナットとチェリーの材料における価格を比較すると、現在はウォールナットのほうが高い傾向にあります。4,5年前までは、チェリーのほうが高い状態でしたが、その後、ウォールナットの原材料の価格高騰が著しく、チェリーの価格を一気に抜いてしまいました。そのため、その頃の価格に比べるとウォールナットのテーブル価格はかなり上がってしまっています。ウォールナットの価格高騰は最近になってやや落ち着いた感じはしますが、下がっているわけではないのでしばらくは現状のままということになりそうです。
ここまで、ウォールナットとチェリー材の共通点と違いを明らかにしました。
やはり最大の違いは色味の違いなので、そこの好みを選ぶポイントにするのが良いと考えます。実現させたいお部屋の雰囲気で適している材がある程度決まってきます。ウォールナットはシックやコントラストをポイントにする場合に的しているといえます。一方チェリー材は、ナチュラルな雰囲気にアクセントとなる色を使いたい時に適していると考えています。
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