2019.06.17

木のお皿やカトラリーのメンテナンスにサラダ油やオリーブ油は使ってはダメなの?

※2019年6月17日改訂 : 内容の一部を変更しました。

以前にも何度か紹介していますが、木工旋盤を使って木の器を作っています。売り物としてではなく、私の趣味として制作しています。売り物にするにはまだまだ練習が必要です。それなりに数はこなしてきましたが、まだまだ自分が思い描くようなものが出来ません。

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その辺にあったものを集めて写真を撮ってみました。こうすると結構ありますね。その他にも工房で使用しているものもあります。趣味ではありますが、木を知るという意味も含めて作ったり、使用したりしています。

仕上げはオイル仕上げにしています。オイル仕上げに使用するオイルはいろいろとあります。通常の家具に使用するのは、亜麻仁油をベースにして各社が独自の配合をした家具用のオイルです。

それを塗ってもよいのですが、食器なので食用の油を塗るのもひとつの手です。ですが、ひとまとめに食用の油といってもいろいろとあります。1番使用されているのは、サラダ油と言われているものですね。多くのサラダ油は菜種を原料にしています。カナダ産のキャノーラ種を使用しているものをキャノーラ油とも呼んでいますね。どこの家庭にもかならず1本は常備しているであろう油です。

菜種油は空気中で固まらない不乾性の油です。固まらないので塗料としてはあまり向いていません。乾かないのでいつまでもベタツキが残ってしまいます。菜種油のつぎに多くの家庭にあるであろうオリーブ油も不乾性の油です。要するにどの家庭にも常備してありそうな油は仕上げの塗料としては向いていないのです。

食用の油で仕上げ塗料として向いているのは、荏胡麻油や亜麻仁油、クルミ油などの乾性油です。

こうした油も最近ではスーパーで簡単に購入できるようになりました。菜種油やオリーブ油に比べると価格が少し高いです。なので、常備しているご家庭は少ないと思います。

普段使いでたくさんは使えませんからね。私は食用の荏胡麻油と亜麻仁油を購入して木のお皿やカトラリー用のメンテナンスオイルとして常備しています。使用してかさついてきた木のお皿やカトラリーにこれらの油を塗って、キッチンペーパーで綺麗に拭き取ってメンテナンスをしています。綺麗に拭き取ればベタツキもなくすぐに使えるようになります。時々こうしたメンテナンスをすれば、シミや汚れなどを防ぐことができます。

サラダ油やオリーブ油はこうしたメンテナンスに本当に向いていないのかと言われると少し疑問です。乾かないということを理解して少量を塗り込むように塗ってすぐに拭き取ればそれほど大きな問題がないように感じています。試しに制作した器にサラダ油を塗ってみました。キッチンペーパーに油を染み込ませてそれで塗って、すぐに新しいキッチンペーパーで拭き取りました。乾性の油に比べるとすこしベタつくようにも感じましたが、触って不快な感じはしませんでした。ただし、少し匂いが気になりました。少し胃がもたれそうなあの匂いですね。しばらく置いておけばそれほど気にならなくはなりましたが、鼻に近づけるとやはり少し匂います。ただ、使ったり、洗ったりをしたら気にならない程度だと思います。

木の器を製作して販売している作家さんの中には仕上げにサラダ油を塗っている方もいらっしゃいます。その方はずっとサラダ油を塗っているそうですが、特に問題はないと言っておられます。器やカトラリーぐらいの大きさであればこうした不乾性の油でも問題はないのではないかと思っています。家具とかフローリングなど広い面積になってくれば話は別ですが…

オイル仕上げの器やカトラリーは、油っぽいものに使用できないと思っている方も多いでしょう。別に使用出来ない訳ではありません。使うとシミが出来てしまうのです。ただ、ガンガン使っていくうちにそうしたシミも目立たなくなってきます。料理に含まれている油もだんだんと染み込んで馴染んで行きますので… ただこのあたりは個人の感覚の差が大きいと思います。私は全然気になりません。

兄弟や友達に私が作ったオイル仕上げのお皿をあげていますのが、なかなかガシガシと使ってくれる人がいません。意見を聞きたいから気にせず使ってみてと言って渡しているのですが、「なんか勿体なくて…」と答える人が多いです。普段、オイル仕上げのテーブルや家具を販売している賢木@吉祥寺や私の姉でもそうなので、木に馴染みのない方はなおさらだと思います。

少し前にウォールナット材で制作したお皿を姉に再び、ガシガシ使ってみてとリクエストしたところ早速、油っぽいものにも使用してくれました。その写真をFacebookにアップしてたので、借用しました。

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夕食なのにわざわざ朝食のメニューなようなウインナー炒めです。手前に油シミている部分がありますね。おそらくちょっとシミになるとは思いますが… しばらく経ったらまた様子を聞いてみようと思います。

というわけで、木のお皿やカトラリーのメンテナンスには食用の荏胡麻油や亜麻仁油を使用するのが1番良いですが、乾かないという点を理解した上で少量を塗ってよく拭き取って使用すれば大きな問題はないと思います。わざわざ、荏胡麻油や亜麻仁油を用意するのは面倒だと感じる方はサラダ油やオリーブ油を使用してみるのも良いと思います。

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