2017.12.19

空気が乾燥している冬場は木も縮む。【No.2137】

今年も残すところわずかになってきました。寒さも本格的になってきました。相模湖工房周辺では朝の気温がマイナスになる日も増えています。日中は陽射しがあれば暖かく感じることもありますが、日陰は寒いですよね。冬といえばイルミネーションが定番の催しとして定着しました。相模湖工房の近くになる遊園地”プレジャーフォレスト”もイルミネーションを開催していて、訪れる人が増えています。何年か前に経営母体が変わって名称が変わりましたが、元々は相模湖ピクニックランドという遊園地でした。経営難に陥って買収したのが富士急グループです。富士急が経営するようになってからグッと訪れる人が増えました。その要因の一つが『さがみ湖イルミリオン』というイルミネーションです。関東最大数の600万球の電球で彩られるということです。TVCMも流れているようで知名度も高くなっているようです。人が増えるのはいいことではありますが、クリスマス時期は周辺が大渋滞するので注意が必要です。今年は12月24日が日曜日なのでその日と前日23日は夕方から周辺道路が渋滞するはずです。

冬は空気が乾燥しているのでイルミネーションが映えるようです。その他にもいくつか理由があるそうですが、空気が乾燥していると水蒸気の粒子が少なく、照明がはっきり見えるみたいです。空気が乾燥すれば、それに伴って木も乾燥します。製材された板は乾燥させてから使用します。製材されたばかりの板は水分をたくさん含んでいて、触ると湿っているのが分かります。製材された板は空気に触れている部分から徐々に水分が抜けていきます。板の乾燥具合を測る指標として含水率というのがあります。木材水分計で測ると含水率が分かります。製材されたばかりの板は50~100%ぐらいの含水率で100%を超える場合もあります。で、それらの板を一枚一枚が空気に触れるように桟木を間に入れて積み重ねて置いて置くと徐々に乾燥していきます。1年ほどその状態で置いておくと含水率は20~40%ほどになります。それだけでは乾燥が不十分なので、人工的に木材を乾燥させる木材乾燥庫に入れてさらに乾燥させます。木材乾燥庫に入れて含水率をおおよそ10%以下にすれば家具用材として使うことができます。

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乾燥庫に入れている木材の様子です。板の間に桟を入れて空気が通るようにします。桟を入れないでただ重ねて置くと全く乾燥が進みません。水分が逃げずに表面がカビだらけになることもあります。なので、製材した板はすぐに桟積みするのが基本です。

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乾燥庫から出した板は木材水分計で含水率を測ります。一箇所だけで判断するのは危険なので、表裏計18箇所で計測しています。一番乾きにくいのは板の中央部分。ここが乾いていれば他の箇所もだいたい乾いています。板の端は水分が抜けていきやすいので含水率は低めです。そのため端の部分を計測しただけでは不安です。板の端と中央部分では全然含水率が違う場合もあります。端は含水率が10%以下になっているのに、中央部分は20%以上あるなんてこともあります。

とこのようにソリウッドでは人工的にしっかりと乾燥させた板を使っています。が、乾燥が進んだ板であっても周りの状況に応じて水分を吸ったり、放出したりします。冬場は空気が乾燥しているのでそれに合わせて木も水分を放出します。なので、冬場は木は痩せています。夏になって湿度が高くなると水分を吸収して少し伸びます。板は幅方向で伸び縮みをします。長さ方向ではほとんど変化しません。どのぐらい伸び縮みするかは板によりますが、数mmは確実に動いています。1cmぐらい動くこともあります。

この収縮に伴って、板が動くことで反ったり、割れが入ったりします。木が動いても過度に力が掛からないよう工夫はしていますが、どうしても反りや割れを完全に防ぐことはできません。防ぐためには一年を通じて温度や湿度を一定に保つことが重要です。でも現実的にはなかなか難しいと思います。24時間空調で確実に温度や湿度を管理すれば反りや割れを防げるとは思いますが、そこまでやるのは不可能ですよね。冬場は室内を過度に乾燥させないように、夏場は湿度を上げないように心がけることは人間にとっても快適に過ごせると思います。無垢材の家具も同じと考えていただければ良いと思います。

というわけで今日、乾燥と木材について書いてみました。

瑞木@相模湖

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