2014.04.03

桜満開!なので家具に使われるサクラ材について

東京の桜は昨日あたりから満開のようです。今日の雨が花を散らしてしまうかもしれませんね。吉祥寺ショールームの近辺では井の頭公園がお花見のスポットとして有名です。今年は池の水を張り替えたので池もキレイになり、桜の見栄えも増したとの声も聞かれます。

桜の季節になので、材木として家具や内装に使われる「サクラ」材について書いてみようと思います。

まず、お花見の際に皆様が良く目にする桜は「ソメイヨシノ」が多いですが、この「ソメイヨシノ」は園芸種であり、観賞用に植えられたものがほとんどです。そのため、製材されて家具などに使われることは滅多にありません。

では、家具に使われる「サクラ」材とはどういったものがあるのでしょう?

まずは、「ヤマザクラ」材です。こちらは「ソメイヨシノ」と同じバラ科に属するサクラ材です。山の斜面に点々とピンクの花が咲いているのをご覧になったことがある方も多いと思います。あれがヤマザクラです。山に自生しているものが多く、材としての産出量が少ないため、家具用として流通するものは限定されています。

ソリウッドでもヤマザクラ材のテーブルを製作することがありますが、これも材木市でたまたま入手出来た板を使ったものです。時間が経つと味わい深いオレンジがかった色味になってきます。1点モノのテーブルを展示していると、サイズ違いなどの問い合わせを受けることも多いのですが、現状ではなかなかリクエストに応えることが難しいのが残念です。

ヤマザクラ材のテーブル

こちらは以前納品したヤマザクラ材の耳つきテーブルです。

ヤマザクラの他にも「カバザクラ」や「ミズメザクラ」などのサクラ材がフローリングや家具類に使われます。こちらは、ヤマザクラに比べて流通量も多く、特にフローリングではよく見掛けます。実は、これらのサクラ材は、カバノキ科に属していて、シラカバなどと同じ種類になります。さきほど紹介した「ソメイヨシノ」や「ヤマザクラ」とは種類が異なります。その昔、産出量が多かったカバ材を「ヤマザクラ」の代用として使ったことから「カバザクラ」などと呼ぶようになったとされ、その慣習が今でも続いているようです。

カバ材はカバ材で、とっても魅力的な材です。淡いピンク色の赤身と白い部分の2つの色味が楽しめる材です。肌触りも滑らかで、個人的には非常に好きな材です。そんなこともあり、ソリウッドでは、「カバザクラ」といった表記はせずに、「カバ材」としています。

カバ材の耳つきテーブル

こちらはカバ材の耳つきテーブルです。赤身の部分の色合いは確かにヤマザクラに似ていますね。

そしてあとひとつ「サクラ」の仲間といえるのがチェリー材です。家具でチェリー材と呼ばれているのは北米産のブラックチェリーの木です。ブラックチェリーは、日本のヤマザクラと同じバラ科に属しています。サクラというよりは、「アメリカンチェリー」の実がなる印象が強いかなと思います。ですので、私も説明する時は、サクラの木というよりは、さくらんぼの木という表現を使うことが多いです。

日本人の場合、「サクラ」「チェリー」などと聞くと、反射的に4月に咲く「ソメイヨシノ」のサクラを連想しがちです。ですが、家具や内装においては、単純に「サクラ」と表記されていても、全部が同じとは限りません。特徴なども変わってきますので、お店の人などにどんなサクラ材ですか?と聞いてみるのがよいでしょう!

賢木@吉祥寺

お問い合わせContact

TEL:0422-21-8487
〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町2-28-3 2F
(営業時間: 12:30〜18:00/定休日:火・水曜日)
お問い合わせフォーム
Facebook Twitter Instagram Pinterest