2018.10.08

木材乾燥の方法について。【No.2430】

木材は乾燥をさせないと使用することができません。倒木されたばかりの木は水分をたくさん含んでいます。しかし、倒されると同時に空気に触れている面から水分がどんどんと抜けていきます。製材されるとさらに空気に触れる面が増えて水分が抜ける量が増えていきます。水分が抜けると当然体積が減ります。体積が減ることによって板に負担が掛かって割れたり、反ったりするわけです。なのでまずは乾燥させて水分を抜いてから使用するというのが大前提になります。乾燥していない木を使って、家や家具を作ると後々割れたり、反ったりして不都合が出てきてしまいます。だから乾燥させた木を使うことが大事なんですね。

では、具体的にどうやって木材を乾燥させるか? 今日のブログではその方法を書きます。木材乾燥の手段は2種類あります。天然乾燥か人工乾燥かです。天然乾燥は自然に板の水分が抜けるのを待つ方法です。人工乾燥は人工的に木材の水分を抜く方法です。木材乾燥庫に入れて木材を乾燥されるのが人工乾燥の一般的なやり方です。

製材された板はそのまま放っておいても水分が抜けていきます。でも、ただ置いておくだけではなかなか水分が抜けないです。基本的には一枚一枚の板の間に桟を入れて隙間を開けて積み重ねて、風通りの良い場所に置いておきます。地面が土の場合は湿気がたまりやすいのでなるべく地面から間を空けて積んだ方が乾燥は早く進みます。

空気が乾燥していて、風通りの良い場所に桟積み状態でおいておけば1年くらい経つと結構水分が抜けているはずです。板の水分は完全に抜けきることはありません。乾燥具合を測る指標に含水率というのかあります。板がどのくらい水分を含んでいるかを計測するわけです。含水率が10%から20%くらいの間になると乾燥していると判断することが多いです。でも、使用場所にもよるので一概に何%になれば良いというのはありません。家具の場合はなるべく木の動きを少なくしたいので含水率10%を基準にしています。

天然乾燥の場合は自然に水分が抜けるのを待つわけですが、天然乾燥だけで含水率10%に達するのはちょっと無理があります。3年ほど天然乾燥させた板でも含水率が15%くらいになっていれば良い方かなと思います。ソリウッドの相模湖工房は特別に空気が乾燥している地域ではないので天然乾燥にはそれほど向いていないです。なので、ソリウッドで乾燥させる板は天然乾燥と人工乾燥を合わせて乾燥させています。

人工乾燥は温度と湿度をコントロールして木材を乾燥させる方法が一般的です。色々な木材人工乾燥方法がありますが、最も普及しているのは温度、湿度をコントロールして風を起こして乾燥させる方式です。ソリウッドでもこの方式の木材乾燥庫を長年使用していました。この手の木材乾燥庫は庫内の温度を60~70℃くらいまで上げて木材を乾燥させます。おおよそ2週間くらい掛けて木材を乾燥させるスケジュールを採用します。もちろん、それまでにどのくらい乾燥しているかも重要な要素です。基本的にはある程度天然乾燥で水分を抜いてから人工乾燥庫に入れます。たっぷり水分を含んだ状態で木材乾燥庫に入れると急激に乾燥が進んで、割れや反りが起こりやすくなります。なので、急激に水分が抜けないようにある程度含水率を落としてから木材乾燥庫に入れます。

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こちらが以前に使用していた木材乾燥庫です。庫内の温度が60~70℃になるので中温乾燥庫と部類される木材乾燥庫です。100℃くらいの高温で一気に乾燥させる木材乾燥庫もあります。温度が高くなれば乾燥にかかる時間も短縮されますが、木材への負担も高くなります。高温で乾燥させると木材組織が破壊されて強度が落ちるとも言われています。が、実際のところ本当にそうなのかは私にはよく分かりません。

ソリウッドでは現在は新しい木材乾燥庫に入れ替えています。そのあたりについてはまたブログに書きます。

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