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家具屋で働く双子のブログ
板には木表面と木裏面があって、耳つきテーブルの場合はカタチに違いが出てきます。【No.1849】
昨日のブログでは賢木@吉祥寺が導管について書いていました。ルーペで板の表面を覗くと導管と呼ばれる組織の縦断面を見ることができます。広葉樹にはストロー状の導管が無数に存在しています。普通に眺めているだけだとほとんど分かりませんがルーペで拡大してみると導管の存在がハッキリと認識することができます。また、木口をルーペで覗くと導管の横断面を見ることができます。ホワイトオーク材の場合はストロー状の導管が年輪に沿って規則的に並んでいるのが分かります。木って身近にあるので知っている気になっていますが、意外と知らないこともありますね。
今日は木表と木裏について書いてみます。木表と木裏という言葉を聞いたことがない方がほとんどだと思います。先ほどの導管は理科や生物に時間に習った記憶があると思いますが、木表と木裏は学校では習わないことです。でも、材木業界や家具業界では知らない人はいないくらい常識的な事柄として認知されています。
木表は、立木だった時に樹皮に近かった方の面の事を指します。逆に木裏は中心に近かった方の面のことです。1枚の板にそれぞれ木表と木裏があります。同じ丸太から製材された2枚の連続する板を考えると゛樹皮に近かった方の板の木裏面と中心に近かった方の板の木表面がほぼ同じような木目をしています。当然と言えば当然ですが、元々1つの塊だった物を製材しているわけですからね。
このことを利用しているのがブックマッチ天板と呼ばれるテーブル天板です。ブックマッチ天板は本を開いた時のような感じではぎ合わせている2枚はぎの板を指します。なので表面になるのは1枚の板は木裏、1枚の板は木表になります。もともと連続していた部分をカットしているので表面の木目はほぼ同じになります。ブックマッチ天板では左右で木目がほぼ対称になります。なので、1枚板テーブルでは味わうことができない木目の組みあわせを楽しむことができます。
こちらは吉祥寺ショールームに展示中のトチ材のブックマッチ天板です。中心部分に近い濃い褐色の部分がX字上になっています。木目がほぼ左右対称になるブックマッチ天板ならではの模様になっています。このようにブックマッチ天板では左右の板がほぼ対称になるのが特徴です。
耳つきテーブルの場合、表面の木目だけでなく木表と木裏の違いが出る部分があります。それが耳です。耳とは樹皮がついていた部分のことを指します。木表面が上になると耳を目立つようになります。逆に木裏面が上になると耳が下側に隠れて目立たなくなります。耳の部分が傾斜している板で木表面を上にすると、事実上天板としては使えない部分がでることになります。あまりに傾斜が寝ている板を耳つきで木表面を上にすると少し使い勝手が悪くなります。
木裏面を上にすると天板として使用できる部分も増えるので幅を広くすることができます。また、下側の角を面取りしたのと同じような効果を得ることもできます。下側の角がないと、テーブルのエッジがシャープに見えるようになります。ある程度の厚みがあっても木裏面を上にすることで全体的にはシャープにみせることも可能になります。
材木業界では「木表面の方が木目が綺麗に現れる」ことから木表面を上にして使用することが常識になっています。でも、木目ではなく外見のカタチを気にすると木裏面を上にするメリットもあります。ソリウッドではどちらの面も上にして使用しています。その板でどっちの面を上にするのが最善かを考えています。木表面には節があるけど、木裏面には節が無い場合は木裏面を上にして使用しますし、木裏面に変色している部分があって木表面にはそれがないときは木表面を上にして使用したりしています。
耳つきテーブルを検討しているお客様の中で、耳が目立つほうが良いと考えている方、目立たない方がよいと考えている方がいらっしゃいます。ご夫婦で意見が割れるケースもあります。まあ好みの問題ですので、見た目の好きな方を選択するのが良いと思います。
瑞木@相模湖
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