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家具屋で働く双子のブログ
天板あれこれ 1枚板と接ぎ合わせ天板【No.1456】
吉祥寺ショールームでお客様と話していて、もしくはお客様同士で話されているのを聞いていてたまに誤解をされている方がいらしゃいます。それは、ソリウッドの吉祥寺ショールームにおいてあるテーブルが「1枚板テーブル」だと思っているということです。本物の木を使っている=1枚板テーブルという思い込みになりがちですが、実はソリウッドの吉祥寺ショールームには1枚テーブルはほとんど展示していません。いずれも複数の無垢板(本物の木。途中で切っても断面は同じ木材)を接着させて1枚の天板にしているものです。今日のブログでは、そのあたりについて実例を交え解説していきたいと思います。
まずは、1枚板テーブルを定義してみます。1枚板テーブルとはテーブルトップに使われる板に丸太から製材された1枚を使っているテーブルになります。ダイニングテーブルだと平均的な幅が850mm程度ですから、1枚の板でその幅がとれる大きな板が使われていることになります。1枚板テーブルは、ダイニングテーブルのみに使われる用語ではありませんので、1枚板のリビングテーブルや1枚板のデスクといったものも存在します。その場合、リビングテーブルだと幅400〜600mm程度、デスクの場合500〜650mm程度の幅の板が使われています。
木材は1枚で幅が広ければそれだけ価値があるとされています。テーブル天板によく使われる広葉樹の場合、850mmの1枚板がとれる木材の樹齢は少なくても80年〜100年を超えているとされます。また、幅が広ければ広いほど板の価格も高くなります。ですので、1枚の板のみで天板が作られている1枚板テーブルは無垢材テーブルの中で、最も価値が高いテーブルといえます。
以前、納品したナラ材の1枚板テーブルです。これでも850mmの幅はなく少し細めのダイニングテーブルでした。特にナラ材は幅が広い板が入手しづらく、おそらくしばらくはナラ材の1枚板ダイニングテーブルを作ることはないのではないかと考えています。もちろん、良い板があれば作りたいとは思っていますが…。
ですが、実際伐採された丸太をみてみると、樹種によっても大きく成長する種とそうでない種がありますので、一概にはいえませんが直径が850mmを越すものはそう多くはありません。ソリウッドが板を仕入れている材木市場では、丸太の競りも行われています。そこに出品されている丸太も径が400〜750mmぐらいのものが多いです。このぐらいの大きさの丸太を製材しても十分な大きさの1枚板ダイニングテーブルにはなりません。
流通している木材のうち、850mm以下の幅の板が多いということになると、ダイニングテーブルにするには、少なくても2枚以上の板を使う必要があります。そこで、出てくるのが板を接ぎ合わせるという工程です。板を接ぎ合わせる最も簡単な方法は、それぞれの板の合わせる面をキレイにまっすぐに整え、接着剤を介して接ぎ合わせる方法です。こうして接ぎ合わせた天板は、接ぎ合わせた板の枚数によって、2枚接ぎ、3枚接ぎ、5枚接ぎといった感じで呼ばれています。
こちらは現在吉祥寺ショールームに展示しているチャンチン材の耳つき天板です。さて、これは1枚板でしょうか?それとも何枚かの板を接いだはぎ天板でしょうか?
これはわかりやすいと思います。写真を見て頂くと天板の中央付近にまっすぐ線が見えるはずです。この線が板と板を接着した跡になります。従ってこの天は1回接いでいるので、2枚はぎの天板になります。天板の表面だけみると木目に惑わされてはぎ面がみつけにくいこともありますが、木口部分をみると接いでいるのか接いでいないのかがわかりやすくなります。
もうひとつ、実例をみていきます。上のウォールナット材の天板は1枚板でしょうか?複数の板をそれとも接ぎ合わせた天板でしょうか?
これも木口面をみるとわかりやすいと思います。これは5枚の板を接ぎ合わせた5枚はぎ天板になります。
ソリウッドでは、四角く成形しているストレートカットテーブルと木の樹皮の部分のカタチをそのまま残した耳つきテーブルを販売しています。ストレートカットテーブルのほうは、幅が850mmでしたら、5枚〜7枚程度の板を接ぎ合わせて天板にしています。耳つきテーブルのほうは、仕入れた板の状況によってどういった天板になるか変わってきます。数は少ないですが1枚板でダイニングテーブルになりそうな板を仕入れることもあります。最近では、2枚か3枚で850mm程度の天板が採れそうな板を市場で探して競り落とすことが多いです。したがって商品のバリエーションも2〜3枚はぎのものが多くなります。
最後に、よく頂く質問とその回答を書きます。それは「接いである天板はそのうちに接いである面がさけてきてしまうのでは?」という心配からくる質問です。この質問について「接いだ面がさけることは起りにくいと思って頂いて大丈夫です」と答えています。ソリウッドでは板を接ぐ際に使う接着剤に強力なものを用いています。また、接着剤をケチると強度に影響がでるので、はみ出すくらいしっかりと塗ることを徹底しています。接着剤がはみ出すと後からそれをキレイにはぎとる必要がでてきますが、そうした労力を惜しまないようにしています。ですので、接いである天板でも安心してお使いください。
賢木@吉祥寺
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