2015.10.09

耳つきテーブルの素になる板の買い付け時に考えていることを文章にしてみました。【No.1335】

耳つきテーブルに使用する板の仕入れに材木市場に行ってきました。もう何度も行っているので新鮮味はありません。が、やっぱり行くとテンションが上がります。広い敷地に丸太や板がギッシリと並んでいます。広さ的には学校の校庭のぐらいでしょうか？(かなりアバウトな例えですが…) 敷地の半分に製材した板が、もう半分に丸太がところ狭しと並べてあります。朝早くからセリが始まるので、早朝から下見のためにたくさんの人が来ています。遠くから来ている人やじっくりと下見をしたい人は前日から来て下見をしています。特に丸太(原木)を買う人はじっくりと下見をした方が良い仕入れが出来ますからね。

私は前日入りしていますが、夜につくので下見は当日の朝です。セリが開始する前にザッと見てめぼしい板をチェックしておきます。この市場にはいろいろなサイズや形の板が出品されます。柱材などもあるので、そういうもののセリをやっている場合は時間が空くので、先ほどめぼしをつけた板を再チェックしたりします。

チェックした板に関しては、だいたいの予算を決めます。この板はこのぐらいの値段でセリ落とせるだろうという目安をつけておきます。板を見ればおおよそこのぐらいの価格になるだろうというのはなんとなく分かるようになりました。が、時々大幅に外す場合があります。まあ、予想価格とどのぐらい開きがあるかなど楽しみもあります。特に自分が関係していないような板は楽しむ事ができます。

実際に仕入れる板は2つのレベルがあります。ひとつは、必要な板です。樹種で言うと、ウォールナット材・チェリー材・イタヤカエデ材・カバ材・トチ材です。特に2枚はぎでテーブル天板になるサイズの板は必要になります。幅でいうと500ミリ前後の板になります。

セリ落としたウォールナット材の板です。節がありますが、それ以外の木目は素直で綺麗です。共木ではぎ合わせることができるので統一感のある天板になるはずです。本音はもう少し安い価格で仕入れたいですが、ほぼ適正な価格でセリ落とす事ができたと思います。(高くはないと思えるので良しとしましょう。)

チェリー材の耳つき2枚はぎテーブル天板になる板です。チェリー材は今回も充分に補充することができました。他の樹種も仕入れたいのですが、なかなか適した板がありません。チェリー材の耳つき板は在庫がかなり充実してきました。乾燥が済むといろいろな板を提案できそうです。

以上が必要な板でした。もうひとつのレベルは上手くいくと化けるのではないかという板です。プロ野球で例えると、ドラフト下位指名の高校生選手ですね。素材は良いけど、少し欠点がありそこが上手くさばければ化けるという板です。今回はこのレベルの板を少し仕入れる事ができました。ヤマザクラの板です。共木の3枚セットで出品されていました。ヤマザクラにしては目が詰まっていて素直そうな木目をしています。欠点は短い事。通常2mから3mぐらいの長さに切って製材します。半端になった場合などは短い状態で製材されることがあります。このヤマザクラ材はおそらくそのような板だと思います。ギリギリでW1500mmのテーブル天板になるかどうかという長さしかありません。多少の割れが入ってもW1500はキープできそうなので仕入れる事にしました。目の粗いヤマザクラ材は乾燥中に大きく反ってしまいます。ヤマザクラ材は乾燥中の暴れが大きい材種なんですね。この板もその可能性はありますが、目が詰まっているのでそんなに暴れないのではないかと考えています。どちらにしても乾燥後にどんな姿になるかがテーブル天板になるかならないかの判断材料になります。さて、どうなるか？乞うご期待! (ヤマザクラ材の写真を撮っておくの忘れてしまいました。工房に届いたら写真撮って紹介しますね。)

最後に、吉祥寺ショールームに展示してある耳つきテーブル天板を紹介する動画の第2弾をアップします。少しテロップを入れて分かりやすくしてみました。

瑞木@相模湖

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