2015.10.08

ダイニングテーブルの厚み【No.1334】

昨日のブログエントリーでは「ダイニングテーブルの厚さ」というテーマで書きました。注文で製作するようなダイニングテーブルだと天板厚が選べるものがあります。そんな時、どういった点を重視して決めればよいかという点について書きました。他にも書こうと思っていたことがあったのですが、字数が多くなってしまったので続きを今日書きます。

今日のテーマは「無垢材テーブル天板は厚ければ厚いほうがよい?」になります。

無垢材テーブルを検討している方は、ドド〜んとした存在感のあるテーブルを理想とされている方も多いと思います。やはり天板が厚くなればなるほど存在感が出てきます。昨日紹介した40mmの天板厚のテーブルもどっしりとした見た目もしています。もう少し天板厚が太くなるとどうなるでしょうか?

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より存在感のある天板です。こちらの天板は吉祥寺ショールームにて展示販売しているトチ材の2枚はぎ耳つきテーブルです。天板の厚さは60mmあります。ここまでくると、2枚はぎだとか木目がどうとかよりもその分厚さに目がいきます。

こうしてみると、天板厚は厚ければ厚いほうが良いという感じになりますが、実はこの60mmの天板厚のものはソリウッドでも非常に稀な存在になります。というのも、最近では丸太を製材する際にあまり厚い板を採らない傾向にあるからです。ソリウッドが原木市場で仕入れる天板用の板は、60mmぐらいのものが大半です。その後の乾燥によって、ねじれや歪みが出てきます。テーブルの天板は平滑であることが望ましいので、乾燥によってできた歪みを板を削って平滑にしていきます。もともと60mm程度の厚みがあった板は、40mm〜45mm程度の厚みで仕上がります。

どうして60mmぐらいの厚みで製材されるのでしょうか?

理由はいくつか考えられます。

厚すぎると乾燥が難しくなるから

伐採され、製材された板はしっかりと乾燥させることが必要です。乾燥するというのは、木材の中に含まれている水分が蒸発して外に出て行くことになります。水分は板の表面からしか抜けていきません。厚みがあると内部の乾燥が難しく時間がかかるということになります。

丸太から効率よく板がとれるサイズだから

耳つきなどのテーブル天板になるような板は、板1枚に値段がつくことが多いです。そのため、一つの丸太を製材する際に、出来るだけ商品価値の高い板を多くとることが重要です。厚く製材しすぎると、板の価格も高くせざるを得ませんし、欠点が多く含まれるリスクも高まります。60mmぐらいの厚みで製材するほうが、リスクも軽減され、ちょうど良い厚みとされることが多いようです。

こういった理由もあり、60mmぐらいで製材されることが多いと考えられます。

さらに天板が厚いテーブルの機能面でも場合によってはデメリットとして挙げられる点があります。それは「重さ」です。無垢材の板は材積が増えればその分重くなります。長さと奥行きが同じサイズの天板で、天板の厚みが30mmと60mmの2つがあるとします。上からみた大きさは変わらないので、お部屋に入れた際の空間的なスペースはそこまで違いがないと感じるかもしれませんが、実際もってみると、60mmの天板のほうが倍重くなるということになります。自宅のテーブルだと掃除の際に、ちょっと動かしたり、気分によって方向をかえてプチ模様替えをすることもあると思います。ですが、天板の厚いテーブルだと簡単には動かすことが出来ません。こういった機能面を考えると、やはりひとりで動かせる程度の重さである30mmから40mmのものが適しているといえるかもしれません。

 見た目的には厚いほうがよくみえると思いますが、木材の乾燥や実用面を考えると、厚みがデメリットになってしまうことがあります。個人的には40〜45mmぐらいの厚みが、見た目も十分ですし、実用面でもそれほど悪影響がないと考えます。

 賢木@吉祥寺

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