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家具屋で働く双子のブログ
国産無垢材テーブルの2つの意味。【No.1258】
気持ちよく晴れていると思ってたら突然雷が鳴り出して大雨になるというなかなか厄介な天気でしたね。午前中は外で木材の整理をしていました。午後一で室内で他の作業をして、その後続きをやるつもりだったのですが、豪雨で中断。外での作業は明日にサスペンデッドです。
Webでの検索ワードを調べたりしていると、”国産無垢材テーブル”と検索している人が多くいます。”国産無垢材テーブル”で検索してみるとソリウッド関連のページは2ページ目の中断あたりにブログエントリーが2件ヒットします。
国産材の耳つきテーブル用板が工房に到着しました。
寂しい未来はごめんです。−国産無垢材の現状−
2件のブログエントリーは共に国産材について書いています。今まで”国産”というと私は国産の木材をしようしているという意味で捉えていました。ところが、”国産無垢材テーブル”で検索すると国内で生産しているという意味で”国産”を使っているWebページやブログエントリーが多数ヒットします。
どうやら”国産無垢材テーブル”という言葉は2つの違う意味で使われてしまっているようです。まあどちらにでもとれる言葉なので仕方ありません。でもこの2つの意味はきちんと区別しておいたほうが良いでしょう。
無垢材テーブルをお探しの方で”国産”が良いなと思っている場合、どちらの意味での国産を希望しているかをしっかりと認識しておきましょう。また、お店の人がどちらの意味で”国産”という言葉を使っているかにも注意を払いましょう。そうしないと誤解が生じる可能性が高いです。
まず、「国内で生産されている」という意味での”国産”について書きます。大手量販店で売られている無垢材テーブルは海外の工場で製作されている場合もあります。例えば、無印良品さんの無垢材テーブルは中国で製作されています。Webサイトに原産国 中国と明記されているので間違えないでしょう。無印良品さんでは現在オーク材の無垢材を使ったテーブルを販売しています。使用しているオーク材は北米産のようです。このように製造している国と使用している木材の産地は必ずしも一致しません。
もう一つ例をあげてみます。同じく無印良品さんで「REAL FURNITURE」というシリーズが展開されています。このシリーズの無垢材テーブルは原産国が日本と書かれています。使用しているのは北米産のオーク材です。ちなみに前にあげた中国産の無垢材テーブルと国内生産の無垢材テーブルは同じオーク材の無垢材テーブルですが、同じサイズでも価格が倍以上違います。
生産国による違いでかなりの違いがある事が分かります。ソリウッドでは、国内生産されている無垢材家具のみ取り扱っています。無垢材テーブルに関しては、ほとんどを神奈川県にあるソリウッドの直営工房で製作しています。椅子は他のメーカーさんが製作している商品ですが、いずれも国内の工房で製作されています。宮崎椅子製作所さんは徳島県に工房を持っています。isu-worksシリーズは北海道津別町にある山上木工さんで製作しています。Awazaチェアを製作するいのうえアソシエーツさんは自前の工房は持っていませんが、山形県にある国内有数のOEM椅子メーカーに製作を委託しています。
もう一方の意味での”国産”は国内に生息していた木を使っているという意味です。つまり国産材を使用しているということです。日本には多くの山があり、たくさんの木が生えています。しかし、木材の自給率は決して高くありません。最近は30%を割っています。皆さんの想像よりも低いのではないでしょうか?
この自給率には様々な木材が入っているので無垢材テーブルに使われている木材だけの数字ではありません。ただ、実感としては無垢材テーブル用の板も自給率はこんなものではないでしょうか。むしろもっと低い可能性もあります。
無垢材テーブルを製作する側の立場から言うと、輸入材の方が圧倒的に使いやすいです。まず、供給量が輸入材の方が安定しています。いつでも手に入る材種のほとんどは輸入材です。ウォールナット材、チェリー材、メープル材、タモ材、ナラ材といったソリウッドの定番木材は全て輸入材です。タモ材やナラ材は国内材もあることはありますが、量も少なく質も安定していません。いつ手に入るかわからない木材を定番にすることはできません。
ソリウッドで国産木材を使用するのは、耳つきテーブルがほとんどです。ケヤキ材、トチ材といった日本を代表する木材をはじめ、クリ材、カエデ材、ヤマザクラ材、ミズメザクラ材などを使用しています。これらの板は材木市場で仕入れてきています。ケヤキ材やトチ材は毎回のように市場に出品されています。しかし、その他の材に関してはいつ手に入るか分からない状況です。ミズメザクラ材などはどんどんと仕入れたい材ですが、なかなか市場に出品されません。
日本国内の林業はスギやヒノキといった針葉樹を中心に扱っています。広葉樹をメインに持続性のある森林管理をしているところはほとんどありません。広葉樹に関しては、アメリカやカナダの林業が非常に進んでいます。持続性のある森林管理を国全体で維持している印象があります。こうした差が現在の広葉樹木材の生産量の差にモロにでています。
以上、”国産無垢材テーブル”という言葉に内在する2つの意味について書きました。無垢材テーブルをお探しのお客様で”国産”が良いと考えている方はどららの意味での”国産”かを明確にしておくと良いでしょう。
瑞木@相模湖
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