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家具屋で働く双子のブログ
幕板〜聞き慣れない単語を分かりやすく解説します〜
突然ですが、幕板って聞いたことありますか?
テーブルの購入を検討したことがある人は耳にしたことがある単語かもしれません。全く聞いたことがないという人もいらっしゃると思います。
写真をみれば、「ああ、見た事ある!」という方も多いでしょう。言葉で表すと「テーブルの天板の下に幕のように横長に張った板」ということになります。通常は脚と脚の間に取り付ける板です。世の中で販売されている全部のテーブルに幕板がついていれば「そういうものか」と受け入れテーブルにはついているものと思えるでしょう。ところが、幕板がないテーブルというのが存在します。そうなると、迷ってしまいますよね、幕板があったほうがいいのか、なくてもいいのかと。
まずは、幕板がなぜついているのかを整理します。
天板と脚を固定する
テーブルと脚を固定する方法はいくつかありますが、幕板を使って固定するのも1つの方法です。4つの脚の間にそれぞれ幕板をほぞ組みで接合し、脚を組みます。幕板には数カ所の穴をあけておき、そこにビスをうつか、ボルトで天板と固定します。
テーブルに強度をもたせる
天板と脚をほぞ組みなどで直接固定すると、どうしても負荷がそこに集中します。脚が細いとグラグラと揺れてしまい強度的に問題が出てきます。そこで、脚と脚の間に幕板をつけることで補強します。
無垢材の場合、反り止めに使う
テーブルの天板に使われている素材が無垢材の場合、幕板には上記の役割に加えて、反り止めの効果を期待させています。このブログでも散々書いていますが、十分に乾燥させた板を使用してもテーブルが置いてある環境に変化がおきれば板が反ってしまう恐れがあります。そのため、反り止めの対策が欠かせませんが、幕板を天板に固定することにより反りが出にくくなります。
以上の3つが幕板が担う主な役割ですが、幕板がつくことでテーブルの機能面でデメリットが生じます。それは
肘掛けがある椅子が入らない。
椅子に座って脚が組めない。
テーブルの搬入が大変
といった点です。幕板は50ミリ程度の高さがありますので、その分椅子とテーブルのスペースが狭くなります。本を読んだり、リラックスする際に脚を組むこともあると思います。座っている辺に幕板があると邪魔になり脚が組めないこともあります。些細なことかもしれませんが、以外と気になってしまい不便と感じことがあります。ある程度長い期間使うことを前提にテーブルの購入を検討されている場合は、ちょっとしたストレスの原因は予め排除しておいたほうが良いかもしれません。
また、肘掛けがある椅子を置こうとすると幕板があるとテーブルの下に納めることが出来ません。幕板がない場合でも全部が納まるわけではありませんが、周辺のスペースを考えるとその差は歴然です。
3つ目に挙げたのは、テーブルの搬入の問題です。強度も出すために脚と脚の間に幕板を固定する訳ですが、この作業は事前にやっておく必要があります。そうなると、4人掛けのテーブルですと、1500×850×H700前後に組まれた脚を搬入する必要が出てきます。掃き出しの窓がスッと入れる事が出来るようであれば問題ありませんが、階段をあげようとすると難しいケースが多々出てきます。
こうして考えてみると、幕板があることのデメリットが意外とあることがわかります。
そのため、ソリウッドでは基本的にはダイニングテーブル、特に人が座ることが多い長手方向には、幕板がないほうがいいという考えでテーブルのデザインを決めています。
そこで重要になるのが、幕板が担う役割を幕板とは違った方法で実現させる工夫です。
幕板をなくすデザインを実現させるには、まず強度を高める必要があります。力が集中しやすい天板と脚の取付部分の強度を高めるためにソリウッドでは金属プレートを使っています。まず、脚にボルトが通せる穴が4つ以上あいた金属プレートをつけます。天板の裏にはこの金属プレートがはいる溝を掘り込み、さらにボルトを固定するメスのネジを埋め込みます。こうすることで、無垢材に直接力がかからず十分な強度がでます。
さらには、脚の太さや付け方にも注意をしています。通常、四角の脚の場合80ミリ角の脚を基本としています。それよりも細い脚にする時は、テーパーをつけて斜めに固定したり、短手だけ幕板をつけて補強するようにしています。
また、幕板が担う反り止め効果については、天板に直接金属製の金具を埋め込むように取付け、これを反り止めに使っています。こうすることで、幕板があるテーブルと同じ強度を保ちつつ、天板下に余裕のあるスペースが生まれます。
さらには、プレートを介すことで何回でも天板と脚を取り外すことができるので、搬入も天板と脚をばらして運べばほとんどの場合、スムーズに搬入が出来ます。
賢木@吉祥寺
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