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家具屋で働く双子のブログ
1枚板?2枚はぎ?の続き
今日の内容は昨日のエントリーの続きになります。昨日のエントリーを読んでいない方はまずそちらをご覧ください。
1枚板?2枚はぎ?〜聞き慣れない単語をわかりやすく解説します〜
昨日は1枚板の天板と数枚の無垢板を幅方向に接ぎ合わせた天板の見た目の違いについて書きました。
お客様と話をしていてよく聞かれるのは、「複数の板はどうやって接着しているのですか?」、「接いでいる面は割れやすいですか?」、「一枚板のほうが反りやすいですか?」といった質問です。
まず、1つ目の質問の回答でもある接ぐ作業について触れます。接ぐ工程は簡単にいってしまうと、板と板を接着剤を使って接着させることです。木工で接着剤というと木工用ボンドがまず思い浮かぶと思います。実は木工用ボンドというのは、コニシというメーカーが販売している木工用の接着剤の商品名になります。木工用ボンドは、酢酸ビニル樹脂エマルジョンタイプといわれる接着剤です。なんだかややこしくて一度では覚えられない名称なので、製作現場では、「酢ビ」と略して呼ばれることが多いです。木と木を簡単に接着することができるので、利便性は非常に高いのですが、強度はそれほど強くはありません。伸縮を伴う無垢材に使うのは少し不安が残ります。
ソリウッドでは、家具製作において酢ビの接着剤を使うことはなく、もっと協力な接着剤をメインに使っています。それは、水性高分子イソシアート系接着剤というものです。こちらも名前が複雑で覚えにくいですね。こちらの接着剤は安全性と耐朽性に優れているのが特徴です。シックハウス症候群の原因とされるホルムアルデヒドが含まれていません。強力な接着剤の中には、ホルムアルデヒドが含まれているものもありますので、そういった意味でも安心して使うことが出来ます。
この水性高分子イソシアート系接着剤をつかって接着した面は、通常の木部より強度がでるといわれています。要するに、板と板を接着したはぎ面のほうが強く、力を加えていくとはぎ面ではない部分が破損するということになります。ですので、先ほど挙げた「接いでいる面は割れやすいですか?」という質問に対する答えは「いいえ」ということになります。
天板を接ぐ方法にはいくつかやり方があります。接着する板の片側の木端を平面に仕上げ、そのまま接ぎ合わせるのが”いも接ぎ”といわれる接続方法です。最もシンプルなやり方ですが、強固に接着ができます。下の写真はチェリー材の5枚はぎ天板を製作する際に、両端の板を接ぐ最中の様子です。
もうひとつ、ポピュラーな方法が”雇いざね接ぎ”といわれるものです。木端に溝を堀り、その溝にさねといわれるも木片を挟みこんで接ぎ合わせる方法です。接着する面積が広くなるので強度的にも頑丈です。ですが、先ほどのいも接ぎに比べると加工の精度さが要求されます。
そのほかにフィンガージョイントと呼ばれる接着方法もあります。両手の指を広げてあわせたような形になるので、こういった名前がついています。この接ぎ方法をするには、専用ビッドを用いる必要があります。雇いざね接ぎと同様に加工の精度が必要になります。フィンガージョイントの場合は、木口側からみるとギザギザ模様のはぎ面みえてしまいます。これは意匠的なアクセントにもなりますので、デザイン面でフィンガージョイントを用いることもあるようです。
続いて「一枚板のほうが反りやすいですか?」といった質問です。イメージ的には1枚板のほうが反りやすいと思っている方も多いのではないでしょうか?ですが、1枚とはぎの天板を比べた場合、どちらかが反りやすいということはないと考えています。十分に乾燥ができていない板でしたら、1枚板であろうが複数枚のはぎ板であろうが反る可能性は高いです。要するに、板が反るという現象に関わる要素は、天板のはぎ枚数より、乾燥具合、置かれた環境のほうが大きいということです。1枚板であってもしっかりと乾燥した板で、いざという時のための反り止め加工が施されているものであれば問題ないといえます。
ですので、1枚板の天板とはぎ天板でどちらにしようか悩んだ場合は、機能面の比較はあまり意識しなくてもよいと思います。出ている木目の好みと価格との兼ね合いで決断されるのが良いでしょう。見た目でいうと、1枚板は板の中心が山型の木目がでて、端にいくと徐々に、線状のおとなしい木目になってきます。一方、接ぎ天板の場合は山型の模様が連続する感じになるので、1枚板のものに比べると全体の木目はより派手目になります。
賢木@吉祥寺
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