2015.01.28

赤身と白太 〜聞き慣れない単語をわかりやすく解説します〜

※2017年7月3日追記:内容の追加と末尾に関連ブログエントリへのリンクを貼りました。

突然ですが、赤身といったら何を思い浮かべますか?

ほとんどの方は、お刺身で食べるマグロの赤身が真っ先に浮かぶと思います。ですが、家具屋で働く私にとって、マグロは専門外ですのでこのブログでは書けないですね。実は、無垢材家具を製作して販売する家具屋の専門分野である木材にも赤身が存在します。

丸太の切断面をみると、中心に近い部分が赤く、樹皮に近い部分が白いことがよくあります。この傾向が顕著なのは杉やカバなどのサクラ系の樹種です。ソリウッドでもよく使うウォールナット材も中心と端の色の違いが明確ですが、ウォールナット材の場合は、中心部分は赤というよりこげ茶です。そして端の部分は白なので、先ほど挙げた樹種に比べるとコントラストがあります。一般的には中心部分の色が濃く、樹皮に近い部分は色が薄いといえます。

この色が濃い部分を赤身と呼びます。そして、色が薄い部分を白太と呼びます。

白太の部分は、伐採される前の状態で木の成分の新陳代謝が起こっている部分ともいえます。そのため、水分や養分の含まれている量が多いのが特徴です。このことは、木材の樹皮をはがしてみるとよく虫喰いの後が見られることでもわかります。虫にとっても養分がある白太のほうが美味しいのでしょう。赤身の部分は、白太に比べると耐朽性が高いとされます。そのため、家などの構造材には赤身の部分が使われることが多いです。

先ほどは丸太の状態で赤身と白太がある話をしましたが、もちろん製材して板になった状態でも現れます。一枚の板の真ん中が赤身、端が白太になります。家具を製作する場合は、赤身部分を多く使う傾向にあります。特に日本では、赤身部分のみを使うことが優先されています。色の違いが激しいウォールナット材やチェリー材の場合、なるべく見える部分に白太が出て来ないようにします。

ソリウッドの定番である四辺がカットされているストレートカットのテーブルでは、天板の上には白太が出ないように接ぎ合わせるようにしています。これは強度とかの問題ではなく、見た目の問題です。白太が出ないようにするということは、一枚の板で使えない部分が一定量あるといえます。最近、特にウォールナット材は赤身だけで幅広い材を確保することが難しくなっています。

もう1つの無垢材テーブルのスタイルである耳つきテーブルについては、ひとつの天板に赤身と白太が両方現れます。

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これは以前オーダーで製作したカバ材の耳つきテーブルです。カバ材は赤身と白太の色の違いが明瞭です。また、赤身の部分があまり幅広くないものが多いです。そのため、2枚はぎの耳つき天板の場合、写真のように半分近くが白太になることもあります。

ウォールナット材の耳つき板は、赤身の部分が8割から9割近くあることが多いです。150128 2

こちらがウォールナット材の2枚はぎ天板です。木によって白太の幅は当然変わりますが、先ほど例に挙げたカバ材に比べると赤身の部分が大半です。

このように樹種によって、見た目の印象が変わってくることがあります。

最後に白太を表に積極的に使ったテーブルの事例を紹介します。前述した通り、強度に問題があったり、白太の部分が極端に柔らかかったりすることがあるわけではないので、テーブルの天板の表にでてきても全く問題がありません。逆に白太を入れると、個性的な天板になります。

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耳の部分は当然白いですが、間の部分にもあえて白太が入るように板を接いだ5枚はぎ天板です。

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こちらは同じように白太を表につかったチェリー材のテーブル天板です。チェリー材も白太の色は白いです。

このような天板は樹種でいうと例に挙げたウォールナットとチェリーでは製作しやすいです。詳細は吉祥寺ショールームにお問い合わせください。逆にナラ材、タモ材、メープル材は赤身と白太の色味の差がすくなく意匠的にもコントラストがつかないので製作事例はありません。

追加:
自然派住宅といって自然素材を使った家づくりが見直されています。また間伐材の利用を積極的にする取り組みで杉板のフローリングをはる家が増えています。杉は本文中でも触れていますが、真ん中の赤っぽい部分と周辺の白っぽい部分とで色の違いがハッキリしています。特に間伐材で径の小さい杉は白太がほとんどだったりします。赤身部分だけを使用したフローリングの方が値段は高くなります。赤味だけでなく白太も含んだものは源平と呼ばれています。源平のフローリングの方が価格は安いようです。赤身と白太が混合されているフローリングだと見た目は少し派手になります。

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