2014.12.01

木材乾燥庫を持つことで作りたい板で耳つきテーブルが製作できるようになりました。

ソリウッドでは耳つきテーブルの製作・販売も行っています。耳つきテーブルに使用する板の多くは材木市場に直接行って仕入れてきた板です。材木市場に並ぶ板のほとんどは、生の状態です。材木の生とは、乾燥していない板のことを指します。生の板はすぐに使用することができません。必ず乾燥をさせてからでないと家具にしては駄目なんです。生の板は段々と内部の水分が抜けて乾燥していきます。この乾燥段階で板が縮みます。そのため、生の板で家具を作ると隙間がでたり、割れたりと後で崩壊してしまうことになります。そうならないために板は必ず乾燥させなくてはいけません。板の乾燥は時間が掛かります。人工乾燥庫を使わない天然乾燥だと、2年ぐらいは風通しの良い場所に置いて置かなければいけません。それでも充分に乾燥しない場合もあります。人工乾燥庫に入れる場合でも、その前に半年から1年ぐらい天然乾燥をして水分をある程度抜いておく必要があります。

乾燥中に割れたりするリスクも有ります。そのため、無垢材を扱う家具工房の多くは、既に乾燥した木材を材木屋さんから購入する事がほとんどです。しかし、ソリウッドでは乾燥庫を持って自分たちで板を乾燥させることもしています。3年前に独自の木材乾燥庫を構え、耳つきテーブル用の板を乾燥させています。自分たちで乾燥庫を持つことで、選択できる板の幅が拡がります。市場に行って数多く出品されている板の中からテーブルにしたい板をチョイスすることができます。材木屋さんではあまり扱いがないような板も仕入れる事が出来ます。私が行っている材木市場には、材木屋さんも数多く来ています。材木屋さんは、売れる板を仕入れようとします。しかし、私は作りたい板を仕入れることができます。少しぐらい節や入り皮があってもかっこいいテーブルにする事ができます。こういう板は直接材木市場に行かないとなかなか手に入りません。でも、乾燥庫がないと生の板を仕入れても使うまでに時間が掛かってしまいます。そこで乾燥庫が必要になってきます。テーブルにしたい板を仕入れて、乾燥させてテーブルにする。それがソリウッドの耳つきテーブルなんです。

耳つきテーブルはオーダーで製作することが多いですが、現品で販売する天板を増やしていこと思っています。現在、吉祥寺ショールームに展示する耳つきテーブルを製作中です。その中のいくつかを紹介します。

まずはカバ材の耳つき2枚はぎテーブルです。
141201_1.jpg
仕上がりをイメージして制作した合成写真です。木目がほぼ左右対称になるブックマッチ天板にする予定です。一部に菌による変色が見られます。こうなっている箇所をスポルテッドと呼んだりもします。木が立っている時になんらかの影響で内部に水が入ってカビや菌の繁殖で変色した部分です。スポルテッドはスポンジ状になってしまうこともありますが、この板の場合はそこまではいっていないので、充分に強度はあります。変色した部分の模様が面白いので敢えてそれを活かしてテーブル天板にします。

このカバ材は私が市場でセリ落とした板です。セリが始まる前に場内に置かれている板を一通り見て回ります。そこで一目惚れした板です。”これはなんとしてもソリウッドでテーブルにしたいな”と思った板です。面白い耳つきテーブルはこういうちょっと欠点を持っている板から生まれます。多少製作するのに手間が掛かりますが、なんとかテーブル天板にするのが使命だと思っています。

耳つきテーブルのWebサイトにこの板の情報をアップしました。興味がある方はこちらをご覧下さい。

もう1枚現在製作中の耳つきテーブルを紹介します。
141201_2.jpg
ウォールナット材の耳つき2枚はぎ天板になります。W2000×D850ぐらいのサイズで仕上がるように製作する予定です。1箇所入り皮がありますが、全体的にみるととても綺麗な板です。板の厚みが現状で50mmなので、仕上がりは40mmを予定しています。耳つきテーブルとしてはちょっと薄い目です。耳のカーブ具合がちょうど良い感じ。こちらの板の情報も近日中に耳つきテーブルのWebサイトにアップします。

この板も私が材木市場で仕入れて乾燥させた板です。50mmで製材されていたので、乾燥中に反ると薄くせざるを得なくなるので慎重に乾燥させました。結果的に大きな反りもなく、大きいサイズにしても40mm前後であがりそうなので良かったです。

瑞木@相模湖

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