2021.05.25

ウッドショックで見直されると嬉しい国産材。

ウッドショックという言葉が聞かれるようになりました。

外国産木材の価格が高騰している問題です。

この影響はかなり大きいようで、木造住宅が予定通りに建たなくなるという事が起きています。

一番影響が大きいのは木造住宅の柱や梁に使われる構造用の針葉樹木材のようです。ですが、その他の木材にも少なからず影響は出るようです。

我々が使用している家具用の広葉樹材に関しては、針葉樹材ほどの影響は無さそうですが価格は間違いなく上がります。私が聞いている範囲では、北米産のホワイトオーク材、ウォールナット材の価格が高騰しているとのこと。これらの材が手に入らないという量的な問題は無さそうですが、価格は上がるという事ですね。木材の値段も他のものと同じで、需要量と供給量によって価格が変動します。今回のように需要が多いのに供給が追いつかないと価格は上がります。

外国産木材の価格が高騰したなら、国産材を使えば良いじゃないか

と思いますよね。

私もそう思います。

ですが、問題はそう簡単ではないです。

まず、考えられるのが木材が使えるようになるまでかなり時間が掛かるという事です。木材は乾燥させてから使わないと駄目なので、伐採してから少なくとも半年くらいは掛かります。なので、前もって計画を立てておかないと増産は難しい気がします。増産した頃には外国産木材が普通に入ってくるようになったということも十分に考えられます。

もう一つは、代わりがないという問題です。

例えば、北米産のブラックウォールナット材。これに代わる木材が見つかりません。ブラックウォールナット材は濃い茶褐色をした独特の色をしています。この色に似た木材がないんですね。なので、代わりが見つからないということがあります。

ホワイトオーク材は日本ではそもそも代替え材としててここ最近とても重宝されるようになりました。それまではロシア産のナラ材やタモ材が質がよく、価格も低めでした。ところがロシアが木材の輸出に制限をかけたことで状況が一変しました。ロシア産のナラ材、タモ材の価格が高騰します。そこで代わりになったのが北米産のホワイトオーク材でした。もともと北米産のホワイトオーク材もかなり輸入されていましたが、より需要が高まる形になりました。そんなわけでホワイトオーク材の代わりもパッと思いつきません。

国産材は質と量が安定しないイメージがあります。木材を使う立場にからの目線だと、いつ注文しても質が安定していて手に入るものでないと安心できません。家具用広葉樹材においてはこの点で外国産材の方が優っています。

国産広葉樹材は質がバラバラのイメージがあります。もちろん外国産材にもばらつきはあります。でも、国産材の方がバラツキが多いイメージがあります。それも元々の供給量が少なくことが原因な気もします。元の量が多ければその中から質を選択できますよね。でも、国産材は産出量が少ないから質を一定にする余裕がないように感じます。

なので、国産材を活かすには一点物で勝負する所に道があるように思います。

量産するなら外国産材を使った方が良いでしょう。

ソリウッドでは、ウッドショックが起きる前から国産広葉樹材の可能性を探っていました。現在吉祥寺ショップにて展示販売している無垢材テーブルも国産材を使用したものがあります。一点ものの耳つきテーブルなどは国産材を活かすには絶好のアイテムだと思います。

一方で規格品的なものはやはり外国産材に頼らざるを得ないと考えています。どっちが良い、悪いではなく、適材適所的な発想で木材を使うのが良いです。

国産材の魅力やこういう使い方があるというのを皆さまに提示しながら、外国産材も使っていくというスタンスですね。どっちつかずの印象があるかもしれませんが、現実的に国産材のみを使うことは難しいと思います。国産材を使って、国産材をアピールして徐々に国産材の供給量が増えていくのが理想ですね。そういうわけでウッドショックで国産材が見直されることはとても良いことだと思います。

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