2019.04.06

【No.2582】無垢材テーブルができるまで その2。

先日、『【No.2582】無垢材テーブルができるまで その1』というタイトルでブログを書きました。今日はその続きです。その1では、製材するところまでの話をしました。多くの家具製造会社はすでに製材されて乾燥が済んでいる木材を仕入れて加工をしています。ソリウッドも乾燥済みの板を仕入れて製作をしていますが、一部商品に使用している板は製材された未乾燥の板を仕入れて、自前の木材乾燥庫で乾燥をしています。

大規模の家具工場であれば、自前の木材乾燥庫を持っている所もあります。が、ソリウッドの規模で自前の木材乾燥庫を持っている家具工房は少ないです。大規模工場でも維持費などの面から木材乾燥庫を撤去するケースも増えているようです。

木材は乾燥をさせないと使い物になりません。製材されたばかりの板は多くの水分を含んでいます。水分ですので、当然乾いていきます。乾いていく過程で、木材は縮んで動きます。均一に縮んでいくなら問題ありませんが、自然のものなのでそうはいきません。縮むとこ縮まないとこがあり、その影響で板は反ったり割れたりします。なので、乾燥していない木材を使用して家具を製作すると後々反ったり、割れたりということが必ずおきます。

そうならないために使用前にしっかりと乾燥させておく必要があるのです。ただ、乾燥をさせても完全には動きを止めることができません。完全に水分を抜くことは不可能なので、少しはその影響を受けます。でも、乾燥をしていない木に比べたらその影響は微々たるものです。

特に家具は室内で使用されます。最近は住宅の機密性が高くなり、乾燥具合も昔に比べると進んでいます。なので、家具用材は特に乾燥をしっかりとしないといけないのです。

木を活用する上で乾燥は非常に重要な行程ですが、一筋縄ではいかない難しさがあります。人間が思い描いているようにうまく乾燥はしてくれません。当然、反ったり、割れたりします。そうならないために事前に乾燥させているわけですから当たり前です。

ソリウッドで運用している木材乾燥庫は低温でじっくりと乾燥させるタイプのものです。木材乾燥庫にも色々な種類があります。大規模な木材乾燥庫は高温で短時間で乾燥させるものが多いです。規模の大きい材木屋さんでは絶えず乾燥をさせているので短時間で乾かす必要があります。でも、ソリウッドでは自分たちで製作する分の板を乾燥させる程度ですので、ある程度時間がかかっても平気なわけです。それでいて、天然乾燥をさせるよりは時間も短縮できて、確実に乾かすことができるのです。


一般的に木材乾燥は庫内の温度が高くなればなるほど乾燥にかかる時間は短くなります。ただ、その分木材に対するダメージを大きい言います。ちゃんとした科学的なデータはないですが、色も本来持っているものを失いやすいと言われています。強度も弱くなると言う人もいます。

ソリウッドでは中温型と呼ばれる木材乾燥庫を使用していた時期もありました。その乾燥庫に比べると今の低温型乾燥庫で乾燥させた板の方がなんとなく自然に見える感じがします。あくまでも個人的なイメージですが。中温型の乾燥庫でも乾燥終わりには少し焦げたような匂いがすることがありました。低温型ではそのような匂いは一切しないです。そのことからも木材の質を下げたりということは低温型ではなさそうです。

板が乾燥したかどうかは水分計を使って計測します。

このような水分計を表面に当てると含水率を計測することができます。製材されたばかりの板は含水率が50%を超えます。室内の家具用として使うなら含水率は10%以下まで下げた方が良いです。計測する場所で多少のばらつきがあるので、なるべく多くの点で計測して平均が10%以下になるようにしています。一箇所だけ極端に含水率が多いという場合がたまにあります。そうした場合でも高い部分が10%前後になるまで乾燥庫に入れておきます。

このようにして木材は乾燥させてから使用します。

続く

 

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