2019.04.02

【No.2580】無垢材テーブルができるまで。その1

我々が製作販売している無垢材テーブルは完成するまでに時間がかかっています。まずは木が成長する時間があります。ものによっては100年以上の月日をかけて成長した木もあります。太い木になれば数百年経っている木もあるでしょう。日本での林業は衰退傾向にあり、今後もどんどん縮小傾向にあると思います。よく考えれば、それは当然のことですよね。例えば今から林業を始めようという人がいて、木を育てたいと考えて、植えたとしてもそれの木をお金に換えることができるのは早くても20年くらいかかるのです。成長の遅い広葉樹の場合はもっと時間がかかります。価値が高くなる太い木になるまで成長されてお金に換える計画を立てたとしても、ビジネスとして成り立たないのは明確ですよね。そんな計画ではどこもお金を貸してくれませんし、出資もしてくれないでしょう。

時間をかけて成長した木も倒さないと始まりません。昔は斧で伐倒していましたが、今はチェンソーで伐倒するのが通常です。クレーン車のような車両で伐倒ができるマシンも開発されているようですが、現段階ではチェンソーによって人と手で1本1本伐倒しています。私自身は木を伐倒する現場を見たことがないのですが、危険で大変な作業です。もしかしたら今年の冬に伐倒現場を見学することができるかもしれないのですが…

倒した木を運び出すのも大変です。日本は伐倒現場が山であることが多いので、余計に大変な作業です。昔は、馬が丸太を引っ張っていたりしましたが、今は様々な重機を使ってトラックに積んで運びだしているようです。日本では、”簡単に木が運出せる場所にある大木はもうほとんど残っていない”という話も聞きます。それはそうですよね、わざわざ運び出すのが大変な場所から木を切ることはしないですよね。運び出しが簡単な木から切りますよね。ということで、今後はますます林業という仕事が大変になって、儲からない仕事になってしまいます。

切り出された木は適当な長さに切って、枝が落とされた状態で材木市場に並びます。材木市場に並んでいる木を丸太と呼びますね。材木市場によっては製材された板が並ぶこともありますが、まずは丸太の状態で取引されます。土場と呼ばれる場所に所狭しと丸太が並んでいる様子は圧巻です。材木市場に行くとまだまだ丸太がたくさんあるように感じますが、昔と比べると数は明らかに減っているそうです。

ソリウッドでは丸太を仕入れて製材することはほとんどしていません。昔は丸太を仕入れている時期がありましたが、いろいろなことを考えると製材された板を仕入れる方がリスクは少なくていいです。ただ、木材乾燥庫があるので製材した板を人工乾燥までできるメリットはあるので、機会があればまた丸太を仕入れることもしたいです。

材木市場で取引された丸太は製材工場へと運ばれます。製材所もどんどんと数が減っているそうです。特に太い広葉樹材を挽くことができる製材所が少なく、そうした製材所は仕事がたくさんあって予定を抑えるのが大変と聞きます。製材所の数が少なくなって、残っている製材所に仕事が集中している現場です。ソリウッドも元々は製材所を営んでいました。私の祖父の代までは吉祥寺に製材所がありました。父の代で無垢材家具屋へと転身したわけです。私が生まれた時には製材所としての機能も残っていなかったのですが、製材機を転用したモニュメントは見たことがあります。

製材所では丸太を指定した厚さで製材していきます。厚みは色々とありますが、27mm、34mm、45mm、60mmが一般的な厚みです。ただ、自分で仕入れた丸太を製材する場合は細かく指定することも可能です。同じ丸太から厚みの違う板を製材することも可能です。細かく厚みを指定することができるのは丸太を仕入れて製材する場合のメリットの一つです。製材された板を仕入れる場合はすでにその厚みで製材されてしまっているので、無駄を多くしてしまう場合もあります。

この続きはまた次回に。

 

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