2013.11.29

耳つきテーブルができるまで-検寸・養生

先日、材木市場で購入してきた板が相模湖工房に届きました。

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耳つきはぎテーブルを製作するための板です。今日はこの板が耳つきテーブルになるまでのプロセスの初期の様子をお伝えします。

まずは、ナンバリング。

樹種、購入年度、個別番号、購入担当者が分かるような番号を付けていきます。

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懐かしのDYMO(ダイモ)テープを使用しています。テープ自体にある程度の強度があるので、破けにくいので採用しています。一つ一つ打っていくのが多少面倒ではありますが、他に良策がないので仕方ありません。

31は樹種番号、トチを表しています。他の樹種にも番号が振り分けられていて、我々がこれを見れば樹種が分かるようになっています。

13は買った年を表しています。2013年の13から取っています。使用するのが何年も先になることもある無垢材ですので、購入時期がすぐに分かると乾燥具合が推測できます。そのために購入時期がある程度わかるようにしています。

20は個別番号です。一年でまた0に戻ります。主に1枚1枚を区別するために付けている数字ですが、購入量を量る数字にもなります。

Zは購入担当者を表しています。私の名前から一文字取っています。今のところほとんどZですが、仕入れ担当者が増えれば、いろいろなアルファベットが増えるはずです。これは、仕入れ者が分かる事でどんな事を考えて購入したかがあとから追えるようにしたかったからです。まあ、何年も経つと購入時の事なんて忘れてしまいますが…

次に検寸と写真撮影。

長さ、幅、厚みを計測して記録しておきます。木表、木裏の端、真ん中、端の幅を測ります。さらに、木表、木裏の写真をそれぞれ撮ります。節や割れがあった場合はその箇所のアップ写真を撮ります。板の状態があとから分かるようにしておくためです。記録した数値と写真は板整理カードというのを作成してわかるようにしておきます。

板は乾燥させるために桟積みという方法で置いておきます。そうすると下になった面の様子を伺うことが困難になります。いちいち山を崩さなくても板の様子がわかるように1枚1枚面倒でも写真を撮っておくことにしています。お客様からオーダーの依頼があった時やショールームに展示する天板を製作する時にこの板整理カードをペラペラめくって、要望に合う板や使う板を探します。

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ついでに含水率を計っておきます。無垢材を使う時に、板の乾燥具合は非常に大きな意味を持ちます。購入してくる耳つき板は未乾燥のものがほとんど。現状を把握しておくために欠かすことの出来ない作業です。

そのあとに、樹皮を剥がします。樹皮をつけたまま長期間置いておくと樹皮の裏側を虫に喰われます。虫が喰った痕も面白いテクスチャーですが、全面喰われるとちょっとやられすぎ感がでてきます。そうならないために樹皮はすぐに剥がすのが安全策です。

また、既に木口から割れが入っている場合は、カスガイを打ったり、割れの先に穴を開けておくなどのこれ以上割れが拡がらないようにするための処置をしておきます。乾燥時の割れを防ぐ割れ防止剤を塗る場合もあります。

こうして、なるべくベストな状態で乾燥が終わるように板を養生しておきます。

瑞木@相模湖

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