2014.08.01

おもしろ板ハンター。誰も欲しがらない板をどう活用するかが大事。

“おもしろい板は自分の脚で探し出すしかない。材木屋さんに電話してすぐに見つかることはほとんどない。”

このブログをよく読んで下さっている方にはお馴染みである”家族みんなのデスク”の新作が出来上がりました。サイズが様々な7台が完成しましたが、今回の天板はかなり個性的でハッキリ言って自信作が多いです。
今日はその7台のうちのいくつかをピックアップして紹介します。

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7作の中で1番個性的なのがコレ。この天板、一見するとなんの木なのか分からないかもしれません。この天板はトチ材です。皆さんの知っているトチ材の印象とは違うかもしれませんが、これもちゃんとしたトチ材です。トチは木目の個体差が激しく、丸太の内側か外側かでも木目は全然違ったりします。この天板の元板がこちらです。

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どんな形をしていた樹なんでしょうか?丸太の状態を見てみたかったです。残念ながら、僕と出会った時には既にこの状態でした。曲がって成長した木でこの部分は枝分かれしている箇所かなと思います。腐朽菌という菌に侵されている痕があるので、枝が折れてその部分に水が溜まって腐朽菌が繁殖したと考えられます。

最大幅が850ミリ近くあるので、かなり太く成長した木でしょう。でもこの部分はこの形ですし、節や腐れ・腐朽菌と欠点だらけです。でもこういう板は、仕上げるととても面白い柄になるんですね。これは材木市場で仕入れた板です。下見の段階で購入を決意しました。”この板は必ず面白いものに仕上がるはずだ”と。こういう板を欲しがる人はほとんどいないので、高い値がつく訳でもありません。僕が通っている材木市場には、いろいろな業種の人が来ています。が、多くは材木屋さんです。基本的に材木屋さんは売りやすい板を仕入れるように動きます。こういう欠点があって変な形の板は欲しがる人も少ないので、材木屋さんは売りにくい板と判断します。でも、僕らはこの板の仕上げ方や仕上がった時のイメージが湧きます。なので買いな板と判断する事ができます。

案の定、よい感じに仕上がりました。
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この模様はなかなか出ませんよ。

続いてはこの板。
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成長時に樹皮を巻き込んで成長した部分が長く入っています。鉄砲虫に喰われた痕もあります。色も一様でなくあまり綺麗に見えません。大きさもちょっと中途半端で、形もイマイチです。。この板も材木屋さんではちょっと売りにくい板でしょう。これが……

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どうですか?イイ感じに仕上がったと思います。これはミズメという木です。オレンジ色っぽい色が綺麗な木です。

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入り皮部分も合成樹脂を入れて、意匠的な意味合いも含めてチギリを入れておきました。こうすれば、使用上問題になることはほとんどありません。

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もう一つミズメの天板です。おそらくさきほどのミズメと同じ丸太から採られた板でしょう。こちらは幾分落ち着いていて綺麗な模様が見られます。これの元板は……

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これも形が少し使いにくい形をしています。けれども”家族みんなのデスク”のように片側をストレートにカットしてしまえば、変な形ではなくなります。デスク製作はこのような変形な板を有効利用する方法にもなります。

今回製作した分で、在庫してあった面白い板は結構使ってしまいました。秋から冬にかけて新物の板が市場に出回る頃にまたおもしろ板探しに出掛けていきます。

紹介したデスクの詳細(サイズや価格など)は、近いうちにブログエントリーで書くことになると思います。

瑞木@相模湖

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