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家具屋で働く双子のブログ
無垢家具を注文する際にタモとナラで悩んだら
無垢材のテーブルには興味があるけど、「どの樹種を選べば良いか?」ということはよくある悩みとして聞きます。
先日は「ウォールナット材」と「チェリー材」の違いについて書きました。今日はその第2弾ともいえる「タモ材」と「ナラ材」の違いをテーマにします。
「ウォールナット材」と「チェリー材」は見た目の色味が違うので、違いがわかりやすいともいえます。ですが、「タモ材」と「ナラ材」はひと目みただけでは区別が難しいということがあります。そのため、一般の方には見極めるのは困難です。どちらもナチュラル系の代表として無垢材家具にはよく使われる材ですが、選択肢としてだされると、選ぶ際の違いや基準もわかりにくいかもしれません。
まずは、見た目をみてみましょう。
上の2枚の写真はどちらかがナラ材の天板、もう片方がタモの天板ですが、皆様は識別出来ますか?
答えは上がナラ材、下がタモ材です。
ただし、ひと目みただけではなかなか区別つかないと思います。この2つの樹種は構造的にも似ています。木には、養分や水分を吸い上げる管がありますが、その管が年輪に沿って規則正しく並んでいるものを環孔材といいます。ナラとタモは2つとも環孔材です。
色を比べると、タモ材のほうが比較的明るく、ナラ材のほうが落ち着いた薄茶色といったところです。
木目はどちらも山型の木目がでます。私が日頃お客様には「タモのほうがはっきりとした木目で、ナラのほうが木目がすこしぼやけてみえる」と伝えています。
このように見た目の違いはわずかではありますが、自然なものなので中には、上のような違いでは区別がつかない場合もあります。そこで、決定的な違いの見分け方をお教えします。
まずはこちらの写真を見てください。
こちらの天板の写真をよく見てみると、いたるところに虎の模様のような斑があることがわかると思います。これは「虎斑」といわれるナラ材の柾目材に現れる特徴的な木目です。柾目とは、丸太を製材する方法のひとつです。多くの場合、板目挽きをします。板目挽きは丸太の中心がすらして製材するやり方です。この方法で製材された板は板目材といわれ、最初に提示した天板の写真のように山型の木目が現れます。一方、柾目は丸太の中心に向かって製材機の刃をいれる方法です。この方法で製材されて板は柾目材といわれ、山型ではなく線のような木目が現れます。
ナラ材の柾目材はさきほどの写真のように虎斑が現れます。タモ材の柾目材にはそのような木目はありません。下の写真は木工教室の生徒さんが作成した米びつですが、これに使用されているのがタモ材の柾目です。
さきほどのナラ材の柾目のような虎斑模様がありません。
では、ナラ材とタモ材の決定的な違いの話に戻りますが、柾目の場合は虎斑が判断の決め手になることはわかって頂けたと思います。では、板目の場合はどうなのか?
実はここを虎斑が見分けるポイントになります。虎斑は通常の木目を遮るようにでますので、板目挽きすると木目とは違う細かい線がでます。写真ではなかなか判断できませんが、実際のナラ材をよーく見てみると薄い茶色の線がでているのがわかります。これも見え方が違いますが、ナラ材の特徴である虎斑なんです。
なかなか一般の人はタモ材とナラ材を見極める必要がある場面はないと思います。ですので、これまで書いたことは参考知識として頭の片隅に入れておく程度で問題ありません。
その他のタモ材とナラ材の違いについては、価格が挙げられます。タモ材とナラ材を比較すると金額的にはナラ材のほうが値段は高いです。一例を挙げると、タモ材のW1500×D800 t=28(mm)のテーブルは、164,160円、ナラ材の場合同じサイズですと、174,960円となり、その差はおよそ1万円になります。先ほど、2つの材は古くから家具に使われているため、それなりの流通量がある材でしたが、最近では価格的には上昇傾向にあります(テーブルの価格は2015年1月現在のもの)
。
ソリウッドでもこの2つの樹種は定番の木として扱っています。ダイニングテーブルをはじめ、テレビボードや本棚といった棚類も製作しています。いずれもオーダーを受けてから製作しますので、サイズオーダーが可能です。
詳細はそれぞれの個別ページでご確認ください。
無垢タモ材ダイニングテーブル
無垢ナラ材ダイニングテーブル
無垢ナラ材ダイニングテーブル
最後に選ぶコツですが、材の強さについては両者とも硬さがあり、頑丈な家具が作れます。ですので最終的な判断は、醸し出す雰囲気のわずかな違いと予算で決めて頂くのがよいと考えます。
賢木@吉祥寺
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