2013.11.27

未来の木のチカラ

セルロース、リグニン、ヘミセルロースって聞いたことありますか?

お肉の名前のようですが、実はこれ木を構成する主な成分です。これらの成分が組みあわされ木の細胞壁が形成されているようです。この細胞壁はよく鉄筋コンクリートに例えられます。セルロースが鉄筋で、鉄筋を留める針金がヘミセルロース、そしてリグニンがコンクリートの役割を担っています。私も木に関する科学分野については、興味はあるものの専門知識があるわけではありません。今日は木の構造についての話ではなく、セルロースやリグニンを利用した新しい技術の話をしたいと思います。

今日のブログを書くきっかけになった本があります。

生物とコラボする

岩波ジュニア新書から発行されている工藤律子著「生物とコラボする バイオプラスチックの未来」です。この本は「デンプンからプラスチックをつくる」研究をしている父親をもつ著者が植物や生物などの自然物からプラスチックをつくるエコサイクルの研究現場を取材してまとめたものです。

その中に樹木とのコラボレーションを研究している二人の科学者の研究事例が紹介されています。ひとつは、三重大学で木の構成成分であるリグリンに注目して、持続的で循環型のネットワーク社会の実現を目指している船岡教授の研究で、もう1つは、京都大学生存圏研究所の矢野裕之さんが行う同じく木の構成成分であるセルロースを使った透明プラスチックの開発です。

この2つは、いわゆるナノテクノロジーの最先端研究の事例ですが、今後さらに活発になる分野だと感じます。日頃、木材を加工して家具を製作していますが、どうしても材木の余りがでてしまいます。多くの家具工房では、家具製作ででた端材を使ってカトラリーや小物を製作することでなるべく無駄をださないような努力をしています。ソリウッドでもインテリアや観賞用の木片として「癒しの木片」を製品化し販売しています。

ですが、船岡先生や矢野先生が取り組んでいるような循環型の素材利用ができるようになると、端材も新たな利用方法が確立される可能性があります。例えば、木片から取り出されたセルロースナノファイバーからプラスチック素材を作り出し、有機ELディスプレイなどの全く違った製品が登場するなどが考えれます。

なんだか信じがたい話ではありますが、近い将来、そういった事例が必ず生まれてくるでしょう。これまでとは違った「木のチカラ」を目にする日も近いのではないでしょうか?

賢木@吉祥寺

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