2013.10.23

無垢材テーブルに未来はあるのか?

素材は進化する!

突然ですが、身の周りにある道具に使われる素材が、技術進歩によって変わっていくというのはよくあることです。新しい素材が使われることで、これまで使われていた素材が徐々に姿を消すこともありますし、新たな素材は開発され様々な素材で作られるようになっても、用途や特性によって素材を選ぶことができるものもあります。

身近な物で例示を挙げてみると、前者はゴルフクラブ、後者は、主に競技で使われ、最近では一般ユーザにも人気があるロードバイクが挙げられます。

ゴルフクラブも昔は木製だった

私の親世代の方には、当たり前のことかもしれませんが、長い間、ゴルフクラブは木で作られていました。もしかすると、今の10代の人見たことはないのは当然で、木のゴルフクラブが存在していたことも知らない人がいるかもしれません。

ゴルフクラブ、特にドライバーに使われる素材の変遷を簡単にみていきます。ゴルフのドライバーは、別名「WOOD(ウッド)」ともいわれます。これは、昔はヘッド(ボールを打つ部分)にパーシモンという木材が使われていたことに由来します。パーシモンは、樹種の名前では日本語でいうと柿になります。日本にも柿の木は多く存在しますが、ゴルフドライバーに使われていたのは、北米産の柿の木が大半のようです。

パーシモン材は、重厚で強靭、さらには緻密という材の性質があります。塗装などで仕上げると綺麗になるためゴルフクラブには最適な材といえます。1970年代になると、金属製のゴルフドライバーが登場し、効率のよく生産が可能なことと、飛距離が出るなどの機能面での進化も加わり、木製ドライバーは衰退の一途をたどります。金属ドライバーが出てきても、プロツアーでもパーシモンのドライバーを好んで使う選手はいたそうですが、1985年頃には姿を見なくなったようです。私も小さい頃に、家にパーシモンのドライバーがあった記憶がありますが、残念ながら実際に打ったことはありません。

金属ドライバーはさらに変化し、現在ではチタンが使われることが多くなりました。チタンは、鉄やアルミに比べると、軽く、強い板材にすることができ、形状や構造にも自由度が生まれます。パーシモン材が使われていた頃のドライバーのヘッドは200ccぐらいでしたが、現在のチタンドライバーは400ccと倍の大きさになっています。さらに、単一素材から複合素材で製作されるようになり、遠く飛ばす機能はさらに追求され続けています。

ロードバイクのフレームは3つの素材が主要

つぎにロードバイクのフレーム(本体部分)の例をみていきます。ロードバイクの素材は、主にクロモリと呼ばれるクロムモリブデン鋼、アルミ、カーボンの3つが主要なフレーム素材になります。

クロモリは、3つの中では一番古くから使われている素材です。曲げやねじれに対して強く、しなやかさを持つ素材です。デメリットは、重いということになります。

アルミは、最もポピュラーな素材で、硬い素材です。後にのべるカーボンに比べ、価格が安いので広く普及しています。

カーボンは、軽く振動を吸収する力が強く、現状では一番高いスペックといえる素材です。加工性もよいので、メーカーによってデザインの特徴もでてくる素材です。世界のトップレースでは当たり前のように使われますが、高価な素材なので一般的には高級とされます。

3つの素材が登場した順番は、クロモリ→アルミ→カーボンになります。

では、なぜロードバイクの場合、ゴルフのドライバーのように新たな素材が従来のものにとって変わるようなことがないのでしょうか?

それは、利用者のニーズに対して、それぞれの素材の善し悪しがわかれるからだと考えます。例えば、カーボンフレームのロードバイクは、クロモリ製に比べて、各部位が太い印象があります。これは強度を保つため、ある程度の材料の太さが必要なためです。ですので、軽さより見た目を重視しクロモリ製のフレームを選ぶ人も多いです。逆にレースなどで使用するには、カーボンの軽いフレームが適材といえます。

ここまで、素材の進化をゴルフドライバーとロードバイクの例にとってみてきました。では、ソリウッドの主力商品である無垢材ダイニングテーブルはどうでしょうか?

現状では、木の他にもガラスやプラスチック樹脂や人工大理石といった様々な素材が、それぞれの用途や特性によって選ばれています。その点では、ロードバイクのフレームと同じかなと思います。では、今後はどうなっていくのでしょうか?

ゴルフクラブのように、性能に優れた金属がでてくることは考えられます。その場合、軽さや丈夫さが新素材の売りになるでしょう。それでは、テーブルにおける木もパーシモンのように、消えゆく素材となってしまうのでしょうか?

私は、現状ではそうは思いません。無垢材の場合は、丈夫さに加えて、質感や木目のキレイさといった特徴が新素材に比べ優れている点だと思います。ダイニングテーブルは、生活の中心であり、家族の憩いの場でもあるので、上記のような特徴が適材だと考えられるからです。

では、どんな素材がでてくると、テーブル素材としての木がピンチになるでしょうか?

あらかじめ言っておくと、このあたりの分野に詳しくないので、私個人の妄想に近い話になります。

伸縮可能な重厚素材

木の良さとして堅さがありますが、その反面ある程度の面積を占有することになります。4人掛けの標準的なテーブルのサイズはW1350から1500程度になりますが、来客があったときなどはもう少し大きなテーブルがあるといいなと思うこともあると思います。実際、そのような要望は多く、伸縮式のテーブルもあります。ただし、現状では、金具を使って伸縮させることが大半です。無垢材の場合は、重量があるので頻繁に伸縮させるとまず金具がだめになってしまう欠点もあります。そのため、素材自体が伸縮し、さらに堅い素材があればテーブルの新素材として人気がでると思います。

新たな質感の素材

先ほど触った感覚などの質感が木のメリットと書きましたが、これを上回る質感をもった素材が開発されると、木にとってかわる素材になる可能性があります。例えば肌のような質感や羽毛布団のような柔らか肌触りなのに、ものすごく硬い素材が開発されると、木材の強力なライバルになるでしょう。

こういった新素材が近い将来出てくるかはわかりませんが、最終的には自然素材VS最新テクノロジーということになるでしょう。

個人的には、技術の発達でどんなに便利になろうと、肌触りに優れたものがでてこようと、古くから人間とともに暮らしてきた自然素材が日々の生活の中で生じるストレスや疲れをいやしてくれる精神的な拠り所でありつづけて欲しいと考えます。

賢木@吉祥寺

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