2016.04.13

無垢材テーブルには反り止めの工夫が必要不可欠【No.1522】

「反り止め」について質問を受けたので、ブログにも書いておこうと思います。反りについては皆さん不安に思っていることがあると思います。まず、反り止めについて基本的なことを書いた後、これまでに受けた質問に答えるかたちで書いていきます。

無垢材は、木部の中には水分が含まれています。木は周辺の環境に合わせて、水分の放出と吸収を繰り返します。水分が木部から抜ければ、その木部部分が縮みます。反対に水分を吸収すれば木部は膨らみます。この収縮をする際に木材が反る可能性があります。これはどの木材にも共通していることであり、木の構造上の特徴となります。家具を作る際には、事前によく乾燥させて、通常使用する際に反りが起きにくくする必要があります。ですが、大前提として「無垢材であれば、絶対に反らない材はない」ということがあります。ですので、十分に乾燥させた材であっても、季節の変わり目などには、どうしても収縮が起きます。その際に、反らないようにするため「反り止め」の工夫をしておく必要があります。

ソリウッドでも、「反り止め」については長い間研究を続け、その対策を色々講じてきました。試行錯誤を繰り返す中で、テーブル天板の裏側に溝を掘り、そこに金属坂を折り曲げたものを取り付ける方法に行き着きました。金属製の反り止めは、天板の厚みによってL字型やコの字型などを使い分けています。

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こちらがL字型の金属製反り止めになります。天板裏にこうして補強してあげることで、収縮が起きた際に狂いを少なくさせる効果をもたらします。ソリウッドではこのような反り対策をしていますが、これは絶対こうであるべきというものが決まっているわけではありません。そのため、無垢材を扱っている家具工房やメーカーによって反り対策は異なってきます。その裏側には、木材に対するスタンスや考え方、家具のデザインなどが複雑に絡みあっていることがあります。無垢材テーブルを検討する際には、反り対策がどのようになっているかなどもチェックする必要があります。気になる場合は、各家具屋さんに直接聞いてみることをオススメします。

ソリウッドの店頭でも反り止めについて質問を受けることもあります。これまで受けた中で、よくある質問と答えをまとめてみます。

「反り止めは、なぜ木製じゃなく、金属製なのですか?」

もちろん「反り止め」は木材で作り、それを天板裏に付けることも可能です。ですが、その場合、幅60mm、厚み50〜60mm程度の木片を付けなくては反り止めとしてはあまり効果がでません。天板裏にこのような突起があると、肘掛けなどがついている椅子をしまう際に邪魔なってしまうことがあります。ソリウッドでは、通常は先述した金属製のものを使用していますが、天板の幅広くて、大きいテーブル天板の場合は木製の反り止めをつけることもあります。

「反り止めをよくみると、溝との間に隙間があいていますが、問題ないのですか?」

細かいところですが、実はこの隙間にもきちんとして意味があり、意図的に隙間をあけています。溝にびっちりと反り止めをつけてしまうと、木が伸縮した場合に反り止めにあたってきます。それでも、木が収縮するとかえって反りにつながったり、無理な力がかかり天板が割れてしまう恐れがあります。これを防ぐためにわざと、金属製の反り止めと天板の溝には隙間をあけているわけです。これは反り止めだけでなく、天板と脚をつけるために使う金属製プレートでも同じことがいえます。

「せっかくの無垢材なので、テーブルになるべく木材以外の素材を使って欲しくないのですが、可能ですか?」

基本的には、天板裏に金属製の反り止めと脚をつけるための金属製プレートを使わせて頂いています。これは、見た目の問題だけでなくテーブルの構造や機能面でも優れた点があります。金属製のプレートを使用しないとなれば、天板の下四方に幕板をつける必要があります。そうなると、肘掛けの椅子が天板の下に納まらないなど不都合が生じます。現状では、今のやり方がベストと考えていますので、ご理解頂ければと思います。

賢木@吉祥寺

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