2018.10.01

木をそのまま使う無垢材家具は板の乾燥が重要です。【No.2423】

昨日は台風の影響でとてつもない強風が吹きました。今までにあまり経験したことがないくらいの強風だったと思います。もちろん、家の中にいて外にいたわけではないですが、吹き付ける雨音や風の音がすごかったです。音で眠れなかった人も多いのではないかと思います。ソリウッド相模湖工房がある相模原市緑区は停電になった地域もあるようですが、幸い工房のあるエリアは停電にはなっていないようでした。結構な風が吹いたので、どこか壊れていないか心配しながら出勤しましたが、大きな損傷はなかったのでホッとしました。ただ、敷地内に積んでいた板がお隣さんの敷地の方へ倒れていました。何もない場所だったので、板が倒れただけで済みました。でも、板が倒れて何かを傷つけてしまったり、板が飛ぶことも考えておかなければいけませんね。次は台風の時はお隣さんの敷地に倒れないような場所に板を移動させておく必要があるかもしれません。

あとは小枝や葉っぱの散乱がとても多く、道に覆いかぶさっているところもあります。掃除が追いつかない場所は車の走行も注意しなければいけませんね。集荷に来た運送会社のドライバーさん情報によると、倒木によって通れない場所が数カ所あったとのことでした。

ソリウッドでは無垢材というジャンルの木材を使用しています。無垢材とは”木をそのまま使う””本物の木”とかそんな感じです。えっ、それって普通のことじゃないの?と思うかもしれませんが、木製家具といわれるものでも無垢材を使用していないものは多いです。むしろ無垢材を使っていない家具の方が多いです。そういった家具は木質素材という素材を使用しています。分かりやすいのは合板ですね。でも、合板に使われているのも木なので”無垢材=本物の木”という表現は厳密には成り立たないですね。ベニヤ合板は薄い板を貼り重ねています。貼り重ねる時に繊維方向を交互にするので反りにくいという性質があります。無垢材の特性の一つが反るというのがあります。反ると色々と不都合があるので反らない方がいいのです。そこで考えられたのがベニヤ板です。反りを少なくするために繊維方向を交互に貼り合わせています。ですが、完全に反りを防ぐことはできません。

ということでもっと反りが出にくい素材として開発されたのがMDFやパーティカルボードといった素材です。これは木を粉々したものをまとめて板状にしたものです。その上にツキ板という薄い板を貼れば板に見えるものができます。粉々にした木を使うのでもはや木の特質である”反る”は一切関係なくなっています。

木を無垢材と使用する場合はその特質である”反り”をいかに少なくするかがキーになります。”反り”を少なくするためにはまず乾燥が一番重要です。木はもともと大量の水分を含んでいます。木は伐倒されて製材されると同時に水分が抜けていきます。水分が抜けると木が変形します。これはなんとなく理解できますよね。干しぶどうなんて水分が抜けてシワシワになっています。推測ではありますが、元の形からはだいぶ小さくなっているはずです。変形もしています。板も同じで水分が抜ければ体積が減って変形します。それが反りとなるわけです。割れも同様です。

181002_1.jpg

そのため乾燥してない板はいずれ反ったり割れたりします。だから木は必ず乾燥させてから使う必要があるわけです。板の感想は材木屋さんが行うケースが多いです。外国産の木材は現地で乾燥させてあることが多いです。ソリウッドでは乾燥済みの板を仕入れる場合もありますし、未乾燥の板を仕入れて自前の木材乾燥庫で乾燥させて使用することもあります。自前の木材乾燥庫を持っている家具製作工房は珍しいかもしれません。普通は乾燥済みの板を仕入れるか天然乾燥オンリーかです。規模の大きな工場では自前の木材乾燥庫も珍しくないですが、維持費がかかるためその数は減っていると聞いています。

ソリウッドの木材乾燥庫は遠赤外線の効果で木材を乾燥させるタイプのものです。遠赤外線を放出するパネルを木製の小屋の中に吊り下げています。単純な構造な上、維持費を少なく、小さい家具工房にはぴったりの木材乾燥庫です。木材を乾燥させると木のことをより深く知ることにもなります。

180128_profil.jpg

お問い合わせContact

TEL:0422-21-8487
〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町2-28-3 2F
(営業時間: 12:30〜18:00/定休日:火・水曜日)
お問い合わせフォーム
Facebook Twitter Instagram Pinterest