2018.09.16

無垢材テーブルの接ぎ枚数について【No.2408】

先日、ご来店頂いた方から「はぎって何ですか?という質問を受けました。ソリウッドでは、展示している耳つき板には「⚪︎⚪︎材2枚はぎ」「⚪︎⚪︎材はぎテーブル」といった表示が価格表にされています。さきほどの質問はそれをみて疑問に思ったからだと思います。ショップ内の掲示物では「はぎ」とひらがなでの表記をしていますが、感じで書くと「接ぎ」となります。これは板を接ぎ合わせるからきています。無垢材テーブルを製作する際に、1枚の板のみで製作する場合は、接ぎ合わせるという工程は出てきませんが、世の中に流通している材木の中で、850〜900の奥行きが1枚でとれる板とういのは、ごくわずかです。そのため、1枚板のダイニングテーブルは板としての価値も高く、テーブルの値段も最低でも50万円くらいからといった価格帯になります。1枚の板でテーブルが製作できればそれにこしたことはありませんが、現実では価格も含め、複数の板を接ぎあわせるのが一般的です。無垢材テーブルの場合、基本的には長さ方向は1枚で長さ方向に継ぐことはあまりありません。そこがホームセンターなどでも入手できる「集成材」との違いになります。「集成材」の場合は長さ方向も接着させていますが、通常無垢材は幅方向(短辺方向)のみ板を接着することが多いです。このはぎ合わせから「はぎ」という言葉できていますが、「2枚はぎ」とは2枚の板をはぎ合わせて一つの天板にしている、「5枚はぎ」というのは、5枚の板から1枚の天板を作っているということになります。

 

「はぎ」ということはどういうことかわかって頂けたかと思いますが、ではどうやって接ぎあわせるのかをみていきます。基本的に接ぐとは接着するということになります。工程的にははぎ合わせる板の接ぐ面をまっすぐにカットします。カットした接ぎ面に接着剤をしっかりと塗り、板を合わせハタガネという道具を使ってきつく締めます。ストレートにカットしているテーブルであれば、油圧式の接ぎ機を使ってしっかりと接着をさせます。接ぎには接着剤も重要な要素になります。ソリウッドで使っているものは、水性高分子イソシアート系と呼ばれる接着剤です。これは接着力が強く、しっかりと接着させれば木部と同等の結合がされるとされています。ダイニングテーブルを製作する上で、接ぎ面の接着は非常に重要で接着力が弱いと使っているうちに接ぎ面がとれてしまうという恐れがあります。木工で使われる接着剤として一般的なものは木工用ボンドがあります。これは酢酸ビニル樹脂エマルジョンタイプと呼ばれるもので、接着力は水性高分子イソシアート系と比べると劣るものになります。接ぎ面がとれることは避けなければいけないので、コストはかかりますが、強度の強いものも使うようにしています。

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実際に板を接いでいるところです。

 

「はぎ」枚数は、価格にも影響していきます。基本的には、無垢材の板は、巾が広い板のほうが高くなります。先述したように1枚板は板の価値も高いですが、価格もその分、高くなります。2枚はぎより4枚はぎのほうが価格的には下がる傾向にありますが、樹種によっても価格は変わってくるので、ウォールナット材の4枚はぎテーブルとクルミ材の2枚はぎテーブルを比べて、ウォールナット材4枚はぎのほうが高いということはなくもないです。

 

最後に強度について書きますが、複数の板を接いであるからといって強度的に問題があるということはありません。先述したように、接着剤の強度による部分が大きく、強度的にはぎ枚数が関わることはありません。複数の板が接いである天板を検討していて心配があるときは、その店のスタッフに使っている接着剤について問い合わせてみるのもよいかもしれません。酢酸ビニルという回答が返ってきた場合はアフターメンテナンスや接ぎ面が切れる可能性についても確認しておいたほうが良いです。

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