2018.04.17

木材には色が薄い”白太”という部分があります。【No.2256】

昨日のブログでは白太が入っているウォールナット材のストレートカットテーブルを紹介しました。白太と書いて”しらた”と読みます。白という字が入っているので白っぽい部分というイメージがありますが、必ずしも白っぽい訳ではありません。ただ、色が薄い部分というのは間違いないです。ウォールナット材の場合は濃い色の部分と比較すると薄い色の部分が目立ちますね。

おおよそどんな木にも白太があります。白太は樹皮に近い部分で木が立っている時に水分や養分を伝える部分になります。木が成長をするために働くのが白太の部分です。また新たに新しい白太の部分ができてくると内側に入ってきた白太の部分は、役割を樹体維持へと変化させます。その過程で何らかの化学変化が起こり色が濃くなると共に硬さも出てきます。中心に近い色が濃い部分を赤太(あかた)と呼びます。心材(しんざい)とも言います。赤太は赤という字が入っていますが、赤い訳ではありません。ウォールナット材の色が濃い部分も赤太と呼びます。材木業界では赤=色が濃い部分ということになっています。「赤が張っていて良い材だ」とか「白が多いなあ」といったように使います。

白太のことを辺材とも言います。辺材の対義語として心材があります。辺材は字が表す通りに周辺部になります。心材は木の中心に近い部分です。辺材は水分や養分の伝達を行う部分で、心材は樹体維持を担う部分であります。その役割で分かるように心材の方が辺材よりも硬くなっています。そのため材料としては心材の方が硬くて使いやすくなります。心材は樹種によっては脆く、虫食いの被害にあったりすることもあります。特にナラ材の辺材(白太)は虫が喰うことが多いので使いません。できるだけ省くようにしています。脆さもあるのでナラ材は耳つきで使用することは稀になります。多くの木では樹皮から虫が入って白太の部分を食われることがありますが、赤太の部分まで食われることはあまりありません。虫は柔らかい部分を好むようです。硬い部分には歯が立たないのでしょう。

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こちらは吉祥寺ショップに展示中のウォールナット材の家族みんなのデスクです。耳つきの板は必然的に耳の近くは白太になります。このウォールナット材は色の差があまり明瞭ではありませんが、色の差は分かると思います。同じウォールナット材でも白太の色や幅などには違いがあります。色の差が明瞭でない場合もあるし、はっきりとしている場合もあります。また、白太の部分が多い材や少ない材というような個体差もあります。

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こちらは吉祥寺ショップに展示中のクリ材の耳つきテーブルです。上のウォールナット材と同様に耳の付近を撮影した写真ですが、明確に白太と呼べるような部分がありません。このように樹種が違えば、白太が有る無しも変わってきます。クリ材は白太部分が少なく、あまりはっきりとしません。しかし、クリ材の場合は赤太の部分も虫に食われています。これは木が立っている時にすでに虫に食われています。乾燥した板になれば虫に食われることはほとんどありません。

ざっくり言うと、クリ材やタモ材、ナラ材といった薄褐色をしている木は白太の部分が少ないです。逆にチェリー材やウォールナット材といった色の濃い材は白太の部分もはっきりとわかり大きさもそれなりにあります。

家具としては白太であろうと赤太であろうとそれほど違いはありません。でも見た目には大きく影響してきます。と言うわけで今日は木材が持つ白太(赤太)に焦点を当ててみました。木は知っているようで意外と知らないことも多いですからね。少しでも木に興味を持っていただければ嬉しいです。

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