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家具屋で働く双子のブログ
なんとなく国産材が良いという方のために…【No.1903】
先日仕入れた耳つきテーブル用の板を詳細に見てみました。サイズを測りながら1枚1枚の写真を撮っていきます。先日のブログではその中からクルミ材とカバ材の板を紹介しました。そちらのブログは下記のリンクから見て頂くことができます。気になる方はどうぞ。
→仕入れた耳つきテーブル用の板の中からクルミとカバの板を紹介します。【No.1898】
こちらのブログで紹介したクルミ材もカバ材も国産材になります。日本には木がたくさん生えているし、森や山がたくさんあるから木材も国産のものがたくさん使われていると思っている人も多いと思います。しかし、実際は輸入木材を使用している割合の方が多いんです。日本の木材自給率は20%台まで落ち込んでいました。最近では林野庁の指導もあり木材自給率を高める取り組みが進められています。そうした影響もあって現在の木材自給率は30%台まで回復しています。ただし、増えているのは燃料材やしいたけ原木であって用材は減少しています。用材の内訳でみても製材用材、合板用材ともに減少傾向にあります。
というわけで家具に使用されている国産材は全体的には減ってきていると言えそうです。仕入れのために材木市場に通っている私の目から見ても国産材の数が減っているのは明らかです。さらにいうと国産材の幅が広い板や丸太の数は激減しています。今後も間違いなくこの傾向は続くと思います。
日本の広葉樹林業はすでに衰退の一途をたどっていますが、これを立て直すのは困難だと思います。林業をやりたいと思っている人が新規参入するのもとても難しいですよね。すぐに切って、お金に換えられる広葉樹がたくさん生えている山を手にすることができるのなら可能かもしれませんが、そんな山はほとんど残っていません。簡単に切れる範囲にある木はすでに切ってしまっています。これらか育てようにも価値の高い大径木に育てるのに100年200年あるいはそれ以上掛かるかもしれません。お金に換えられるのは100年後というものに投資をするのは現実問題として厳しいです。100年後にお金に換えるから融資してくださいと銀行に言っても断られるのは目に見えていますよね。
しかし、日本人であるからには日本で育った木の家具を使いたいという気持ちも分かります。無垢材テーブルはその家の核になりうる家具ですからなおさらそういう気持ちが湧いてくると思います。今ならまだ何とか可能です。樹種やはぎ枚数は限られてきますが、国産材を最優先するなら製作出来ますね。(ただし、脚も国産材となるとハードルは高くなります。)
それでは今回仕入れた国産のヤマザクラ材を見てみましょう。
こちらです。同じ丸太から製材された板が何枚かあります。ただし、すでに割れが入っていて幅広く使えなさそうな板が半分くらいあります。ヤマザクラ材は割れが入りやすい樹種だと思います。木口からの割れはどの樹種にもありますが、ヤマザクラは板の真ん中辺りにも割れが入ることが多いんですね。この割れが厄介です。木口からの割れは切ったりして対処はできるのですが、真ん中付近の割れは対処がしにくいんです。長い割れが複数あると強度問題にも関わってきます。ヤマザクラ材は捻れて成長することが多いんですね。このヤマザクラも捻れながら成長している跡が樹皮や耳の部分に残っています。この捻れが板の真ん中辺りの割れと関係があるように思われます。(正しいかどうかは分かりませんが、そんな気がするのです。) とりあえず現時点で割れが入っていない板に割れが入らないように祈りながら乾燥させていきます。これらの板はあせらずにゆっくりと乾燥させていきます。焦ってすぐに木材乾燥庫に入れるとあまり良い事は起きません。今回仕入れたヤマザクラ材で出来るだけ多くの耳つきテーブル天板が出来ると良いです。
こちらは北米産のチェリー材です。サクラの仲間であることは確かですが、木目や性質はヤマザクラとは異なります。チェリー材の方が全体的に大人しい印象です。チェリーの方は捻れて成長せずに真っ直ぐに伸びている木が多いです。変形のチェリー材はあまり見かけません。乾燥中の割れもそれほど目立ちません。
こちらは吉祥寺ショールームに展示中のヤマザクラ材耳つき3枚はぎ天板用の板です。シミがあったり、カタチに変化があったりとヤマザクラらしいと言えばらしい板です。気になる方はぜひ吉祥寺ショールームで実物の板を見てみてくださいね。※こちらの板は成約済みになりました。
瑞木@相模湖
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