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家具屋で働く双子のブログ
ウォールナット材に出来た染みのメンテナンス【No.1439】
現在無垢材家具で一番人気がある樹種はウォールナット材です。材木市場でもウォールナット材の耳つき板は希望の価格で競り落とすのが難しいです。これも他の人もウォールナット材を欲しがっている証拠です。家具を製造する工房はウォールナット材をどう集めるか必死になっている感もあります。吉祥寺ショールームにお越しのお客様からもウォールナット材のテーブルなどの引き合いを受けることが多いです。
また、無垢材テーブルを検討されている方の関心を持っているであろうことは仕上げです。無垢材テーブルの仕上げは、大きくわけてオイル仕上げとウレタン塗装の2つがあります。オイルは自然の原料から抽出された植物性のオイルを中心に配合されているものです。主なメーカーはドイツにありますが、環境や人にも優しいということで健康塗料とも言われています。オイルそのものだけでなく、オイルを塗った無垢材は自然の艶がでて、ずっと触っていたくなるようなぬくもりがあるものに仕上がります。20年ほど前から、無垢材テーブルの仕上げとして使われるようになり、現在では無垢材家具の主要な仕上げの1つとなりました。
オイルで仕上げたテーブルは、自然な質感でその質感に魅了され、興味を持っている方も多いはずです。その一方で、オイルは水には強くなく、濡れたコップをそのまま置いておくと輪染みが出来てしまうこともあり、扱いが難しいと考えている方も多いと思います。確かに、ウレタン塗装に比べ扱いに注意が必要ではありますが、長い間使うという観点であれば、自宅でメンテナンスができるオイルのほうが優れていると考えることもできます。
以前にも紹介したことがありますが、今日はオイル仕上げのウォールナット材についてしまった輪染みをとるメンテナンス例をみていきます。
ウォールナット材は、濃い茶褐色をした北米産のクルミの一種です。製材されたウォールナット材は、濃い灰色のような感じの色味ですが、オイルを塗ると何とも言えない味わい深い色味になります。その色合いが多くの方に支持される要因でもあります。ソリウッドで定番として扱っている樹種の中でも最も色が濃い樹種です。お客様からも「染みが出来ても色が濃いからあまり目立たないのでは!?」と聞かれることもあります。結論からいうと、ウォールナット材だから特別目立たないということはないと思います。濡れたコップをしばらく置いたできた輪染みはこんな感じになります。
上の写真にはちょっと色が変わった輪っかが2つあるのがわかると思います。ここにある輪染みは、コップと板の間に水がたっぷりある状態で2日間置いたときに出来た輪染みになります。
この状態になると、染みのある部分を拭いても輪染みは落ちません。輪染みをなくすには、紙ヤスリ(320番)とメンテナンス用のオイル、オイルを塗るための綿100%の布を用意します。
ますは、320番の紙ヤスリで輪染みがある部分とその周辺をやすります。このときに、木目に沿ってヤスリを当てないと細かい傷ができてしまうので注意が必要です。紙ヤスリをかけると、色が薄く変わってきてしまうので、不安になるところではありますが、後でオイルを塗れば元に戻りますので、この段階では染みが消えるまで紙ヤスリをかけることに集中してください。
紙ヤスリをかえると上の写真のように色が少し薄くなり、艶もなくなります。紙ヤスリをかけて輪染みが見えなくなったら、紙ヤスリがけは終了です。この段階で、テーブルの表面に落ちている木屑や埃を綺麗に取り除いてください。ここで、木屑などをしっかり拭き取っておかないと仕上がった際の精度が落ちてしまうので手を抜かないようにしてください。
最後にオイルを塗っていきます。オイルは綿100%の布にオイルを垂らして、布で伸ばしていくように塗っていきます。オイルの塗り残しがないことを確認して、今度はオイルがついていない布でしっかりと拭き取ります。ここでしっかり拭き取っておかないと乾いたあとにムラになってしまうので気をつけてください。表面のオイルを拭き終わったら、作業は終了です。オイルを塗った後、半日ほどはテーブルの上にものを置かず、触らないようにして乾かします。これは注意事項ですが、オイルが染みた布はそのままおいておくと、熱を持つ可能性があります。そのため、オイルがついた布はそのままにせず、水にたっぷり濡らして、そのまま濡れた状態で生ゴミに捨ててください。
先ほどの輪染みがついた板ですが、2つあった染みのうち、左にあった染みが消えているのがわかると思います。
このように少し手をかければ、細かい傷や輪染みをキレイにすることが出来ます。少し勇気は必要ですが、そんなに難しい作業ではないので、ぜひチャレンジしてみてください。
賢木@吉祥寺
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