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家具屋で働く双子のブログ
個性的な無垢材テーブルを製作するには木材乾燥から行う事が必要です。【No.1378】
昨日のブログエントリーでは、耳つきテーブルの板を乾燥からするメリットについて書きました。少し中途半端になってしまった感じがしたので、今日はもう少し違った視点を含めてもう一度考察してみようと思います。
はじめに木材乾燥から行うテーブル製作のメリットについてまとめてみます。
1.木材やその板、樹種ごとの性質を知ることが出来る。
2.未乾燥材を仕入れても使用することが出来る。
3.人工乾燥することで乾燥精度を上げる事が出来る。
4.材木屋さんが仕入れないような個性的な板を仕入れる事が出来る。
木材といっても、樹種によって性質は違います。硬さや木目の様子も違いますが、乾燥中にどのような変化をするかにも違いがあります。水分の抜けるスピードも樹種によって違ったりします。こうした情報はなかなか文字情報として仕入れることができません。実践してみて経験的に分かる事です。様々な樹種の板を乾燥させてみていろいろな違いが分かってきました。どのように乾燥するかを知ることでより良く板の乾燥をさせることができます。また、乾燥の精度を上げることができます。
例えばウォールナット材。白太は水分が早く抜けますが、真ん中の方は水分がなかなか抜けません。周辺部分が含水率8%とかになっても、中心部が含水率25%ぐらいあることもざらにあります。そのため、周辺部分だけの含水率で乾燥具合を判断してしまうと危険です。
未乾燥材を仕入れても使えるというメリットも大きいです。材木屋さんによっては、天然乾燥材のみを取り扱っている場合もあります。そうした場合、人工乾燥をさせる必要があります。正直にいうと、天然乾燥だけの板は家具に使うのは不安です。ソリウッドでは自分たちで乾燥させる場合も乾燥済の板を仕入れる場合も人工乾燥庫に入れて乾燥させた板を使用しています。
木材の乾燥には、天然乾燥と人工乾燥があります。天然乾燥は風通しの良い屋外で桟積みして乾燥させる方法です。板の厚みや樹種によっても異なりますが、含水率が15%ぐらいまで下がるのには最低でも1年は掛かります。物によっては2年、3年掛かるものもあります。それでも含水率が15%ぐらいが限度だと思います。 含水率10%以下に下げるのは困難です。
最近の住宅は気密率が高く、室内の乾燥が進んでいます。なので含水率が15%ぐらいの板では製作後にも乾燥が進みます。その際に不具合が起きる場合があります。やはり含水率10%以下に一度落としておくのが安心です。
人工乾燥庫では天然乾燥ではなかなか到達できない含水率10%以下にすることができます。やはり計測箇所によって含水率は違います。乾燥終了は9箇所の含水率の平均が10%以下になることを目安としています。
そして、なんといっても個性的な板を仕入れることが可能になります。材木屋さんは丸太や板を仕入れる際に売りやすい板を仕入れる傾向があります。節がある板よりも節のない板の方が売りやすいでよね。なのでなるべく多くの人が欲しがる無難な板を取り扱う事が多いです。材木市場には個性的な板が結構多く並んでいます。そうした板を自ら仕入れて耳つきテーブルを作るのが無垢材家具工房の醍醐味だと思っています。
木材の乾燥から行っている家具工房は比較的少ないです。大規模な工場では大型の木材乾燥庫を持っている所があります。ソリウッドのような小規模の家具工房で人工乾燥庫を持っている所は少ないです。木材乾燥から行うことで板の乾燥コストを下げることもできます。こうして個性的な板を適正価格でお客様に耳つきテーブルとして提供できることが可能になっています。
瑞木@相模湖
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